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その男には気をつけろ  作者: 夢カモメ
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エピローグ

のどかな のどかな

観光地へ向かう

一両編成のディーゼル機関車


八名の乗客を乗せ


目的地へと向かう



山陰本線米子駅から

北へ向かうローカル線に一両のディーゼル機関車が停車していた。


日曜日の午前中10時35分。

一両編成のディーゼル機関車は

ゴロゴロゴロとディーゼルエンジン独特の耳につく

エンジン音を米子駅のホームに残し出発した。


アニメの人気キャラクターをプリントしたその一両編成のディーゼル機関車は

今や観光地と変貌を遂げた境港へ


観光客と運転士の片桐勇をレールの上に乗せ


ガタゴト ガタゴトと軽く振動させながら

真夏の暑い日差しの中


右に左に揺れながら目的地境港へと向かっていた。



米子を出発して

最初の駅


博労町のホームに高橋真弓はユックリとホームへ入ってくる 片桐勇が運転する機関車が静止すると後ろのドアから乗り込んだ。


ローカル線のワンマン列車は

後ろから乗り込み整理券を取らなければならない

目的地では

前方の運転士にその整理券と

切符を運転士の横にある料金箱に入れるか、

定期を提示して下車をする。


高橋真弓は

観光客ではない。

境線の中程にある

米子空港で下車し

空港の中にある土産物の売店への通勤の為だった。



ユックリとノンビリと

夏の日差しの中

アニメの人気キャラクターをプリントした

車体が各駅に停車しながら

終点…

境港を目指す

米子を出てから乗車したのは真弓ひとりだ


日曜日には通学する学生の姿も見当たらず


ベンチシートにはチラホラと

観光客とおぼしき乗客が座っている


右手に遠浅の弓ヶ浜をのぞみながら

暫し

『ここは何年経っても喉かだわ…』と独り言を呟いた。




毎日…

片道43分をかけ往復する。

片桐には知りすぎている路線である

しかし…乗客の安全の為


気を抜く事などはない

弓ヶ浜和田浜を抜け

次は大篠津町に止まる


次の米子空港駅は

目の前の筈だった。


乗車してくる客も

下車する客も居ない


片桐は指差し呼称をして米子空港駅へ出発進行した。

出発して直ぐに列車は霧に包まれた

暑い夏の日差しの下で霧なんてあり得ない

片桐は慎重に列車を進めると直ぐに霧の中を突き抜けた。


片桐は目を疑う

目の前にいきなり

トンネルが現れた。

この路線にトンネルは無い

片桐は迷わず

急ブレーキをかけた。


かけたが…

間に合わすホンの10メートル程のトンネルを

突き抜けた





ソコには片桐が見たことの無い風景が広がっていた。



片桐は

何時もの風景と違う景色に戸惑いを感じる


民家も

側に見える筈の空港も見当たらない


謎は深まるばかり


照りつける太陽の下


人間模様が繰り広げられる

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