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5話目 Door in the different world

 女が呪文を唱え終わり魔法陣は完成した。先ほど俺が潰した魔法陣はせいぜいマンホール程度の大きさだったのに対しておっさんが相手している奴は軽く半径5メートル近く展開している。

 おっさんじゃ足止めすら厳しいのか…。サキも同じようにがっくし来ているようだった。

体の再生力と頭脳だけはいいんだけどなぁ…あの人。



「あの陣。何か出て来おるな。」



背中に隠れていた残鬼が魔法陣を俺の肩越しに見て告げる。



「悪魔でも召喚するのか?」



「いや、邪悪な気配はないが…」



魔法陣から出て来たのは扉だった。どことなく中世時代の西洋的な雰囲気のする扉だ。

やっぱり何かする前に斬っておくべきだよな…。


俺が刀を納めて居合いの準備をすると女は即座に扉を開いた。瞬間、物凄い吸引力で女は扉の中に吸い込まれていった。



「おっわぁぁぁあああああ!!!」



魔法陣に一番近かったおっさんも扉の吸引力にかなわず、宙を舞い扉の中へ吸い込まれる。



「おっさん!!!くっそ!!」



俺も吸い込まれまいと地面に刀を突き刺し踏ん張ろうとしたが、悲しいかな…。残鬼はコンクリートを紙のようにするすると斬って踏ん張らせてくれない。



「いつになったら閉まるのよ!あの扉!」


「し、知らん……」



サキも爆炎を使って全力で逆方向に逃れようとしていたが、徐々に扉に引き込まれてゆく。俺ももうそんなに持たない、そう思った直後コンクリートが吸引力に耐えかねて俺の直撃コースを飛んできた。俺は刀を地面から抜き飛んできたコンクリートを切り刻む。すると身体がふわっと宙に浮いた。



「……くそっ」



「いやあああぁぁぁぁ」



 俺とサキも扉に吸い込まれた。


 扉の中は真っ白の空間で俺とサキを吸い込んだ扉は矢のような速度で小さくなっていく、やがて目視出来る限界近くで扉が閉まるのが見えた。




 辺り一面真っ白で上も下もわからず風も無いので進んでいるのか戻っているのかもわからない。一緒に吸い込まれた瓦礫などが周りをふわふわ飛んでいるため進んでいるのであろう方向は予想出来るが…。それと一緒に吸い込まれたはずのサキが見当たらない。



「爆発娘!!どこいった!?」



「なんじゃこれは!?」



そういえば残鬼がいたんだった。戦いの時は視野が狭くなるから背後にいてもらうのだが、重さが無いためによく忘れる。



「残鬼でもわかんない?」



「あぁ、わからん。あの女、一体何をしおったんじゃ!?」



 残鬼は驚愕した目で辺りを見回す。見回したところで白い空間とふわふわ浮く瓦礫しかないのだが…。


 ん?


 進行方向に吸い込まれた扉と同じ形をした扉が開いていて瓦礫が吸い込まれているのが見える。



「入口がありゃあ出口もあるか…」



「とりあえず入るしかなさそうじゃな。」


 扉が近づいてくるにつれて自分が今結構な速度で移動していることに気付く。どうやら吸い込まれた時の速度のままのようだ。

 その勢いのまま俺達は扉の外へ出た。

 出た瞬間に重力を感じ、また同時に背筋にヒヤッと悪寒を感じとる。



「うわあああぁぁぁぁぁぁ!!!」



 落ちる!落ちる!死ぬ!!



 扉から出たらそこは空だった。上空1500メートルはあるだろうか…。とりあえずこのままでは死亡確定だ。大地をよく見ると山の合間に湖があるのが見えた。



「残鬼!湖に落ちるぞ!海面から30メートル近くで俺のことを一瞬引き上げてくれ!」



「了解した!」



 残鬼は精霊なので触れることは出来ないが、所持者である俺だけは触れることが出来る。湖に落ちる寸前に残鬼に俺を掴んで空を飛んでもらい、落下速度を減速させて衝撃を和らげる。という強引な作戦。まぁこのまま落ちても俺は死なないんだが、まぁダメージは少なければ少ないほどいい。



 だんだんと湖が近づいてくる。俺は両手両足を限界近くまで広げ、落下速度を落とす。



「今だ!」



「えぃ!」



 残鬼が掴んで空を飛ぼうとするとガクンと衝撃が加わり脳が揺れる。


 ヘタクソ…もうちょっとゆっくり引き上げてくれよ。


 と、思ったのも束の間。残鬼は直ぐに俺を支える力に限界が訪れ、再び悪寒を感じ落とされる。

 俺はもう目の前まで来ている水面に足を向け入水の体勢をとる。かかとを鉛で出来たハンマーで殴られたような衝撃が体の芯を通し頭まできた。俺は水の中で手足を動かす。



 とりあえず、たいした怪我はなさそうだな。息…苦しい。酸素!酸素をっ!



 落下の勢いで10メートル近くまで潜ってしまったので水面までが物凄く遠い。



「ぶっはぁ!はぁー死ぬかと思った。」



 辺りを見回すとアルプスのような山々が連なっている。水も東京とは違い澄んでいる。



「日本じゃねーな。これ…。」



「というよりこの気配、地球じゃなさそうじゃな…。」



「マジで?」



 そう言った瞬間、目の前の水面が黒くなりそいつはぬっと表れた。



「ネッシー?」



 恐竜のようなそれは俺を見向きもせずに、さも当たり前のように通り過ぎる。



「確かに…地球じゃなさそうだ…。」

異界に入りました。

こっからようやくスタートと言ったところでしょうか…

週1ペースくらいで更新出来ればと思っています。現在パソコンが壊れていて仕方なくケータイでの更新となってます。ケータイで更新すると改行時ひとマス空けることが出来ない(本当は出来るけどめんどk(ry)のでパソコン直り次第直します。

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