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飽き空き秋

作者: 月蜜慈雨



フリーズドライした野菜が腐っている


厳密にはやる気がない


非常に不貞腐れている


これは由々しき事態だ

いや由々しき事態なのか


まあよく分からないが


か細い声でうにゃうにゃ言っている


お前らそんな声あげんのか

なんて思ったのは内緒だ


小腹が減ったので秘密の台所に来たが

なんだか妙なことになったな 


思わず微笑んだ


フリーズドライした野菜はまだ腐っている


せめて秋まで待とうぜ

心無い人に肥料にされてしまうから


明日はやる気だすか

明日なんて不確実なものに縋っても意味ないか


水道の蛇口を捻る

水がやる気と共にシンクに落ちていく


フリーズドライした野菜が腐っている


あくびと一緒に俺の存在も解ける


台所に吊るされたお前らが

まだ横でうにゃうにゃ言っているお前らが

面白くて

うにゃうにゃ言ってみる


うにゃうにゃ

うにゃうにゃ 


うにゃうにゃが共鳴する


こんな意味のない共鳴もない

でもそれで良い


少しは落ち着いたか 


秋風がお前らを右に左に揺らす



言われなくてもお前らはお前らを知っているだろうけど



また腐っていたら

またうにゃうにゃ言うから


うにゃうにゃ

うにゃうにゃ

うにゃうにゃ

うにゃうにゃ




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