表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1.

初投稿です。よろしくお願いします。

7:00

起きて、顔を洗って、着替えて、飯を食う。


8:00

地頭の良さで何とかなった自称進に登校して、同じようにあまりやる気のない仲間とつるんで騒ぐ。


12:00

仲間と昼飯を食いながら騒いで、だらだらとゲームをする。


18:00

昔は才能があるなんて囃された部活をサボって帰る。


20:00

飯食って、風呂入る。


21:00

友達とゲームでバカ騒ぎ


そうやって1日が終わる。

そんな毎日。

特段不満は無い。ゲームは楽しいし、彼女は居ないけど気になる人はできた。漫画は調べたらなんでも読めるし、snsはエロい女と炎上してる俳優が流れてきて丁度いい暇つぶしだ。


娯楽はいくらでも手に入る。最高に自由な時代を生きてる。


だから、そう。不満があるんじゃない。


飽きたんだ。ただ、それだけ。


いつもは考えないそんなことを考える事がある。全部が無駄に感じて、何かをしなきゃって思うけど、何も出来ずにネットを見てる。

それにまた嫌気が差して、何だか死にたくなる。

不満は無い。親は普通だ、色んな事をさせてくれてる。友人関係も良好だ。むしろ、グループの中心にいる。


なのに、


あぁ、


なぜか俺はこんなにも


死にたい。


そんなことを思いながら、俺は目を閉じた。




やけに寒さを感じて目を覚ます。

今は夏の終わりだ、まだそんなに寒いはずがない。エアコンの設定温度でも間違えただろうか。


いつもの枕元を手で探るがみつからない。というか、枕も無いし、かけていた布団もない。そして何より、地面に寝そべっている。


「え…?」


身体を襲う強烈な違和感に一気に目が覚める。頭に血が回っていくのを感じる。

「は…?え…なにどこ…?」

状況が掴めない。起きたら地面に寝そべっていて、明らかに森の中にいる。

「何…俺、捨てられた…?」

自分の状況から1番現実味のある可能性を口に出す。

何も分からないまま頭の中に大量のクエスチョンが浮かぶ。

誰が?どうやって?理由は?

今自分に起こっている全てについて現実味が無さすぎる。自分の状況の把握すらままならない。もし夢であると言われれば今すぐそのまま眠ろうとするだろう。

しかし感じる全ての感覚がどうしようも無くこれは現実だと告げる。


「ヴヴヴヴヴ…」

エンジン音が聞こえる、車かバイクか近くに居るのだろうか。助けを求めなければ。

立ち上がり、手を挙げ、声を上げようと息を吸う。その瞬間、頭が真っ白になる感覚があった。


30メートルほど先に1匹の獣が見える。真っ黒い毛皮に、赤い目の獣は、感じたことの無いほどの明確な殺意をもって確かにこちらを見定めていた。

上がった手が下げられない。吸った息も上手く吐けない。全身が固まるのを感じる。

車のエンジン音ではない。こいつの唸りだ。このままでは俺はこいつに、喰われる。


その確信だけがあった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ