ドキドキ!? 現地住民とのふれあいだよ! ドロータスちゃん 3
泥のお家で情報交換したり、スキルの練習したり、乳繰り合ってる間に、ゲーム内時間で一日経過してました。楽しいときって時間が過ぎるのマッハだよね。
そうこうしてる内にもうあちら側の話が纏まったらしく、次の日にはおじさん達が再びやってきた。判断が早い。なんかお家見たら顔覆っちゃったけど。大丈夫? 泥ティー飲んでく?
そんでおじさん達の伝言によると、今から二時間後に領主と冒険者ギルドのギルドマスターを交えた会談タイムを、あちらが用意した会議用テントで開催したいとのこと。よしよし、話し合いを選択してくれたのは賢明やで。
にしても、最近お偉いさんと話す機会が多いな……。嫌じゃ……妾は働きとうない……頑張りますけども。一人じゃ無理そうだし、横からビャクレンにサポートしてもらうか……。
おじさん達は連絡役ということで、通信機みたいな魔道具で向こうと連絡取ってた。最初期のバカデカい携帯電話みたいなやつ。
ギルドから特別に借りてきたものだからって触らせてくんなかった。ケチ。
一応マイファミリーから魔道具のことはちょいちょい聞いてたけど、結構文明が発達してんのかな。観光にも期待が持てるってもんよ。これはデート実現のためにも気合い入れないといかんな! やるぜやるぜ私はやるぜ。
無事終わったら、頑張ったご褒美に三人からチューしてもらお。
***
「ハウメイア辺境伯領領主にして、城塞都市ハウメイア責任者のユールヴァン・ド・ハウメイアだ。よろしく頼むぞ」
「冒険者ギルド・ハウメイア支部マスターのダムズという。お互いにとって良い会談になることを祈る」
「マッドノイド系種族の始祖にして姫、ドロータスと申します。会談の場を設けて頂き感謝致しますわ。本日はよろしくお願いしますね」
そんな挨拶から始まった今回の会談ですが、意外にも割とすんなり進んでおります。話が分かる人らでラッキー。側近ぽい人含めて会談メンバーはオーガ系ばっかなんだけど、実直なのは種族柄みたいね。
あとはお話の最初の方で、混沌勢力から離反した証拠として戦魔神の大剣を「ぶっ殺して奪い取りましたー」って見せたのが良かったかな?
ムキムキ領主爺さんが混沌との大戦を経験した世代らしく、「高慢な彼奴が自分の武器を他人に持たせるはずがない」なんて一発で信じてもらえたし。
あまりにあっさりすぎて、本当によろしいのですかって聞いたら「魔神を倒すような存在を敵に回すよりよっぽど良いわ」だって。やはりパワー。パワーは全てを解決する。
続けて「敵対した場合どうなるかなど、考えただけで頭が痛くなる……」って額抑えてぐったりしちゃったけど問題ないな! 証明終了、Q.E.D.! 管理職って大変だね。
とりあえず、会談の結果を王都に連絡してからの返事待ちになるけど、不戦協定的なものを結んで、混沌勢絡みではお互い協力する方向で話は纏まった。
今のとこ魔王国に属する気はないって伝えたらそういう風になりました。混沌に対する強力な戦力として当てに出来るなら、特に損もしてないしいいかって感じかね。
あと監視付きにはなるものの、観光は普通に許可してもらえた。やったぜ。監視役の魔物さん、存分にバカップル見せつけられる羽目になってかわいそ。
「しかし、そうか……。奴らの封印が緩み始めているならば、急ぎ対策を協議せねばなるまい」
「そうですな。現魔王様にも、覚悟を決めて頂かねば」
「ヴァージニアちゃん、お膝に来てください」
「はーい♪」
「ありがとう。はぁ……かわい……ぎゅう……」
はぁぁ~~~~~~~……ウチの子抱っこ癒される……。ハグはする側もされる側もストレス緩和や安心感を得られるんだから、積極的にやるべきそうすべき。
おっさん共が白い目で見てくるけどしょーがないじゃん。リアルは女子高生なのにお偉いさん会議頑張ったせいで疲れたんじゃ、こっちは。
マイファミリー全員にひっついてもらいたいところを、TPO弁えてヴァージニアちゃんだけで我慢したんだからこれくらい許せ。ビャクレンとスイヒちゃんには後で膝枕よしよしを要求します。
「……姫様」
「ビャクレン? どうかしましたか」
「外の動きが慌ただしくなっております。警戒しておくべきでしょう」
なんじゃもんじゃにんじゃ? 確かに探知範囲内の人らがバタバタしてるね。あ、一人こっちくる。
「会談中失礼致します!! 領主様に緊急の連絡です!!」
「どうした!」
「つい先程、『不法の魔神』を名乗る混沌勢力の者がハウメイアに対して宣戦布告!! 明日八の刻を以て開戦と一方的に告げ、去っていったとの事です!!」
「何だと!? ……腹黒のデュースノミアーめが。死んだとされていたが、やはり生きておったか。対応はどうなっておる?」
「はっ! 現在、兵団長を中心に防衛体制を――――」
えーーー何してくれてんのそいつ。せっかくいい感じに会談終わりそうだったのによ~。
ドロータスちゃんは関係ないのに、下手したら元混沌勢のウチらまで心象悪くなっちゃうじゃん。タイミング考えんかボケー。
まぁまだ仮とはいえ協力関係結んだわけだし、お願いされればKY混沌マンを一緒にボコるのはやぶさかではありませんよ~。
と、いう想いを込めて優雅に(ヴァージニアちゃん抱っこしてるけど優雅ですよ。何か問題でも?)泥茶しながらチラチラ視線送ってあげてます。この辺の気配りが人気の秘訣かも(謙虚)
いや、私からは言い出さんよ? これから泥陣営のトップになる予定のこのドロータスちゃん、無駄に下手に出るような真似はいたしません。
……ふむ。この辺の泥はダージリンを彷彿とさせるフルーティーな香りに、引き締まった渋みとコクが味わい深いですな。すこ。いっぱい持ってっちゃお。
「しかし奴にしては性急な……戦魔神が死んで焦っておるのか? 他には何か言っておらんかったのか」
「はっ! 魔神の発言記録を読み上げさせて頂きます! 『同胞であるヒュスミーグナに対する魔物族の所業、到底許せるものではありません。報復として、手始めにこの地を混沌に沈め、我々の橋頭堡にして差し上げましょう』……以上です」
ブーーーーーーッ!!
「げほっ……失礼しました」
泥ティー吹いちゃった……。ヴァージニアちゃんにかからないよう咄嗟に横向いたらテント汚れちゃってメンゴ。
……やべー、ドロータスちゃん思いっきり関係あったわ。てゆーか半分私のせいだったわ。
もしかして、混沌勢にはまだしっかり話が伝わってない? 反逆者の部分がすっぽ抜けてて、勘違いで行動に移しちゃった感じ? 迷惑な奴やでまったく。
えーっと……何にしろドロータスちゃんが出てかないわけにいかないよね、これ。しゃーないか。ハーよっこらせっと……。
「卑劣な魔神の行い、見過ごす訳に参りませんね。此度の戦、私共が先陣を切らせて頂きます。混沌の者を討ち果たすため、共に戦いましょう」
うん、起こってしまった事はもうしょうがないよね! 私がいる時で良かったと思って前向きに対処していきましょう!
よーし、ハウメイアのみんな! 一緒に頑張ろうねっ♪
……だからそんな目でこっち見ないでください。ごめんて。




