外に行く、再会もある
ランクが1つ上がって
まだ街の外には出ずにいくつか街中で依頼をこなしていたある日
夕方の時間帯、本日のガーゴイルの依頼が終わった時の事だった
「ありがとうございます」
「ありがとー!」
「どういたしまして」
今日最後はある親子の門にガーゴイルを作った、何回もガーゴイルを作っているから外見もすこしカッコよく作れている気がする
もちろん最初の方に作ったガーゴイルを元依頼人の人に話してリメイクに行くこともある、自分の納得の為に
土魔法の応用した創作魔法はガーゴイルのみ上手くなっている、単純である程度の作りならできるようになってみたいな
「ねえねえ?」
「どうしましたか?」
依頼が終わって去ろうとした時、息子さんに話しかけられた
……思ってみれば普通に子供に話しかけられるぐらい信用されるようになってきたと思うと、少し感慨深い物を感じる
「勇者ってみんな言っていたけど、ガーゴイル勇者なの?」
「え?ガーゴイル勇者?俺の名前はソラアミセントですよ?」
ガーゴイル勇者?!なんか王都セカンドルトにて挨拶勇者って呼ばれていたけど、広がっているのか?
「だって、勇者のソラアミセントがガーゴイルをあっちこっちで作っているって聞いたよ!」
「ええ、結構息子から聞いています、友達がよく言っているらしくて」
いつの間にかそんなに広がっていたのか……いや、あっちこっちで作っていれば当たり前だけど
挨拶勇者の次はガーゴイル勇者かい!
「えっと…そのような噂が広がっているなら俺はガーゴイル勇者なのかもしれませんね」
「やったー!握手していい?」
「構いませんよ」
「わーい」
そう言って息子さんと握手をする、子供らしく元気いっぱいで繋いだ腕を上下にブンブンと振っていた
そして、眩しいぐらいの笑顔を浮かべている
この笑顔をずっと守っていきたいな
「ありがとー!ガーゴイル勇者さん!」
「どういたしまして、ヒューラルにはまだまだいる予定なのでまた何かありましたら依頼にて呼びかけてください
いつか、あの湖の汚染問題を解決しますので」
「はい、よろしくお願いいたします!」
そういって去っていく、息子さんが「バイバーイ!」と大きな声で手を振っていたので俺も小さく振り返してギルドへと向かた
「さて、ギルドに戻ったら報告して皆を待つか」
って言いながらふと自分のギルド証が視界に入った
そう言えばランク4になってから街の外で依頼ができるようになったけど、まだ1回もやったことないな、今度3人に相談して行ってみようかな?
「あっ!千斗ー!」
「え?あ!品子さん!蜜巳さん!」
「おつかれ…………さまです」
偶然にもちょうど依頼が終わったのであろう、品子さんと蜜巳さんがいた
「このまま一緒に行こうか」
「うん!」
「行きましょう………」
丁度いいからさっき考えていたことを相談するか
「ちょっと相談したいことがあるんだがいいか?」
「ん?どうしたの?」
「……もしかして…………そろそろアミルクリスタルを取る……………本題に入る事ですか?」
「それは……まだ早いかも、怯えている人がまだいるし、できればあのセメリさんと和解はしたい」
「そうでしたか…………ヒューラルで何が起きたか分かりませんが………最低限……………解決したいですし」
この前の事を聞いてから……と言うよりかは舞台から観客席から見た後にセメリさんがいないか探していたりと結構意識をしている
本当にセメリさんとは和解をしたい、湖の事を先に解決したとしてもヒューラルを出る前には絶対に解決したい
「この前、俺達はランク4になったけど外の依頼を受けてないよな?」
「そうだね!ずっと楽しくお店の手伝いをしているよ!」
「私も……………お仕事楽しいです……………」
「たまにはなんだけど、外で依頼をしてみないか?
普通に好奇心もあるし、ランク1つ上の依頼をやったらギルドからの信用も高くなりやすいと思うんだ
けど1人で街の外に行くのは危ないかもしれないし、2人が良ければ一緒に……」
「やってみたいよ!」
「ちょっと……………久しぶりに…………戦いもしてみたいですし」
思った以上に肯定的だった!?現状維持がいいと断られると思ったんだが……
「もしかすると…………湖のは…………戦いが必要になるかもしれませんし……………戦闘訓練するに越したことはないと思います」
「それに、何もなかったとしても次の国で戦うと思うからね!」
「そうか、ありがとうな
そうなったらいつにする?俺は今の所ガーゴイルの依頼は明日は大丈夫だと思うし早ければ…………」
「明日でいいよ!」
「明日で…………構いません」
………もしかして、2人って戦いたかったのか?
たしかにここしばらく戦闘していないし……
「よし分かった、タスメさんと合流したらそのことも伝えよう」
「はい!」
「分かり……ました」
そう言ってギルドにたどり着き報告、今回の分も終わった
タスメさんも依頼が終わり外の依頼について聞くと
「いいッスよ、目的の場所まで馬車を出すッス
明日一緒に吟味するッス」
普通に同意をもらった
これで明日から行くことになりそうだ
そして帰宅中……
毎日別々の宿に泊まっていたけど今回の宿は……
「あ!これ!」
「初めて………見ました」
「いいセンスッスね」
「………」
以前、それもどれぐらい前だったか忘れたけど、俺がガーゴイルの依頼に来た所だ
噂は広がっていても、石像自体はまだ町全体に広がってないから3人とも見たことなかったらしい
「噂のガーゴイルだね!カッコいいよ!」
「すごい…………」
「異世界のセンスってを初めて見たような物ッスけど、カッコいいッスね
たしかにヒューラルで話題になったり流行るのも分かるッス」
「………恥ずかしいな、自分で作っておきながらアレだけど」
「それは恥ずかしいいじゃなくて照れてるってことだと思うよ千斗!」
「あの、どうせバレると思うし1つ白状してもいいか?」
「どうし………ましたか?」
「さっき依頼をしている時に1人の子供から聞いたんだけど
俺『ガーゴイル勇者』って呼ばれているらしい」
「いい名前ッスね!」
「挨拶勇者みたいだね!」
「それ、俺も思ったよ」
「もしかすると…………それぞれの国で…………いろんな呼び方をされたりして」
「恒例行事みたいなこと……あるのか?」
そう話しながら宿の中に入り、一晩泊まった
当然のように依頼した俺の事を覚えていたらしく、値下げと言う意味でサービスを受けそうになったけど何とか断って、普通料金で支払うことにした
そうして次の日、久しぶりに鎧を着てちょっと早めにギルド風のたまり場へ
「今回は4人で行くッスね?」
「ああ、外は魔物の危険性があるから個人行動は危険だし」
異世界作品でも主人公が最強の時は1人で行動することが多いけど、実際に1人だと回復も魔法も物理な戦いも全部自分がやらなきゃいけないから自己責任になる、ゲーム的には自由にできるかもしれないけどリアルに考えると荷物運びや食材を使った調理も自分1人でやらなきゃいけなくなるし、そしてピンチになったとしても自分だけしかいないから助からない場合が多い
「運よく近くと通った人が」…ってパターンになることが多いけど実際は助からない場合が多い、この世界では死んだ人は生き返ることはできるけど、死んだ自分を生き返らせることはできないだろう
「だったら、無理しないで魔物と戦うの以外とか…?」
「しーちゃん………安全な素材採取とかに…………しない?」
「うーん」
外で依頼をするとは言ったものの、行動範囲が広がればできることも一気に増える
オープンワールドでチュートリアルが終わったらやれることが増えるときのように
早めに風のたまり場に来たのは、混雑する前に依頼を選択したかったからだ
けどどれにしようか……早めに決めないとそろそろ人が来そうだ…
「あれ?あの姿は…」
「ん?」
そう言われて背後を見る、なんだか聞き覚えのある声と思っていたけど姿を見たらすぐにわかった
「あ!ナイヴォさん!久しぶりです!」
「劇場での依頼ぶりだな」
そう、劇場で共に依頼を行ったナイヴォさんと再会した
横にはパーティメンバーらしき女性の姿が2人いる
劇場で見た時のナイヴォさんの姿は普段着みたいな恰好をしていたけど、今は鎧を見に纏っていて手には、折りたたんでいるかぎ爪をつけていた……カッコよすぎない!?
興味津々に見てみたいけど、変な目で見られそうだから我慢する
「ナイくん?勇者の人達?」
「ナイ?彼らが勇者?」
「ああ、ヒノム、チルス
こちらの皆が丁寧な勇者たちだ」
ナイヴォさんが左右を見ながら俺の事を説明した
おしとやかそうな人がヒノムさん、活発そうな人はチルスさんという名前らしい
ヒノムさんは両手両足に硬そうな小手やレーガスを着けていて格闘で戦いそう雰囲気、そしてチルスさんは大きなリュックを背負っているけどアイテムや荷物運びなどを行うんだろうか?
ナイヴォさんとヒノムさんが結構身軽な格好をしているから、その分チルスさんが大きな荷物を持っているんだろうか?
それと、あだ名っぽく呼んでいるみたいだけど、どういった関係なんだろうか?
「もしかして、千斗が前に言っていた人?」
「ああ、劇場での依頼で共に舞台に立った人たちだ」
「同じ冒険者ですからいつか会うと思いましたが……………凄い強そうですね……」
「まあ、な
俺達はパーティ『スリーピー』でランクが1なんだ」
「すごーい!
あ、私は勇者だけど今は冒険者をしている秋原品子だよ!」
「私は………小沼蜜巳…………です」
「俺は3人を案内しているタスメッス」
「よろしくお願いします、俺はナイヴォ」
「私はヒノムよ、よろしくね勇者さんたち」
「アタシはチルス!よろしく!」
それからは軽く自己紹介をした、勇者なのになぜ冒険者をしている理由とか
自分のランクについてとかを
「……ということで、好奇心もあるけど、ランク4の依頼を選んでいる最中なんだ
結構数が多くてどれにしようかと迷っているし」
「そう…ナイ?ガーゴイル勇者ってどうゆうことをやりたいか?とか分かるかな?」
「うーん、そう言われてもそこまで詳しくは……」
「ちょっと待ってください、チルスさん?」
「ん?どったの?」
「さっきの自己紹介で『ガーゴイル勇者』って言ってなかったけど、噂って広がっているんですか?」
おかしい、さっき会ったばっかりだしさっきの自己紹介で一言も言ってないのにそう呼ばれているのか?
「んなこと言われても、ギルド内で結構『ガーゴイル勇者』ってよく聞くから!」
「ええ、ガーゴイル勇者くん、カッコいい響きですね」
「………」
自分の顔から湯気が出ているんじゃないかと思うぐらい、急に恥ずかしい
いや、照れているのが正しいかもしれないけど
「うおっほん!話を逸らしてすいません!ともかく本題に戻りましょう!
依頼ですが、難しいのをやって信頼を……と言うよりかは、今日初めて外で依頼をするので慣れるためにはどれがいいのかが分からなくて
安全そうなのを選びたいなとか思ってて」
「慣れ?ガーゴイル勇者くん?」
「はい?」
「ごめんね、安全そうなのを…って言っているけど、外にいる限り安全は無いのよね、常に狙われていると思った方がいいよ?」
「そうですか、つまりは外にいる限り魔物や盗賊の脅威は確実にあるという事ですね、魔物と戦わない素材採取の依頼でも警戒は常にってことですね」
「正解、偉いね!」
ヒノムさんは、なんだか幼稚園の先生な雰囲気がするような?
ナリアン先生は小学校の先生な雰囲気があったけど……ところで今は元気だろうかな?
「ねーねー、思ったんだけど
それだったらスリーピーの人達と一緒に行くとかどうかな!」
「しーちゃん!?
…………私たちは会って初めてだし…………それにこれから依頼を行おうとした皆さんに迷惑だとっ…………」
「俺は一向にかまわないよ、これからどの依頼にするかを決めようとしていたし」
「せっかくだし勇者くんちゃんたちと話をしたいわ」
「いんじゃない?ナイもヒノもそう言っているし」
賛成で一致だと!?
勇者という事で信頼されているっぽいから嬉しいけど、いいのか?!
それになんだ!?勇者「くんちゃん」って!?
「意見が一致しているなら一緒にやってもいいと思うッス?」
「えっと、それならスリーピーの人達で良ければ…って
皆様はランク1で俺たちはランク4、それって受ける依頼とかってどうなりますか?」
「それはもちろん、ランク4までになる」
「それって、料金とかはどうなるの?」
「料金?依頼で料金は関係ないよアキハラシナコちゃん?
街中で出来るランク5でも高くて難しいのもあるのよ」
「それで……………私たち、足を引っ張らないか………………心配で」
「なんで?人が増えれば何の欠点は無いよ!
戦いが心配だったらアタシたちに任せてよ!!」
本当に優し過ぎる、これがランク1冒険者の精神だろうか?
「では…スリーピーの皆さん、本日はお願いします」
「よろしくね!」
「よろしく……………お願いします」
「よろしくお願いします勇者の方々」
「よろしくね」
「よろしくー!」
「よろしくッス
それでどの依頼をするッスか?」
今回は合同パーティーで行うことになった、にしてもどの依頼をしようか…って思っていたらナイヴォさんが1つ取った、目星を立てていたのかな?
「ナイヴォさん、その依頼はどんな依頼ですか」
「パッと見て取った、内容はよく見てないよ」
「え?」
「え?」
「ナイくんはいつもそうやって決めているの、偉いでしょ」
「そうそう、判断も早いし!依頼も早くやるから早く帰れるし!」
「取り合えず、一旦確認してもいいですか?」
「いいですよ?どうぞ」
そう思って確認すると、洞窟での討伐!?
素材採取とか近くの魔物の討伐と思ったんだけど!?
怖さとかもあるけど、それよりもワクワクした気持ちが湧いてきてしまう
「洞窟!?」
「なにか、不都合があったら変えましょうか?」
「俺達…本当に行けますか?」
「それなら、勇者くんちゃんたち私が守る?」
「まって!守るのは私もできるから!」
「私は……………不安ですが…………ちょっと行ってみたいです
……でも、洞窟内で弓矢って行けます……………でしょうか?」
「大丈夫だよ!私それみたいな武器つかうから」
「…思った以上に皆さんが肯定的なので洞窟で大丈夫ですよ」
「分かった、じゃあ依頼板を受付に持って行くよ」
何というか…思った以上に軽いノリをしているパーティだけど、大丈夫なんだろうか?
いや、今まで真面目にやってきてランク1になったんだし大丈夫だろう
もしくは俺の知らないような、このグラーフィアの常識とか基準とかあったりするんだろうか?
ナイヴォさんと俺もその後をついて行き、合同パーティーとして受付に伝え依頼を行うことにした
ちなみに依頼者はギルドそのものだから依頼人の所には行かずそのまま馬車に乗っていくことになった
※念のために言っておきますがスリーピーの人達が裏切るとかの展開は無いです
疑念や疑いから入る展開は好みではないので




