依頼がある、地道から始める
ギルドのパーティーメンバーになって依頼を行うことに
朝に入ったばかりの時は吟味している人であふれていたけど、今は空いている
黒板がかけられていて、そこには白い字と赤い字で依頼が書かれていた
学校でノートに書くように普通の事は白い字で、強調したい字は赤い字で書いてある、たとえば依頼の内容的に危険度が高い物や、「どういった能力が必要か?」などの依頼者への要望を書かれていた
乱雑に貼られている訳でなく、ランク5から順に貼られてる
「そういえば、昼か」
朝からギルドマスタースイトと面接をしたり戦いをしたり、気が付いたら昼になっていた
依頼を決めた後に昼食を取ろうかな?
そう言えば、朝見た時に比べて黒板の数が減っている、朝にいたギルドメンバーが依頼を受けたら持って行ったんだろうか?そうゆうシステムだろうか?
ゲームとは違って依頼を受けるまで何も起きない…という事は無く、今この瞬間も困っている人はいる…言わばリアルタイムという物だろう
救援依頼などダンジョンの奥地で困っている人は飢えと怪我で刻一刻を争うことになるし、たとえ蘇生があったとしても命を大事にしている世界だから人助けに積極的な人が多いと思う
その為か、緊急性のありそうな依頼は無いように見えるな?優先的に冒険者達は選んでいるのかな?
「受付嬢から『手分けして依頼をこなしてもいい』と言っていたッスけど今日は初めてッス、全員で行くッスよ」
「そうですね………………………初めてなのに別れるのは………………不安がいっぱいです」
うん…初めての仕事は別れたくない、不安な所もあるし
と、吟味しながら考えていると背中をつつかれてる
ん?品子さんどうしたんだ?
「ねーねー千斗?」
「どうした?」
「ラノベとかで、こういった時に最初にやる依頼って決まっているの?」
「ラノベで最初にやる依頼か…」
ちょっと考えてみたけど、すぐに例が思い浮かぶぐらい簡単に思いついた
「素材採取や簡単な魔物の討伐だな…でも街中でできないからランク4以降になる」
「ちょっと思い返してみましたが………すぐに思い浮かぶほど…………結構…………ありますね………………」
まあ、初期のランクの時でしか受けられない依頼をやっている最中
普通に魔物を討伐したり素材採取をしている最中に、なんかとんでもない魔物…だいたいレイドボスって言われている「普通はその場にいないはずの、とんでもなく強い」魔物とかと会ってって戦ったり
重役の人が巻き込まれている所を助けてとんでもない褒美をもらったり、普通に何も起きなくいても異常な量のアイテムを手に入れて驚かれたり、そして周りの人から「すげーっ!」ってなるがそんな展開は起きないだろう
とにかく最初に普通に依頼をこなした光景ってあんまり見たことない
「5にある依頼は…土木工事に壁などの修復依頼
『壊れている所を直して欲しい』って依頼が結構あるな?」
「壊れている所、街の内側にいっぱいあったからね!」
後は畑作業とか畜産作業とか……見た感じ本当に何でも屋な雰囲気がする、日雇いのバイトと表現したほうが近いのだろうか?
「私決めた!」
「決まったの……………しーちゃん?」
「うん、これとこれと……これ!
でいいかな?!」
「ん?ちょっとまって品子さん?」
いま、「これ」が3つ言ってなかった?
「どーしたの?」
「さっき3つ選んでなかった?できるのか?」
「できるって言われても…」
そう言いながら依頼を見せて来た、これは…
「かわいそうだもん!飼い主もペットも!」
3つともペット捜索の依頼だった、確かにペットは家族だし大切だ
俺は飼ってないけど、もし親が連れてきた時には責任をもって育てるつもりしかない……でも、いきなり3つは過重労働となるんじゃいだろうか?
「ペットはたしかに大切だけど…………しーちゃん……………できる?
…………一気に3つは、張り切り過ぎない?」
「できるかどうかじゃないよ!やるんだよ!
依頼者はペットと別れて心配しているから早く見つけてあげたいよ!」
めっちゃ主人公みたいなことを言っている
ここまで全力でペットの事を考えられるのは依頼者にとっても安心になる……いやまだ会ってないけど
「そうッスけど、ペットの見つけ方とか大丈夫ッスか?
それに、見つけたとしても捕まえ方とか………」
「それはもちろん依頼者に聞くよ!!
好きなオモチャとかご飯とか聞くから!」
「……勢い凄いッスね、一応俺も動物の事なら教えるッス
依頼書を見た感じ期限とか書いてい無いッスけど何日以内ぐらい…」
「もちろん今日中だよ!」
「お、おう……分かったッス」
完全に品子さんのペースだ、さっきまで「無理をしない」とは言っていたけど
人間はシングルタスクできるように作られているのであってマルチタスクに対応していない…と思っている
ペットも家族であるし同じ命だからこそ無下にしたくないからあまり強くは言えない
正直俺は肯定か否定かどっちに着くか迷っているのもあるし…
ここは……
「いったん受付嬢に聞くのもいいんじゃないか?
ランクって言っても1以外は難易度に関する追及は無かったし難しさとかよく分からない
それに受付嬢に聞けば依頼の詳しいことが分かると思う
丁寧に対応していただいたし、依頼の事も普通に聞けると思う」
「そうですね……………依頼の事は…………………職員に聞くのが一番ですし……」
「そうだね!」
「そうするッス」
何とか収まった…と思う、このまま受付嬢のいるカウンターへ向かって行く
「依頼が決まりましたか?」
「はい!これとこれとこれをお願いします」
「いきなり3つですか!?とりあえず確認をし……」
慌てながら確認した受付嬢の動きが止まった、え?一体どうしたんだ?
「あーこれですか、またですか」
「え?また?どうゆう事なの?」
………なんか、受付嬢の人がウンザリしている様子をしている
「またか」っていつも来ている内容なのか?
「えっと、初めての依頼ってこれでいいですか?」
「いいよ!」
「ちょっとまってしーちゃん!
………受付嬢さん………どうゆうことですか?」
「えっと、この依頼なんですけど……全部同じ人なんですよ」
「3つもあるならそれだけ必死に見つけたいってことじゃないの!」
「よく聞いてください」
…ちょっと周りから、クスクスと微笑ましそうな笑い声が聞こえて来た
品子さんの真っすぐすぎる情熱が微笑ましいんだろう
恥ずかしいから周囲の冒険者の人達やめてくれませんか!
「この依頼者のペットは全部で3匹いまして、それぞれを探して欲しいから3つの依頼に分けているんですけど
いつも来ている依頼でして…」
………なんとなく展開が読めた気がする
「この方はそのペットを大切にしているのはたしかですが、毎日のように外に逃げられていて毎回頼んでいるのです。他の人のペット捜索とかは冒険者たちが積極的に依頼をこなしてしていますがこれだけはいつも残っていまして……」
「でも、それでも逃げたなら見つけてあげたいよ!」
「いや、実はその心配も無くて…夜の時間が来ると普通にペットたちは家に帰って依頼が取り下げになります
そして次の日になって逃げだして依頼しに来て…ほとんど毎日その繰り返しです」
まあ、猫を飼ったことは無いけど
猫って完全に家で飼うタイプと、外に散歩させる人がいるって聞いたことある
犬の散歩とは違って勝手に出て勝手に帰って来るとか…正直いつかいなくなりそうで、もしもペットを飼ったとしても猫を外に出せない
「そうなんだ、でもそれでもこの依頼をやりたいよ!
もしかすると飼っている人とペットたちにすれ違いがあるかもだし、それがペットたちにとっての愛の形かもしれないし…知りたいから受けるよ!」
あれ?なんか目的変わってない?
「まあ、いつも来ていて簡単な内容ですし
初めての依頼でピッタリかも知れませんし、良いでしょう」
物語の主人公だったら、何か特別なことが発覚とか完全解消したり…ってなるけど、そういった事は無く普通に終わりそうな予感しかしない
ある意味、チュートリアルにはピッタリなのかもな
「ボチボチ頑張りましょうか…………………千斗さん……………タスメさん」
「まあ、この異世界のペットの知識とかも教えるッスから頑張るッス」
「まあ、いきなり危険なのをやるよりかはいいだろう」
「はい、でしたらよろしくお願いします」
「うん!頑張るよ!」
流石に明日もやる…なんてことになったら止めることになるけど
このペット探しの依頼をすることにしよう、冒険者と言うよりかは探偵な気分になりそうだけど
黒板を受け取った受付嬢は、内容を全部消した後に3つの依頼をまとめたような1枚の内容に書き直して渡した、街の簡単な地図が書いてあって場所が分かる、歩いて行けそうな距離だ
それに、この黒板にはギルドマークの焼き印ような物もついてた
分かりやすくギルド名の「風のたまり場」と読める
「依頼の基本としては、まずは依頼人の元に行き詳しい要望を聞いてください
依頼料も書いていますが基本的に増減はしません
どうしてもと言うなら依頼人に交渉したりとかはありますが…」
「金銭は関係ないッスから別にいいッスよね?」
「大丈夫だよ!」
「問題…………ありません」
「そのままでいいよ」
お金に困っているわけではない、タスメさんが城からの支援金を管理しているし基本的に「心配はいらないッス」と言っているから、信用して任せっきりにしている
まあ……この世界の物価価値があまり分かっていないけど、チラリと見たときは金貨がすごい数入っていたように見えて…これ以上は金銭感覚の崩壊する可能性があるし考えないほうがいいだろう
「分かりました、依頼料を受け取ったら必ずギルド風のたまり場に来て報告をお願いします
依頼人からの手数料をこちらはいただきますので
ではこの依頼をよろしくお願いします」
「行ってきまーす!」
「行ってきまッス」
「いって……………………きます」
「行ってきます」
手を振りながらギルドを出る
手数料の話をしていたけど、それも任せてもいいだろう
でも昼は超えてしまって普通にお腹が空いてしまったから、歩いて向かっている最中に料理屋さんに入って行った
品子さんはすぐに依頼人の元へ行きたがっていたけど蜜巳さんから「腹が減っては戦は出来ぬ」のことわざについて教えるとすぐに納得した
相変わらず、店員に驚かれたり周囲にいた冒険者に驚かれたりしたけど、注文して料理を食べている内に場は収まっていた
「いただきます」といい一口食べる
食べている肉料理はやっぱり味が濃い、でも肉は柔らかくてかけられた甘じょっぱいソースが内部にしかっかりと沁み込んでホロホロとしている
食べているのに涎が出て来るような美味しさだ
「ふぅ…馬車内にある食料もいいけど、店で食べるのもいいな」
「朝から色々あったッスから、依頼者の所に行く前に一旦休むッス」
「というより…………………この国に来てから…………………いろいろあり過ぎた気が……………」
「おいしい!依頼前にやるのいいね!」
「ところで、休みがてら質問していいか?」
「ん?俺ッスか?」
「ああ、タスメさんいいか?」
「いいッスよ?」
依頼を聞いた時は結構品子さんの勢いを見ていたけど、依頼を確認して気になったことがある
「この、ペットなんだけど
魔物がはびこっているこの世界って、普通の動物…食肉のとかじゃなくて、街以外にもいるのか?俺の認識だと魔物が動物を狩ってしまうから街の外にはいないイメージがあってな」
「もちろんいるッス、魔物を狩る動物もいるッスし魔物に狩られる動物もいるッス」
「やっぱりいるか…それなら魔物と動物の違いってあるのか?」
「単刀直入にいうなら、積極的に襲いかかってくるのが魔物ッス
そうじゃない感じで臆病に逃げだしたり…理由があって襲いかかって来るのが動物ッス」
「理由があって襲いかかってくるってなーに?」
「例えば飢えて食いに来るとか、自己防衛とかッス
魔物はただただ『殺しにかかって来る』って感じッス」
「そうなん………………ですか?
でも……………………戦った魔物で…………噛みついて来るのもいますし…………」
「あの噛みつきは、致命傷を与えているためにやっているッス
魔物ってそこら辺んの木の実とかだけでなく死肉を喰うことはあるッスけど、出血させるために喰らいついて動きが鈍くなった時にトドメを……あ」
「どうした?タスメさん?」
「いや、今は言わないほうがいいッスね?」
急になんで話すのを辞めたんだろう…って少し考えたけどすぐに理由が分かった
肉を食っている時に、グロテスクで生々しい話は良くないってことか…でも
「あーそういうことか、俺は平気だからいいけど」
「凄いッスね」
「ここに来るまでに、いくらでも見てきたから慣れてしまったのかもな」
「え?何がどうしたの千斗?」
「タスメさんは…………話を止めた…………理由って……………分かるのですか?」
「食後に話すことにしようか蜜巳さん」
「わ…………分かりました」
2人とも分かってなくて、むしろ良かった
「とにかく魔物は殺意を持って襲い掛かって来るッス
だから普通の動物は普通に国の中で飼えるッス」
「なるほどなーありがとうタスメさん」
「どういたしましてッス
あと、念のために伝えておきたいッスけど魔物は毒性があるッスから食え無いッス
世の中には可能な限り処理しまくって食べたり、解毒しながら食べようとする人もいるッスけど
いくら好奇心が高くても下手に食わない方がいいッス
返り血とか浴びるぐらいとか大丈夫ッスけど体内に入ったら色々とマズいッス」
「分かった…ってタスメさん?もしかしていくら俺が好奇心が高いからって魔物を食うとか思っていましたか?」
「え?違うッスか?」
「食えない!流石に人型とかしているから無理だ!」
そう笑いながら時間が過ぎて行った
あと、今回探そうとするペットについてどんな特徴があるか聞こうとしたけど、それは依頼人から聞いてもいいか
そうこうしている内に食べて満腹になって、店に「ごちそうさま」とお礼を言い後にした
食べ終わった後に説明したら、品子さんは平気そうだったけど……蜜巳さんは後から来て気分悪くしていた、ごめんなさい
さて、どんな依頼人が待っているのだろうか?
前もって伝えます、千斗たちが行う依頼は今回を除いて「描写するのは」5つ前後にする予定です




