証はある、ランクもある
オタクの早口描写はあえて句読点なしで書きます
これから先も、そのようなシーンはあります
ギルドマスタースイトとの手合わせが終わって、5人でギルドに戻って行った
昼前ぐらいだからかギルドの入り口を開けると入って来た時よりも人は少ない
何人かいた人は依頼に行ったんだろうか?
でも少なくても、ざわざわはしている
あの怒号のやり取りがあったからか心配の声が少なくなってきた感じはするけど…
「それで勇者達?」
「どうしましたかギルドマスター?」
「一応、受付の方に任せるつもりではあるけど、受付をしている人かもしくは勇者かそれとも周囲か…まぁなんでも限界があったら普通に呼んで欲しい
受付の方にも言っておくからな」
「分かりました」
そう言うと正面のカウンターにある受付嬢の人達に何か言葉を交わすと、4階へ行く階段の方へ進んで行った、ギルドマスタースイトさん…周囲の人達の信頼の為の一歩を本当にありがとうございます
受付嬢の人達に話したのは俺達の事を話したんだろう
「私たちも行こうよ!冒険者になろうね!」
「うん……………がんばるよ!」
「全員で頑張るッスよ」
3人も気合を入れて、受付の方へ歩いて行く
初めてギルド風のたまり場に入った時と違って、ざわついている様子はあれどさっきより様子はマシではあった
そのまま、受付嬢の方へ向かって行く
「ようこそ、勇者様たち
先ほどギルドマスターから事情を聞きました
冒険者になるための手続きを進めます」
「はい、わかりました」
「分からないことがありましたらお伝えください」
とは言っても、何をするんだろう?
作品によってはギルドで登録方法が色々とあるからな…お金が必要だったり、羊皮紙に自己プロフィールを書いたり、能力を測る水晶玉に触れたり
そう思っていると人数分の黒板と人数分のチョークを出した
自己プロフィールを書くのだろうか?
「まずはこちらの黒板に自身に事について書いてください
同行者のタスメさんは字をそのままで…勇者達は異世界の人なので書く言葉が違うと思いますがそのままで大丈夫です」
「何を書けばいいのかな?」
「名前と年齢、簡単な外見…それから主に使う武器や魔法をお書きください
武器や魔法は依頼内容の得意不得意に直結しますので
出身の国や町も本当は必要ですがそこは異世界と書いて置きますので安心してください」
「年齢……………………私たちの住む世界とこの世界では……………1年の日にちが違う………………………とのことですが…………どうしたらいいでしょう?」
「そうだったんですか…うーん……」
受付嬢さんが悩んでしまった、ここはひとつ提案をするか
「俺からの提案なのですが、日にちが分かればこの異世界換算での年齢が分かるのでそっちの年齢にすれば良いですか?」
「そうですね、ではこのグラーフィアに合わせた年齢にしてください」
結構前に品子さんからの提案で苗字呼びから名前呼びに変わったぐらいの時だ
あの時にこの異世界換算で年齢を計算したことがあった
俺は現実だと17歳だけど異世界では20歳
品子さんや蜜巳さんは現実では16歳で異世界では19歳になる
この世界で働けるのは15歳以上と王様が言っていたし、現実年齢でも問題ない
タスメさんから年齢は聞いていないけど、勇者達のサポートをして働いているから年齢は特に問題ないだろう
受付から黒板とチョークを受け取って一度受付を離れて、近くの適当なテーブルに座った
市役所にあるような書くスペースで資料に記入している気分になる、チラリとタスメさんの書いている黒板を見てみると…年齢は26か結構若いのに3人のサポートしているなんて…本当にお疲れ様です
「どうしたッスか?」
「いや、そういえば年齢を聞いていなかったって」
「26ッスよ、千斗は…20ッスか
若いながらも勇者ってすごいッスね」
「まあ、急に異世界召喚されたんですけどね」
ちょっと笑いながら書き続けて行った、召喚された時は非常に恐怖していたけど
今は楽しい気持ちもいっぱいある
書き終わって再度受付の方に向かう
「これで大丈夫ですか?」
「これでいい?」
「…………どうぞ」
「終わったッス」
そう言って4人で黒板とチョークを渡していった
「はい…はい…はい…はい…ええ、これで大丈夫です
では、ギルド証を作りますので少しお待ちください」
そう言って何か作業をしている
「ちょっと座っていよっか」
「うん………戦って………疲れてたのもあるし……………」
「ゆっくり座っていいッス、戦っていた間に待っていた分俺が対応するッス
勇者ソラアミセントも待っててもいいッスよ」
「いえ、遠慮する
自分の世界にあった創作内でか見たことない冒険者ギルドに憧れていた所があるので好奇心で対応の1つ1つも見ていきたいですよく物語だと簡単な描写で済まされることが多いから全部丁寧に見て……」
「わ、分かったッス、っそんなにもここにいたいならそれでいいッス」
ついオタク特有の早口をしてしまった、でも本当にこういった事は見ていきたい
「千斗はそういうの見るの好きだからね!」
「好奇心旺盛…………ですからね」
2人は近くの席に座った、ちょっと離れるけど見える所にいるし大丈夫だろう
それに問題が起きてもギルドマスターが何とかし……と言うよりかはあの厳しさを考えると、そんな問題を起こすことはしないだろう
後ろに待っている人がいないことを確認してカウンターから覗いて見ると
先ほどの受付嬢の人がドックタグのような首にぶら下げる金属製のプレートに…焼き印を入れるような魔法をしていた、これがギルド証か?
非常にカッコイイ、まるで職人が作業を行っているようで渋みのあるカッコよさがある
自分を含めた勇者3人の黒板の字は日本語ではあったけど、タグに書かれいた文字はグラーフィアの字になっている
見たままを写す魔法はなく、見て書き写している様子だ
大変そうな手作業だな…………と思ったけどあっという間に4人分のタグが作り終わった
「あっ、そこのテーブルでお待ちして良かったのですが……」
「すいません、興味があって作業の様子を見ていました、並んでいる人がいないかどうか確認はしましたが迷惑でしたらすいません」
「いえ、誰も待っていないようでしたら、それでいいですよ
作業が終わったので勇者コヌマミツミさんと勇者アキハラシナコさんを呼んでいただきませんか?」
「分かりました」
と思って後ろを見たら、もうそこにいた
「作業終わったの?そんな感じがしたから来たよ!」
「ちょっと座っただけでしたが…………十分に休めましたので」
「おお、そうかじゃあ手続きを続けるか」
「随分と楽しみ、みたいッスね」
「じゃあ、こちらがギルド証です
4人をギルドメンバーのパーティーとして登録しておきます」
そう言ってドックタグのようなギルド証を四つ渡された、それぞれに小さな金属の鉄板に先ほどの黒板に書いたものが表記されている、勇者としての肩書はあれど身分証明になりそうだ
俺たちがパーティ……勇者パーティか…かっこいい、つい口がニヤケそうになるけど手で押さえて見られないようにした
「これであなた達はギルト風のたまり場の一員になりました、ギルドで依頼を聞いて行動をする時はそのギルド証を常につけてください」
「これって、鉄でできているの?」
「違うと思うよしーちゃん……………多分ステンレスとかの……………軽いのかな?」
「そのギルド証の素材ですか?多分合金です」
「たぶん?たぶんとは?」
普通に合金ではないのか?
「ギルドマスターは街で出た鉄くずを集めて再利用して作ったモノとなっておりますので、紙とかよりも鉄は安いですが、捨てるのに色々とお金がかかりますのでギルドマスターは積極的に集めているんですよ?」
「…そういえばギルドマスターは鍛冶ができるから、こういった金属系も作れるのか…いや鍛冶の一種なのか?」
「お金の節約の為には何でもしますので」
「すごいね!」
ギルドの人数って何人いるんだろう…そう考えたら全部作っているってことになるのかな、手伝う人はいれど…本当に節約のために全力を出しているんだな
受け取ったギルド証を見てみると、俺が書いたプロフィールの中に「ランク:5」と書かれている欄があった、ギルドマスターが言っていたあのランクの事だろう
「ギルドマスターから『途中のランクから始めてもいい』という話を聞いたらしいですが
すいません、決まりですので最初のランクから始めます」
「決まりでしたら……………大丈夫ですよ?」
「ランク…か」
「どうしましたか?ランクについての説明の前に質問があるのですか?」
「あっ、丁度それを聞こうとしましたので」
「分かりました」
よく、異世界に行ってギルドに所属する…という作品ってあるけど
大体ランクという物があったりする、でもギルド所属していても表面上『だけ』の設定の場合が多く「主人公がどれだけ強いか」を表現するだけだったりする
F~SSSとかあったりするけど、具体的な違い…例えば受けられる依頼の違いとか行動範囲とかを表現している作品ってほとんど見たことが無い
だからこそ、そう言った違いを知りたいと思って真剣に聞く
名声とか強さとか…どういった違いがあるんだろう?
「ランクは書かれている通り5から始めていきます、ランクを上げれば最大の1になりますよ」
「全部で…………5段階ですか…………?」
「その通りです、ランクによる違いとしましては、信頼と強さによる行動範囲の拡張になりますよ?」
「みんなから信頼されて行ったら4とか3になるってこと?」
「はい、ランクが上がれば行動範囲が広がりまして
5はこのヒューラルの街中だけ
4は街の外で行動できます
3は国内であれば別の街、例えばヒューラルエクジトの方の依頼も受けられますし
2は国外の街で依頼を受けられますし
1は非常に難易度の高い特殊な依頼をこなすことができます」
「非常に難易度の高い依頼とは?」
「街から遠くにいる大型の魔物を何日もかけて倒しに行ったり、未開拓な場所で街を作る時に周囲から襲い掛かって来る危険な魔物を倒したり、初めて発見された危険度が不明な洞窟を何日もかけて探索したりなどです」
数日も掛かる依頼となるなら、たしかに何日…ヘタすれば年単位でギルドを開けるから、最大のランク程の信頼がないと頼めないぐらいなんだろうな…勇者による魔王討伐は特殊過ぎるけど
「ランクの上げ方は……………具体的には……………どのように信頼されれば………………上がるのですか?」
「とにかく依頼の数をこなすことですね、ちゃんと依頼を達成していけば信頼をされますし、その様子はギルドマスターがメンバーの様子を見て判断して、大丈夫と思ったら『ランクを上げますよ』というお声をさせていただこうと思います」
「ふーむ、あくまで勇者としての信頼が目標だからでっかく上げるつまりは無いんだよな…」
「そこは自分のペースで合わせても大丈夫ですよ?ランクが1や2や3の人でも『故郷が好きだから』と、自分の生まれた街や国で依頼を受け続けている人も沢山いますし」
「じゃあ、のんびりと上げていくことにするよ!」
「はい!頑張ってください!」
「街の中……………いえ他の街にまで行く必要性は無いから……………………大体3ぐらいでしょうか?」
「そのぐらいにしとこうか蜜巳さん」
そう言って、上げるランクの事について考えていたけど、まだ受付嬢から何かあるらしい
「私からもう2つほどお伝えしますと
5から4に上がるのは結構簡単ですよ?街の外で依頼を沢山行って欲しいと言うギルド長からの提案です
出来ればやれることが多くなりますし、金銭も稼ぎやすくなるかと
4から3に上がるのも簡単です、でもその場合別の街での活躍するための名義が必要になるためにパーティに名前を付ける必要性があります」
「やっぱり、勇者って名前にしようかな!」
「そこら辺は後で考えようか品子さん」
「はい、後質問はありますか?」
俺は特にないから手を上げずにしていたけど、パーティメンバーを見てみえると、タスメさんが手を上げていた、どうしたんだろう?
「どうしましたか?タスメさん?」
「質問ッスけど、ギルドに所属しておきながら、しばらく働かなくなるとどうなるッスか?」
「そうですね、ギルドに所属したパーティが20日以上仕事をしないと自動的にギルド所属の権利が剥奪されます、何か理由があって何日も働けないなら事前に申請の方をお願いします」
学生だから仕事をしたことないけど、言わば有給申請という物になるんだろう
無断で休むのは心配されるか怒られるかの二択だし
「分かったッス、それなら金に困らない程度に程度休みながら働けばいいッスね?」
「もちろんですよ、無理が一番の禁物ですから
抱え込み過ぎなければ、依頼を2つ受けて2人ずつで手分けして依頼をこなすというのも大丈夫ですよ?
では、ギルドメンバーの皆さん、さっそく依頼の方をお願いします
もちろん数日かかる依頼でしたら、その間待ちますので」
そういって手で受付嬢の人は掲示板の方を促すように手で指していた
「親切丁寧にありがとうございます!
ギルド風のたまり場の為に働きます!」
「がんばるよ!」
「がんば……………ります」
「頑張るッス」
一礼をしながら、掲示板の方へ向かって行く
「ねえねえタスメ?」
「どうしたッスか?」
「なんでさっきの質問したの?」
「あーそれッスか?
勇者達は信頼の為に一生懸命でいいと思っているッスけど、なんだか…特に勇者アキハラシナコは信頼というより人助けの為に無理をして働きそうな気がして質問したッス
毎日働かなくてもいいと思っているッスし」
「………たしかに、しーちゃん……………………無理をしそうだし」
「うん、俺も分かる」
「ええー!でも人のために働くのいいじゃん!この世界の人達はみんな優しいから!」
「大丈夫ですよタスメさん………………………しーちゃん無理をしそうなときは…………………私が止めますので」
「みーちゃん!?」
「その時はよろしく頼むッス、まあもっと長く日付が開いていた時は一旦王都に戻って状況を報告していたッスけどね」
「え?俺たちを置き去りにするんですか!?」
「冗談ッス、まあ、魔王がいるッスけど王都もほかの国も待ってくれると思うッスから」
タスメさんが珍しく冗談を…気が付いたらこんなにも仲良くなったんだなと
心の中でしんみりと思った…
さて、掲示板の方に行って依頼を達成するか!




