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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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全力はある、安心がある

何が起きたか分からないまま、ギルドマスターと一緒に1階にに降りて行った


「スイトさん、勇者達について伝えておきたいことがあるッス」

「なんだ?」

「勇者達ッスけど、命を大切にしているッス」

「それは、『奴らと違って』見るだけで分かる」

「ただの命の重みだけでなく『死そのものにも重みを感じている』ッス

彼らのいた世界では蘇生魔法が無くて死んだら終わりッスから、そこを理解して欲しいッス」

「……本当に勇者はその価値観なのか?同じ異世界からだよな?」

「そうッス、戦うって言っていたッスけど…生き返らせられるからって決して死に追いやったりはしないで欲しいッス」

「そうか、元からそこまでする気はねえがなおさら気を付けるよ」


随分と勇者に対する感覚が違って聞こえる気がする

このタスメさんの報告が無かったら、下手すればこちらの「死の重みを知らない」ギルマスに殺された可能性を考えたらすごいファインプレーだ

トランスリンに「王の命令」が無いからどんどんと部分的だけど情報も分かってきた気がする、俺達と比べられている「何か」との

話しながら降りて1階の扉を出た後、ギルドマスターがいたから「何が起きたんだ!?」と少し大騒ぎになったけどギルドマスターは何も関係なく堂々と進んで扉を出ていく、俺達も動揺しながら後をついて行って扉を出て行った

ギルド風のたまり場をでて、正面側にある広い場所へと出た

道を歩いている人達はこちらの様子に気づきしだいざわつきし始めた、道を開き始めていき丸い広場になって来た

周囲の人たちも何か察してきている所もあるんだろうか?


「この辺りでいいか…」


一言そう言うと、振り向く

何か物凄く緊張感が走っている気がする

この街は塀で囲まれているし、街の真ん中にいるはずなのに風の音が聞こえてくるような気がする

周囲に人がいてざわついているのに、やけに大きく聞こえる


「さて、先ほども言ったけど私は勇者達の実力を戦って確認したい

アンタらは別の世界の人だし、勘違いさせてしまいそうだから念のために言うが

普通に私が冒険者と戦ったりすることはそんなにない、やるとするなら不祥事を起こした奴とか物好きに私と戦いたいと言う奴だけだ」

「えと、つまり、普通に冒険者の申請しただけでは戦うことはしないという事ですか?」


ギルド受付嬢も「普通だったら手続きを行う」と言っていたし、受付嬢だけで手続きをするところをギルドマスターとの面接があった時点で特例だったんだろうな

異世界作品とかで最初が規格外すぎて普通が分からない時とか多かったりするし…


「そうだ、その辺りは受付の人らに任せているからな

それと念のために言っておくけど私に勝ったらギルドに入れる……なんて条件ではないから安心してくれ

『戦い方』私はそれを見たいだけなんだ」


『戦い方』その言葉を強調して話している

戦い方を見てギルド風のたまり場に入るに相応しい実力かどうかを見るのだろうか?

それとも、立ち回りを見るためなんだろうか?

真意が予想つかないな…

考えたいところだけど「戦う」と言葉を聞いた周囲の人達のざわつきが大きくなって、ちょっと居所が悪い感じが…

戦えば分かるのかな?


「つまりいつも通り戦えばいいという事だよね!」

「ああ、その考えでいい」

「………………」

「どうかしたか?勇者コヌマミツミ、何か考えている顔をしているようだが?」

「えっと………………ここって広いですけど…………私弓矢を使いますし…………………魔法とかが変な方向に飛んで行って………………………近くの建物を壊さないか心配で…………………」

「それも心配しなくていい」


そういってギルドマスタースイトは何か魔法を唱えると……周囲に球体の透明な空間が広がった

え!?これって!?


「もしや!?結界魔法なのか!?」

「よく知っているな?」

「いや、見るのは初めてですが」


結界魔法、創作内で扱われ方が色々と大きく変わったりするけど

実際に見てみると、やっぱりカッコいい!!!

中世風な世界観にちょっと異質な無機物さを感じるようなそのフォルムがカッコイイ!


「結界魔法を張りながら戦うのは造作もない

回りの人達は、いったん離れてくれ

結界の中にいると魔法や矢が当たってしまうかもしれないからな」

「結界を張りながら、戦うことができるんですか!?」

「別に全力を出すつもりはないからこれぐらい造作もないと言ったぞ?」


結界が広がりながら、人々が広がっていきある程度の大きさになった

張りながら戦う?この世界で魔法を使ったことがあるから分かるけど、魔法を「持続」するのってずっとマナを消耗するから大変そうなのに!?

結界の中には5人しかいない、周囲の人達は本当に遠くに下がっている


「待って欲しいッス」

「どうした…ってそういえばアンタはサポート役で戦うことができないんだったな」

「そうッス、俺は外で待っているッスから一旦結界を解いて欲しいッス」

「じゃあ、一部分だけ解くからそこから離れてくれ」


そう言うと、結界の一部に扉ぐらいの隙間が空いて

そこからタスメが出ると、普通に閉じた

この世界のマナが結構自由自在に出来るとは言え、会話しながらこんなにも自由に出来るとは…

それにマナの消耗が結構すごそうだけど枯渇する感じもしなくて……相当な実力が伺える


「さて、3人とも?準備はいいか?

武器を抜いてもいいぞ?」

「分かりました」

「えっと、えっと」

「分かり………ました」


俺たち3人はそれぞれの武器を構えた

ギルドマスタースイトは…鉄の装飾が付いているグローブ、ほとんどステゴロなのか!?

結構な近接戦闘で主に戦いそうな雰囲気がするな……

にしても、品子さんはなんか慌てている?


「そっちから来てくれ、3人いっぺんでも1人ずつでもかまわん」

「えっと、作戦ターーーイム!」

「それもいいぞ、私からは行かないから安心してくれ」


品子さんの一声でいきなり作戦タイムをすることになった

でも、たしかに急に戦うことになったんだ、心の準備でもまだ早いと思うぐらいだし


「ねえ千斗!どうしよう!どうしたらいいかな?」

「いつも通り………と言いましたけど…………………3人で1人と戦った経験は無いです………それに…………なんとなく雰囲気が強そうですし」

「そうだな…とりあえず蜜巳さんは遠くから弓矢で攻撃、召喚獣で錯乱したりもして欲しい

品子さんは俺達に補助魔法をかけたのちに盾で体当たりしてギルドマスタースイトの動きを止めつつ持っている剣で攻撃

俺は盾で動きを止められているスイトさんを槍と魔法で攻撃する

あの武器を見た感じ近接中心で攻撃すると思うし、遠くからとか複数人とか弱点だと思う、たぶんおそらくきっと」

「分かった!」「分かりました……」


小さな声で速攻で作戦立てをして戦うことにした

予想外な事が起きたら危ないけど、その辺りは声掛けで何とかしたいな


「何を話していたか分からいけど

作戦立ては終わったか?」

「お待たせしました!いくよ!」

「ああ、いつでも来い」


その言葉と共にギルドマスタースイトは構えのポーズをした、戦闘開始だ


「みんな!まずはこれを!」


品子さんは補助魔法で俺たちの身体能力を上げた

腕と足が結構軽くなってきた、ここまでの旅路で戦ってきた魔物と盗賊は大したことなかったから品子さんの補助魔法を受けなかった、久しぶりに受けてみると…何でも出来そうなぐらい戦える気がする


「そしていっけー!」


補助魔法をかけたのちに思いっきり盾で体当たりしていった、補助魔法の事を考えると本当に速度は速い、ガリウス兵隊長と戦った時は短剣装備で目で追えなかったけど最近ようやく目では追える速度になった、でも回避は出来ないぐらい本当に早い

そのままギルドマスターに向かって行き……


「ふん!」

「えい!」


ぶつかると動きが止まる、あの威力を受け止めたのか!?

すかさず蜜巳さんは鋭い目つきになって弓を構えて放つ

俺もマクスラスを持ちながら視界の外れから近寄っていく

このまま受け止めて行けば……


「はぁ!やぁ!」

「うわっ!?」


品子さんごと盾を持って投げた!?突然の事で品子さんは飛ばされながらも受け身を取り

蜜巳さんの放った矢も身をかわして避けた、飛んで行った矢はスイトさんの胴体…いや手足に向かっていたようだったけどかわされてしまったらしい、そのまま結界の端にぶつかって落ちた

避けたり受け流したり…けどそんなに何度もできるか!?

そう思いながらマクスラスを棒高跳びの様にして前方に飛び出して一気に距離を詰める

マクスラスの持ち手の方で思いっきり叩こうとする


「そうなんども…回避はできるか!?」

「………造作もない」

「え?」


飛んで距離をつめていたけど簡単に横に避けられてしまった、狙おうとした所にいなくなってしまってよろけてしまったけど、前転して受け身を取りつつ体勢を立て直す


「ふむ、中々の連携だな

私の動きを止めつつ攻撃するのは基本だけど、その攻撃を二重に重ねてするとは

私じゃなかったら普通に攻撃を受けていたな

その動きを止めるシールドバッシュも結構な威力がある、ギルドに入ったらある程度のランクから始めてもいいぐらいだな」


ある程度のランク…それってギルド内にある○○ランクパーティとかのアレか?

って考えている場合じゃない、今は戦闘中だ


「戦っている時に俺たちの評価ですか?相当な実力を持っていますね」

「ああ、ギルドマスターだからな

それに今、私は勇者たちに囲まれている

チャンスじゃないのか?」

「自ら言うとは…余裕たっぷりですね」


でも、今の攻撃を避けれたり受け流されたり、今のだけで相当実力が高いのは分かった

っと思っていると蜜巳さんは2匹のオオカミを出していた…決して視線を向けないほうがいいな、人の視線だけで状況判断する人もいるぐらいだし


「じゃあまた行きますよ!」


その声を出して一歩駆け出した、今度は俺が囮になってオオカミに攻撃させる

そう言えば品子さんは?どこに行ったんだろうか?

いや、探してはいけない

俺は再びマクスラスで距離を詰める


「そう何度も…同じ手は」

「同じ手ではないです!」


今度は魔法を使う、得意な水魔法だ

槍の手持ちの部分を当てようとしたと同時に背後に水の槍を出して狙う、あえて「同じ手ではない!」と言ったのはオオカミに気づかせないためだ


「当たれぇ!」

「わざわざ言うとは初心者……でなく陽動か?」


なっ!?そこまで考えているとは!?

そう思ったら水槍をあえて受けて……いや普通に水を浴びたかのように平気そうなんだけど!?

飛び掛かって来たオオカミをそれぞれの拳に噛みつかせた、鉄の装飾が付いているからそれも平気にしか見えない!?


「うそ………でしょ!?」

「蜜巳さん!そのまま食らわせたままにして!!」


俺はそのままマクスラスの持ち手の部分を使って体に突こうとする

けど、両手を喰らわれたまま器用に回避している

絶対に動きにくいはずなのに、まったく速さが変わってない!?


「ふむ、にしても初めて見る召喚獣だな?勇者のいる世界にこのような生き物がいるのか?興味深い」


本当に余裕なのか、観察までもしている!

そう思っていると、何か空に飛んでくるものが


「おりゃああああああ!!!!!」


2匹とは違った大きなオオカミに乗っていた品子さんがいた、視界から外れようと外側を大回りしながら

いつの間にか大剣を持ち、剣の刃ではなく平たい所を向けてオオカミから飛び降りて叩こうと降りてきた!

この上から来る速度は結構早くて回避なんて……


「一撃行くぞ」

「え?」

「へ?」


そう言うと、俺の突いたマクスラスに乗って……カッコイイと思ったけど

そのまま足を180°に開脚をして…品子さんの剣を足で受け止めた!?

スイトさん自身は何にも影響がないのに、ギルドマスターを通じて俺は思いっきり品子さんの勢いをマクスラス越しに受けてしまい


「えおあああああああああああ?!?!?!?」

「うわあああああ!!思いっきり剣を蹴られたああああ!!!!」


カタパルトのように思いっきり回転しながら前方に飛ばされてしまい、地面に派手に転んでしまった

品子さんも派手に転んだのか地面に転がっている、さっきの品子さんの叫び声から品子さんも剣ごと蹴り飛ばされてしまったんだろう


「いててててて…」

「いったーい…」

「しーちゃん!千斗さん!」


さっき品子さんが飛び降りた大きなオオカミに乗って蜜巳さんは駆け寄ってきた

ギルドマスターに喰らいついている2匹のオオカミを戻しながら、近づいて来る


「俺は転んだだけだから大丈夫だ!」

「私も転んだだけだから大丈夫だよ!」

「よ………よかったぁ……………」

「ああ…でも」


そう言って、ギルドマスターを見てみる

さっきまでグローブ越しでもずっとオオカミに噛みつかれていた手をにぎにぎしながら様子を見ていた

勝敗は関係ないとは言っていた、けれどもここまで強いのは……ギルドマスターらしい強さだ

絶対に勝てるわけない、よくチート系主人公だと一瞬で決着が付いたりギルドマスターのとんでもない技を食らっても平気で何なら反射して返したりとすることはあるけど

便利なマナがあっても、俺たちは戦闘に関してはまだまだ実力不足な所がある

産まれた時からこのグラーフィアにいるギルドマスタースイトは、王都セカンドルトにいたリストさんみたいに戦闘を学びながら成長していったんだろう

いくら攻撃しても、効かなかったり回避されるなら……


「……」

「今度はどうする?」

「なあ、2人とも…だらしないことをしていいか?」

「よく分からないけどいいよ」

「……構いません……………何を言いたいか私にも分かります」

「はぁ…ギルドマスター!」

「どうした?」

「降参します!いくら攻撃しても無理なことが分かりましたので!」

「あっ…じゃあ私も!降参する!」

「降参…………します!」


そう言って武器をしまったのちに、両手を上げて「無抵抗です」と言わんばかりのポーズを取った

このポーズが通るか分からないけど、とにかく必死で「もう戦いません!」とアピールをする

戦闘中に降参とかしてギルドマスターに失望されなきゃいいが…もしかすると声を荒げて激怒するかもしれない


「ああ、分かった

君たち勇者たちの戦い方が分かったからこれで戦いを終えよう」


そう言いながら周囲に展開していた結界魔法を解いて行った

その瞬間、なんか緊張の糸が切れたのか膝をついてしまう


「はひぃ……」

「大丈夫千斗!?回復魔法するね!」

「いや、品子さんもまずは回復を…」

「私はもうしたから大丈夫だよ!」

「本当だ………しーちゃんの傷………………治ってる!?」


いつのまに!?随分と早いな!?

驚きながら回復魔法を受けていると、ギルドマスタースイトが近寄って来る


「大丈夫か?

大人げなく一撃当ててすまない」

「いえ、そもそも攻撃を利用されただけですし」

「凄かったよ!あんなに足を開いで千斗を飛ばしちゃうんだもん!」

「私の召喚獣の…………………牙は大丈夫でしたか?」

「あの召喚獣のか?結構な噛む力だったけど我慢できるぐらいだった」

「効いては………………いたのでした!?」

「まあな」


にしても、なんのために戦ったんだろう?

戦闘が終わって考えても本当に分からない


「ギルドマスター」

「どうした?勇者ソラアミセント?」

「この戦いって何か目的と言うか真意があるのですか?『戦い方を見たい』と言いましたが…

ギルドに入るに相応しい実力かどうかを見るためですか?

立ち回りを見るためですか?それとも単純に俺たちの戦い方が知りたい好奇心だったりしますか?」

「ああ、それはっ…………」


と話そうとした瞬間、周囲で見ていた人たちの声が聞こえてくる


「すっげーなギルドマスター、勇者が三人になって襲い掛かっても勝てるなら俺たちが怯えることは無いな!」「何があっても止めてくれるね!」「ギルマスがいれば俺たち安心だな!」


そんな、声が聞こえた

抑止力…の為だったんだろうか?なんだか鎖でつながれたような嫌な感じがする…と思ったけどギルドマスターが物凄く鋭い目で周りを睨んでいる?

抑止力ではないのか?一瞬疑ってすいません!


「……勇者達、鼓膜が破られたくなかったら今すぐ力強く耳を塞いでくれ」

「え?はい?」

「分かった!」

「え………うん?」


言われた通り3人とも耳を塞いでいると、ギルドマスターは大きく息を吸い込んだ

あ、何か叫びそうな雰囲気が…


「貴様ら聞けええええぃ!!有象無象どもが!」


耳を塞いでいてもその爆音は体の芯にまで届くほど震え上がる

周囲のざわざわした声がピタリと止んで、静かに風の音だけが聞こえる

街が塀で囲まれているはずなのに長い赤い髪が燃え上がる炎のように風で揺れていた

いや、俺は震えていた………今の怒号は本当に怖い


「いいか!私は決して勇者達に対する抑止力の為に戦った訳ではない!

そう言った意味でギルド入れたとしても誰も安心するわけない!

お前らは戦い方を見てたか!?さっきの戦いで勇者3人は決して殺す気が無かったのが分かった!

それは弱さでもあるかもしれないけど、ギルドにとって大事な信頼としての強力な武器なるんだ!」


……たしかに俺は戦う気持ちはあったけど殺す気は無かった

マクスラスの刃の方ではなく持ち手の方で俺は戦っていた

敵対している人ではない、普通の人を傷つけるという気持ちはあまりない

できる限りの傷を減らすような戦い方をした

さっき会ったばっかりだけど、ギルドマスターの面接で勇者に対する偏見も無く普通に俺たちと接してくれた…それだけで実は信頼している

戦っている時によく観察されたけど、そういった殺意がない所もお見通しだったか

「優しさが武器でもあり弱さでもある」そういえばガリウスにも言われたな…


「勇者ソラアミセントはどうだ!?槍で戦っていたけど刃の方は私に向けなかった!

勇者アキハラシナコはどうか!?大剣を振り下ろした時にエッジの部分ではなく叩きつけるようにしていたぞ!

勇者コヌマミツミは!?放った矢は致命傷になる頭ではなく手足に飛んできたし召喚獣も同じ所を狙ってきたぞ!

これを聞いても殺意があるって言えるか!?お前ら!あ゛ぁ!?」


品子さんも蜜巳さんも、今まで魔物と戦っている時は早期決着をする感じに致命傷をねらっていたけどギルドマスターと戦ったときは…そのような手加減をしていた


「…………そうだったのか」「すいません!」「ゴメンさない!!」


そのような声が少し聞こえて来た


「勇者達、音は聞こえるか?」

「俺は、大丈夫です」

「みみがーでも大丈夫!」

「…………すごかった………」

「まあ、急に周りに怒鳴ってすまなかった

今言ったのが真意だ

これからアンタらは信頼の為にギルドの依頼を受けるけど、勇者だからって断ったりされる可能性がある

ある程度の地位を持っている人…私がこう言えば、少しは依頼をしやすくなるだろ?」

「そういう事ですか………」


まだ、ヒューラルでの勇者に対する信頼は無いものだと思っている

けれども、このギルドマスターの行いで小さく信頼はされたかと思う

0から1に、でもその1は大きな前進になった

俺は、初めてこの世界に来た時に王様がしたような………誠心誠意込めることにした


「本当に……ありがとうございます!」

「千斗!?」「千斗さん!?」


言わば、土下座のポーズをした

街中で誰もに見られているけどそれでもかまわない


「…そこまでしなくていい

私にとってはギルドの為に依頼を達成して働いて、ギルドとしての稼ぎになってくれればいいし

アンタらも金が稼げて信頼も受けて一石二鳥だろ?

じゃあ、ひと段落したことだし受付に行ってギルドに入ろうか」

「分かりました、行きましょう!」


ちょっと突き放すような言い方をしていたけど、それも優しさなのかもしれない

いつか、信頼されてアミルクリスタルを入手し川の汚れとあの城を解決したらこのヒューラルを出ることになる、その寂しさを俺たちに感じさせないようにしたんだろうかな?

流石に土下座は女子2人はしなかったけどそれでいい、冷たい目で見られたか?と思ったけど2人は驚いているような顔をしているだけであった

……そういえば、タスメさんは?


「えっと……ちょっと盛り上がっていた人ごみにもみくちゃにされて、あまり見れなかったッスが

大丈夫ッスか?」

「いや、そっちが大丈夫か!?タスメさん!?」

「ケガは無いッスから大丈夫ッス」


人達の中からヨロヨロとタスメさんが出てきた、服とかがヨレヨレになっている

そっちはそっちで大変だったようだ…ごめんなさい

たしかに、人の動きって野次馬と無視して通っている人で大変そうだったし、盛り上がっていたりしてたからな……すいませんでした

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