長はいる、脅威はない
階段を登って行く、マナのおかげで結構階段を上るのが楽だ
4階建ての普通に階段を上るのは結構しんどい所もあるし学校は大体3階建てだからインドアの人にとっては中学3年の時とか毎朝しんどかったし…………
「そう言えばタスメさん?ギルド風のたまり場のギルド長と面識はあったりするのか?」
「いや、無いッス
言うなら俺から一方的に知っているだけな感じっスね
本名は知っているッスけど…これから聞いて欲しいッス」
「分かった」
上がりながら会話そしていく、確かにこういった大きな役職の人って所属していないと面識ってあるわけが無いし、大きな実力を持っている人だとしたら知っていても一方的な位置になってしまうだろう
階段を上がりながら途中の階層を見てみる
2階はどうやら酒場になっていて、扉が閉まっていて室内を見れなくて詳しく様子が分からないけど情報交換と食事の場としても使えそうだ
1階のテーブルは休憩や待ち時間に使うの感じだろう
そして3階は絶対に入れない状態になって倉庫と書かれている
ここは物品とかこのギルドで使う大事なものがたくさん入っているのだろう、ここに行くことはないだろう
そして最上階にたどり着いた
そこにあった扉は結構大きく4階の階段を上がった後は廊下と扉しかなく、構図としてはギルド長のいる部屋しかないっぽい
廊下には長椅子があって待つこともできそうな雰囲気がする
……アニメとかでしか見たことないから分からないけど、面接会場ってこんな感じなのかな?
「3人とも準備は大丈夫?心のとかそういった物の」
「私は大丈夫だよ!」
「私は……………緊張していますが………………大丈夫です」
「いつでも大丈夫ッス」
「それなら、いくぞ」
なんだか、領主ツキウス様の時は実質タスメさんに任せていたのもあってそんなに緊張していなかったけど…ギルド長に会いに行くと思うと緊張感を感じて来た
高校2年生で12月ははそろそろ就職を意識する時期、そう考えると俺も意識をしているのか?
いやいやいや多分まだ早い、その事は一旦忘れよう
1回深呼吸をしてドアを2回ノックする
「受付嬢から連絡のあった勇者か?
既に開いているから入って来てくれ」
中から聞こえて来たのは女性の圧のある声であった
………厳しい人じゃなきゃいいけど
「分かりました、失礼します!」
「失礼します!」
「失礼…………します………」
「失礼しまッス」
室内に入ると、まるで校長室のような室内があった
手前側には1人分座れそうなフカフカの椅子が向かい合うように2つづつの合計4つ、真ん中にはお茶を置くためなのか黒い木製の大きなテーブルがある
そして奥には校長が座りそうな大きな木製立方体のテーブルがあってその後ろにも立派な椅子があってそこにギルド長らしき鋭い目つきをしている女性がいた
一旦ギルド長を置いといて周りを見ると、ギルド長の背後には大きな窓ガラスがあって…いや、割れているのを無理にツギハギに直しる感じがした………誰か泥棒か襲撃か?それとも俺たちとよく比べられている「何か」の仕業なんだろうか?
両サイドは本棚になっており4段ぐらいの棚になっていて、ところ狭しとみっちりと本があった
この世界で紙は貴重と聞いたけど、こんなにもあるのは物凄い財力を感じる
そしてギルド長を見てみれば燃え盛りそうな真っ赤な長い髪に、漆黒を下地に金の装飾が彩られている非常に頑丈そうな鎧を着ていた
物凄くカッコよくて中二的に好みの色合いをしていたけど、先ほど聞いた声から雰囲気の威圧感と怖さがあった
「好きな所に座ってくれ」
「はい、わかりました」
「分かった!」
「分かったッス」
「分かり…………ました」
左側のギルド長側に俺、手前側にタスメさん
右側のギルド長側に品子さん、手前側に蜜巳さんが座ることになった
蜜巳さんはギルド長の雰囲気を感じているのか、品子さんにより沿って少し震えていた
……そうだよな、俺も正直怖いし体のどこか震えているかもしれない
「えっと、自分達から自己紹介します
俺の名前は空網千斗です、勇者として召喚された1人で愛用の槍マクスラスと攻撃魔法で戦います」
「私は秋原品子だよ!勇者の1人で盾といろんな大きさの剣と回復魔法と能力を上げたりする魔法を使うよ!」
「私は……………小沼蜜巳…………………えと、勇者で…………弓矢で戦って…………………召喚魔法も…………使います………」
「ちょっと待ってくれ、勇者コヌマミツミと言ったか?」
「ひぃ!?
は……………はい?」
「言葉が詰まっているが、何か体調悪いのか?」
「えと……………………………すいません………………………………………元から……………この喋り方です」
「そうか、それならいいが」
「そして、俺は王都セカンドルトから派遣されたタスメっす
戦闘は出来ないッスけど勇者達のサポートをしているッス」
「ふむ……言わなくてもそちらから自己紹介か
私の名前はスイトだギルド長でもギルドマスターでも好きに呼んでくれ」
ギルド長の名前はスイトさんか……だったら俺は
「ギルドマスターでもいいですか?」
「構わん」
「じゃあギルマスさん!」
「構わん」
「ギルド長……………さん」
「好きに話していい」
「スイトさん」
「構わん」
何だろう、さっきのやり取りでちょっと蜜巳さんに対しては少し優しい対応をしているような?
「それで、呼ばれた理由は分かるか?」
「はい、俺達は勇者ですがギルド風のたまり場へ入りに来た訳を話す…ということですか?」
「ああ、説明してくれ」
さっきまでなんだか率先して話していたけど、ここからは4人で説明する
先ほど、ゴッルさんに説明したように勇者としてアミルクリスタルを探している事、けれども周囲に怯えられていて子供から石を投げられたこと、領主に挨拶しに行ったけどファランクスで出迎えれて湖の事を聞いたけど「自分の目で見て欲しい」と実質門前払いされた事
そして湖の様子とお城の事、トランスリンのアミルクリスタルはその汚染された湖に沈んでいる事
それらを聞きたいけど変にヒューラルの住民たちを刺激したくないから信頼の為に、冒険者という人々の為に行動を行う仕事をして街の人達からの信頼を得たいと言った
王都にいた時は、その怯えられていた理由について聞いたけど「王からの命令」と止められており、タスメさんも含めて誰も説明することができなかったことも話した
「そう言う理由か、アミルクリスタルを早く取りに行って欲しい…とは思ってねえし、取り方に関しては検討が必要な事は分かったが
『その湖が何故そうなったか?』『あのお城は何か?』を言うのは別に私から話そうと思えば話せるがどうなんだ?その『王からの命令』は私は聞いていないしな」
「聞きたいなら聞きたいよ!
でも、ここで聞いても街の人達が怖がっているのは変わらないから
説明を聞いたとしても、信頼を得るためにがんばりたいよ!」
「ただ……………アミルクリスタルを手に入れるだけなら……………それだけで終わってしまいます。
……………………勇者というのは………危険な魔物とか魔王とかから人々を守る者
………………私のいた世界で言うと………『勇』気のある『者』と書いて勇者と言いますので…………」
「だからこそ、信頼の無い人に守られるよりも信頼されている人たちが守る…それが自分達の思う勇者と思いました。
もちろん打算的なやり方ではなく、人助け……大好きなのでやらせてください」
「ふーーむ……」
俺たちが言った事を聞いたギルドマスタースイトは一旦、考えこんだ
もちろん先ほどの言葉は、俺にとっても3人にとっても心から思っている事
打算的な下心とかは本当に一切存在しない
「本当に、あの同じ世界の勇者なんだろうか………」
…ボソッとギルドマスタースイトは話した…………今のは本当に、自分とよく比べられている「何か」と核心的な発言だった
でも焦って聞いていい事か分からないから落ち着いて向こうの出方を聞こう
「勇者たちがそのつもりなら、だったら信頼してから話すことにしよう
にしても、親父…『自分の目で』って遠回しに言っていたけど
勇者が苦手だからって押しつけているだけじゃねえか…」
「え?親父?
親父ってまさか……」
「領主だ、領主ツキウスは私の親父だ」
「えっ!?」
「うそ!?」
「……えっ!?」
「そういう事ッス」
タスメさんは…知っていたか
にしてもギルドマスターと領主が親子とは…親子で国を守っているのだろうか?親子2人とも自分の意思でやっているとしたら、ものすごくカッコいい事なんじゃないか?
似てるかどうかは分からない、領主ツキウス様はファランクスの姿でしか見たことないから、実際の姿は分からない
「私から親父…じゃなくて領主ツキウスにも『正面から説明』するように伝えることにするか?
もちろん、信頼されてからにはなるけど
私がアンタらを信頼して、そしてこの風のたまり場の人達が信頼してから説明しよう。私はギルドマスターだからな、勇者がギルドに入ったら確実に話題になるし、そこからギルドメンバーの様子は見ているだけで分かる
そこの噂話から信頼されているか判断をしよう」
「はい、よろしくお願いします」
もしかすると、ギルド依頼中に誰かから聞くことになるかもしれないけど
例え聞いたとしても、改めて領主ツキウス様とギルドマスタースイトから話を聞くことにしよう
領主もギルドマスターも役職的に2人はこの国を守っているはずで何が起きたかを1番に理解していると思うから
「もちろん、その話を聞いた後は、アミルクリスタルを手に入れる手立てを見つけ
湖の原因を探ることを約束します!」
「絶対に綺麗にするよ!」
「街が壊れているの………………気になりますから……………………………それも直したいです」
「俺は、その為に手伝うッス」
「ああ、随分と丁寧で……正直すこし安心しているよ」
……比べられている「何か」は本当にどこまでやったんだろうか
ここまで怯えられているのは…好奇心の中にちょっとした怖さまで生まれてきたぐらいだ
それと、最初に厳しそうな印象があったけど話している内に怖いという印象は消えて行った
「そう言えば質問いいですか?」
「どうした勇者ソラアミセント」
「この異世界グラーフィアに来て、結構『紙が貴重』と言われていいました
でもそれは王都セカンドルトにいた時にのみ聞いた話で…部屋を見てみるとこんなにも本がたくさんありますが、ヒューラルもといトランスリンでは紙は貴重ではないのですか?」
1階の掲示板だと黒板を使っていたが、ギルド長の部屋だと沢山の紙があるように見える
何か理由があるのか?と普通に気になっていた
もしかすると、貴族が銀食器を使うように、手入れが大変な銀の食器を使って「俺は使用人を雇えるほどの経済力と財力がある」と世間に示すように
これだけの紙があるように見せて、経済力を見せている可能性もありそうだが…
「あー思っているほど紙はそんなに無いぞ
世界中どこでも紙は貴重だからな、そんなに使わないけど」
「『そんなに紙は無い?』じゃあ、この本の山はいったい………」
そう言っていると、ギルドマスタースイトは立ち上がって本を一冊取り出して…えっ!?
「こう見えて表紙だけの皮だけで、中身は空っぽなんだ
一部の本はちゃんと中身が入っているけど、貴重だからどれかは教える気は無い」
「ズゴアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!!!!」
「わあぁ!千斗が久しぶりにズッコケたー!」
「だっ……大丈夫ですか!?」
「そういうことも、するッスか!?」
横転した、オタクがよく言う「横転した」という言葉あるけど、本当に物理的に椅子からズッコケてしまった
そんなハリボテじみたことあるんか!?
「千斗ーちょっと回復魔法するよ!」
「あ、ああ、助かる」
「そんな大きな反応しなくても」
「いや、想定外すぎて…なぜそうしているんですか?」
椅子を立て直しながら回復魔法を受けながらも説明を聞く
「ギルドマスターと言うのは、ほかの国や街にあるギルトと肩を並べるほど…もしくはそれ以上に実力を示さなければいけない
見かけだけでも何か力となるようなものを見せたくてな」
「つまり、見栄えだけでも経済力とかを見せなければいけないという事ですか?」
「その通りだ
正直にいうと使うかどうか分からない紙の為に金を使いたくないからな」
本当に予想していた経済力と財力の為に置いてあるだけ…と言う説が当たっていたとは
回復魔法を受けてちょっとしたかすり傷は治ったけど
治療していた品子さんも驚きながら質問をする
「ねーねー!ギルマスさん!その窓とこのギルドの壁が壊れているけど
何が起きたの!?それは直さないの!?」
「壊れた理由はさっき言ってた理由の奴で話せないけど
ギルドの壁は直すつもりである、私はケチと言われたことあったけど他人にそれを強要するつもりはない、だけどこの窓は別に風が良く入るだけで直す気は無い
ここには別に取られて困る物は無いし、さっきの紙の入った本は囮みたいなものだし、そういった物は別の所にまとめられているし、変な輩が入ってこようものならすぐに捕まえられるからな」
別の所、それは3階の倉庫だろうか?もしかすると秘密の金庫のようなところもあるかもしれないけど…
というか自分で言っていたが「ケチ」なんだ…他人に強要しない所はありがたいが
「分かったよ!」
「あっ………あの………私も質問………」
「どうした?勇者コヌマミツミ?」
「その鎧って………高そうに見えますけど…………それは本物ですか……………」
「この鎧はちゃんと本物だ」
この辺りはシッカリと、お金をかけて整えているのか?
「なんてったって、自分で素材を探して自分で作れば一番安い方法と思っているからな、安くするために鍛冶を学んだぐらいだ」
思ったよりも金品を惜しむ事に、努力を惜しまない人だった!?
「す………すごいです!」
「どういたしまして、さて勇者達?ほかに質問はあるか?」
「俺は大丈夫」
「私も大丈夫だよ!」
「私も…………大丈夫…………です」
「俺は元から大丈夫ッス」
「じゃあそれで………」
「1階に戻って手続きをするんですか?」
「いや、そのまえにやりたい事がある」
「やりたい事?」
「やらなきゃいけない事」ではなく「やりたい事」とは?
「個人的な事だけど、勇者達
戦ってアンタらの実力を見たい
だから私と一緒に表に出てくれ」
「え?」「え?」「え?」
これって………戦うというのか?ギルドマスタースイトと?
え?これって結構危険な事では?
何のために戦うんだ?!




