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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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ギルドはある、心配もある

馬車内で朝食を終えて

真ん中の方にて、馬車を止めて

タスメさんの案内でギルドへ向かって行く


「タスメさん」

「どうしたッスか?」

「今更だけど、勇者なのに冒険者になるって大丈夫か?」

「何が心配ッスか?」

「本来はアミルクリスタルを手に入れるのが目標だけど、世界を救わなきゃいけないのにあの城が何なのかを探ったり、湖の状態を治すとかで回り道をしている感じがしてな…」

「構わないッスよ?それまでの過程もこのままの調子でいいと言ったッス

アミルクリスタルさえとればいい…と言うのも一手ッスし、最初は怯えられているのは予想してはいたッスし街の人も勇者達もお互いにストレスにならないようにあまり関わらずに……

って思っていたッスけど、勇者達の行動とか雰囲気とかを見て『任せた方が一番いい結果になる』と思ったッス」

「…信頼してもらってありがとう」

「どういたしましてッス」


「いち早く世界を救って欲しい」とタスメさんも誰もが思っていると考えていた

けれどもこういった、回り道が一番の近道という言葉の通りになるのもいいかもしれない

………それにしても、気づいたことがある

宿はヒューラルの外側にあって、今は内側のギルドがある場所に向かっている

周囲を見てみると、やっぱり家の壁とかが崩れていたりしている場所が多かったが

その壊れ方にちょっと気になる法則性があった


「なんか、外側から内側に向かって行くほど破壊の様子が酷くなっている気が?」

「そんな感じするッスか?」

「気のせいかちょっと分からないけどな…」

「初めて…………………この街に来た時は色々と…………………ありましたし

………………気づきませんでした」

「ほんとだ!壊れているのがどんどん大きくなっている気がする!」


でも、なんでか分からない

魔物が街に侵入…って起こっているなら外側の方が壊れている…なんて形であったら分かるけど

品子さんがハッキリ気づいている以上、何かあったのかと思うけど…内側から攻められたのか?それとも、全部壊れて外側を優先的に直しているのか…そんな考察3人に相談してみたけど、道中でハッキリとした答えが見つからなかった


「お!ついたッス、ここがギルド『風のたまり場』ッス」


その場所には大きな建物があった、基本的な石造りに緑色の屋根

ギルド以外の施設があるのか4階建てで非常に高い

他の3階建ての家々と違って1回り大きいから目立つ造りになっている

タスメさんが言っていた通り、入り口の上にある木でできた看板には『風のたまり場』と書いてある、字の理屈は全く分からないけど読める、なんだか雰囲気は分かって立派な字で力強く書かれているような感じだ

……そして、やっぱり壊された跡が見える

突貫で直している上にまだ木で補強されているのか組まれている様子だ

ギルドを後回しにして他を優先しているのか?


「ここがギルドって言う所ね!」

「…………」


品子さんは目を輝かせながら、ワクワクしている雰囲気をしていたけど

蜜巳さんは無言で見つめていた、何か考えているのだろうか?

俺は正直ワクワク感もあったけど、正直不安感も感じていた。

いわゆるネット小説で見たことあるような懸念も感じていたからだ


「千斗…………さん」

「どうした?」

「ギルドって……………いろんな小説で見たことあったんですけど…………依頼を聞いて達成して…………と話していましたが…………………パーティとかクランとか色んな呼び名があって………………………違いがよく分かってないんですよね…………………………なのでライトノベル知識でもいいので教えていただけませんか?」

「便利だよね!ライトノベル知識って!」

「まあ、たしかに色々と学べるからな」


と言っても、本物の専門家が書いているわけではなくネットで調べたのを小説に書いて行ってる…けれもどそれが当たっているかなんて分からない時か多い、間違った情報を勘違いして書いたかもしれないし、付け焼き刃な知識で書いているかもしれないし………

学べるけど間違って覚えることも多く、それに知識も広く浅く学んで行くぐらいだから勉強には使うことは難しいだろう

にしても、ギルドとパーティとクランか………俺なりの感覚で答えるか…


「まず言ってしまうと、作品によって扱いが変わることが多い

その多数の作品を見たうえで…まあ、傾向とかで答えるけどそれでもいいか蜜巳さん?」

「はい……………構いません………教えてください」

「まず、一旦『クラン』は置いといて、『パーティ』と『ギルド』の違いだけど

『ギルド』そのものは仕事を受ける集団の事であって、ギルド自体にいろんな種類がある

さっきのゴッルさんが言っていた通り、物を売り買いして商売する『商人ギルド』とかもあると思うんだ、そして目の前にあって俺たちが今からお世話になる所が『冒険者ギルド』なんだ

『あの素材が欲しいけど、命がけだから代わりに取って来てほしい』とか『あの場所にいる魔物が邪魔だから、倒して欲しい』とか『あの町に行きたいから、護衛して欲しい』とか、冒険者っていわゆる何でも屋な印象がある

『ギルド』は受け取った依頼を行う人が多数いると思ったらいいかも、その中で2人以上で行動する小グループが『パーティ』と言うんだ、『ギルド』という団体に『パーティ』という複数のグループがある…って考えれば分かりやすいかも?

俺の好きな作家アメノワタリバシ先生の作品から説明を借りると『ギルド』は会社そのもの、『パーティ』はその会社の中にある部署と思った方がいいらしい」

「そういった………………違いがあるんですね…………………」


まあ、蜜巳さんが勘違いするのも仕方ない、作品によってはギルドがパーティにパーティがギルドにと扱っている作品が多い、あえてそうしているのか……ワンチャン作者が理解に乏しく適当に名付けているだけかも

でも、そういう仕組みだとしても物語内で説明があれば理解はできる

「当たり前のモノ」として対して説明が無かったら……その時は読むのをやめるかな………


「そして『クラン』と言うのは、これは『パーティ』を一旦置くけど

『ギルド』は冒険者や商人とか様々な種類があるし、情報共有とかの使い方の種類が多いのに対して

『クラン』とかは戦闘とか…それも魔物とかよりも対人戦とかの戦いに重点を置いている場合が多いかも

『ギルド』同士だと高め合うって感じはするけど『クラン』同士だと競い合うってイメージだな」


ゲームとかだと

オンラインゲームのコミュニティを『ギルド』

主人公視点で銃をドンパチするFPSや戦略なストラテジーゲームのコミュニティが『クラン』

と呼んでいる場合が多い気がする


「まあ最初にも言った通り、作品によって違うことが多いから作品ごとの説明を聞いて理解して行ったらいいよ」

「そう………ですね…………ありがとうございます!」

「やっぱり千斗って詳しいね!」

「あー、取り合えず話が終わったッスか?」

「あっ!わりい!完全に元の世界の雰囲気で話してしまって!」

「大丈夫ッス、内容がほとんど理解できなかったッスけど何か納得できたなら良かったッス」


まあ、紙が貴重だけどそんなに用途の無い異世界だから、お話とかはおとぎ話の類で存在はしても物語を印刷とか発行はしていなんだろう、うわさ話が広がっても物語が広がることは少ないかもな…

勇者として英雄になったら英雄譚がこの世界中に語り継がれていくのだろうか?


「じゃあ終わったなら行くッスよ」

「ああ」

「うん!」

「がんばり…………ます」


そう言いながらギルドの両開きの扉を開いた、ワクワク感もあるがやっぱり懸念している事もある、それが起きなきゃいいけど…

室内に入ってみると、まるで複数の施設が固まっている様子が見えた。中心には複数の大きなテーブルがあって複数のパーティが机を囲んで話し合っている様子が見える

そして正面と右にはカウンターがあって左には掲示板のような物が見える、掲示板は依頼が書かれているのか、吟味をしている人もいれば依頼を受けようと1枚とる人もいる

掲示板についてあるのは、よく創作では羊皮紙だったりするけど、貼られている…と言うより掛けられている様子があった、あるのは黒板でチョークで書かれているものだ、掲示板の横に書くスペースがあって白色のチョークだけでなく赤色のチョークもある

正面のカウンターはメインな雰囲気が見えて俺たちが着ているような軽鎧を着ている人や布の服に肘当て膝当て胸当てを付けている冒険者な雰囲気をしている人がカウンターにいる女性…受付嬢な雰囲気をしている人と何か対話をしていた、依頼の相談をしているのだろうか?

そして左側のカウンターでは同じような冒険者のような恰好をしている人たちは売り買いをしている、ここに来るまでに戦った魔物の素材のような物を渡してはお金を受け取っていた、以前にタスメさんから聞いた硬い物とか鋭利な物を渡している

また、回復薬の類も売ってあるのか薬を買っている様子も見える、ここは買い物するところみたいだ

正面と左のカウンターで用途が違うらしい

ギルドのこういう構成をハローワークと例えている作品を見たことあったけど、俺は高校2年生で就職活動をまだしていないから想像つかない

まだ朝の時間帯だけど結構人がにぎわっている様子だ、これから依頼を受けて店の方で準備をして出かけるのだろう…準備をしている人が多いという事はと思ったら朝の時間帯は混んでいるという事か!?

今更になって気が付いた


「ギルドでのやり方は分かるッスか?」

「いや、分からないけど

見た感じ正面の受付に行けばいいのか?それでギルドの一員になれるのか?」

「そうッスね、受注も登録もそこでできるッス」

「タスメさん…………………」

「どうしたッスか勇者コヌマミツミ?」


回りに聞こえないように「勇者」の部分だけ非常に小声で話していた


「ゴッルさんが言っていましたが………………………冒険者って………命がけと言っていましたし………………タスメさんは戦えますか?」

「まあ、俺はサポートに回ることになると思うッス

勇者の為に何かできることをするッスよ

別行動になった時はそのバックにある魔道具で集合するッス」

「分かりました…………何かあった時はお気をつけてください」


そう言って進んで行く、回りの人達が少しずつ勇者だと気が付いて行ったのかざわざわしていき、道を開けて行った

「どうしてここに?」「なんでここに勇者が?」と動揺する声も聞こえてくる

動揺するのも無理はない

勇者が冒険者ギルドにいるのって俺も小説とかで見たことないし…ちょっと「情報を集めに来たのか?」といった考察をしている人もいる

俺は懸念していたせいで声を出せなかったけど、品子さんと蜜巳さんは挨拶をしてる

俺もネット小説にあったような懸念を感じて必要以上に周囲を見てしまう

懸念は2つ、でも実質1つだ

よく見た展開的に、懸念その1は何かしらの能力を量る魔道具を使ったら壊れて大騒ぎする展開

能力を量る水晶玉があったりしたら触れた瞬間に「パリン」と割れたりして全適性がSランク&9でカンスト…………とかよく見たことある、世界観もよく分かってないのに実例にいきなり最高潮を見せられても凄さがよく分からないんだよな

でも戦闘訓練の時にガリウスが「そういった魔道具はない」って言っていたしカウンターを見てもそのようなものは見えてないから懸念で済むだろう

けど…もう1つの懸念は………


「あ…あの」

「ッ!?」


道を開けていた男の1人に声をかけられた、警戒していたから咄嗟に女性2人の前に立ってしまう

そして…両手を広げて守るような体勢になってしまう

もう1つしていたのは、初心者狩りの奴がいないかどうかの事だ

主人公の能力が判明する前も判明した後でも屈強な人が出てきて先輩面したり、不良者がハーレムな状態の主人公に対して「そんな貧弱な奴よりも俺らが手取り足取り教えてやるからよぉ?」って

そんな初心者狩りの横暴な馬鹿どもが現れることを考えていた

けど……さっき声をかけてきた人は体格こそは大きくても『普通』に声をかけようとしただけの様子にしか見えなかった

タスメさんに言われた通り昨日の事で警戒しすぎているのだろうか?


「あっ、いや、すまん……なんでもない」

「いや、あの、俺もごめんなさい

ちょっと昨日色々とあって警戒していてから」

「あ!千斗が召喚された時みたいになってる!

どうしたの!?」

「千斗さん…………どうしたんですか…………」

「あー、ちょっと俺と一緒の部屋で話していた時ッスが昨日の石を投げられた時から警戒していていてッスね…」

「あー確かに千斗ってさっきからずっと肩に力が入っているね!昨日から!」

「気づきま…………………せんでした」


そんなに俺の肩に力が入っていたか?

本当に何処かで気を抜くことができたらいいけど


「ど?どうしましたか?声をかけまして?」

「いや、その、勇者達だよな?」

「はい」

「なんでここにいるのかが気になって……な?」

「あーえっと、色々と都合があって冒険者になることになりました」

「冒険者?!

あっえっと……まあ頑張ってな」

「あ、えっとありがとうございます」


「色々な都合」そんなかくかくしかじかみたいな言葉でなんとか通って良かった

まあ、よくよく考えてみればさっきの懸念……普通にそんな態度をしている人ではギルドの依頼を任せるわけに無いかないだろう

肩に力が入っているなら1回深呼吸して歩みを進めて行く

そうしてギルドの受付の開いている所にたどり着いた

4人で近寄っていくと驚いている様子をしていた


「えっと、いらっしゃいませ?

どのようなご用件でしょうか?勇者様方?」

「こんにちは、俺達は冒険者になりに来ました

手続きの方をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「えっと…ちょっとお待ちください」


そう言って一度立ち上がって、他のカウンターにいる受付嬢に相談している

耳を澄まして聞こうとしたけど、守秘義務か何かなのか結構声が小さくて聞こえない


「あの、普通でしたら手続きを行いたいところなのですが

勇者なのになぜ冒険者になるのか分からなくて

なのでギルド長の所に一旦行ってもらってもいいですか?」

「ギルド長ってどこですか?」

「最上階の4階です、横に階段があるのでよろしくお願いします」

「分かりました」


手で促されるがままに見ると上の回への階段があった


「このまま行ってもいいの?」

「はい、こちらから連絡しておきますので」


連絡、この世界に電話は無いけどなにか魔道具の類で内線ありそうだ


「行きましょう………千斗さん」


4人で階段を登って行った

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