情報はない、方針はある
しばらく風呂に入っていないですが、お互いに匂いに関して触れないのは
普通に気を使っているのもありますが汗まみれの匂いが慣れてしまって鼻が麻痺をしているのもあります
サバイバル系作品とかでよくあるヤツです!
湖からきびすを返してヒューラルへ戻る
少し時間が経過したのちに、空気が元通りになってきた
それと同時に空は夕方になってくる
「空気がうまいってこんな感じなんだな」
「すぅううーーーーーーはぁーーーーーーーおいしいね」
「…………ふぅ………すぅ……………しーちゃんありがとう………回復魔法で……………咳落ち着いたよ」
「調子悪くなったらどんどん言ってね!」
「よし、大分空気が良くなってきたッスね、そろそろヒューラルが近いッス」
タスメさんがそう言って馬車の正面側から顔を覗かせると、再びヒューラルが見えてきた
その方向の門番が再び見えてきたが、やっぱり滞りなく進んでしまった
しかも
「あ、令状は大丈夫です」
「え?でもこういった事は必要で……」
「大丈夫です」
多分早く行って欲しかったんだろう、令状を見せることなく進んでしまった
「おつかれさまです!」
「おつか……………様です」
「おつかれさまです」
だけど挨拶はこのまますることにした
街に再び入り進んで行くと相変わらず見られている様子はあったけど、こんどは石を投げられるようなアクシデントとかは何も起きかった
「とりあえずッスが、宿ってどこにするッスか、ヒューラルに来たばっかりッスけど街の外側がいいとか中心がいいとか…リクエストがあったら聞きたいッス」
「ハイ!シャワーがある所が欲しいです!」
「シャワーを………浴びたいです………」
「流石にあそこに行ったからシャワーを浴びたいな」
「満場一致ッスね、それだったら近い所に行くッス
でもその前に馬車を預けるッス」
近くの馬車を預ける所、通称馬車屋に預けて
念のために汚染されている湖に行ったと伝え診断を受けることにして宿に歩いて行った
俺たちに怯えてはいたけど、こういった店のやり取りはちゃんとしていて本当に良かった
その後はしばらく歩くと思ったけど、近場に宿があった
「街の外から旅人や冒険者が馬車で来た時に、馬車を預けた後に近くに宿があったら便利ッスよね?だから大体近くにあるッス」
との事らしい、そう話しながら宿に4人で入って行った
宿に入って行ったら……
「いらっしゃ……い?!」
ふくよかな男性が店のカウンターにいて、俺たちを見たとたんに驚いて硬直してしまった
この様子は何度も見たことあったけど…いつかこの異世界で見なくなる日が来てほしい
「こんにちは!驚かしてごめんなさい!」
「こん…………にちは」
「こんにちは」
「こんにちはッス」
「あ…ああ、こんにちは」
ちょっと、ここは俺が前に出ることにする
「現在この宿に開いている部屋はありますか?
出来れば男女で2人ずつ違う部屋に行きたいから2部屋欲しいですが…」
「えっと…あります、日付は何日間泊まりますか?」
何日か…………
「ちょっと結構かかるかもしれないッスし、毎日の宿代を払って永住を……」
「いや、まって、ここはひとまず一泊したい、明日には出発する形で」
「明日!?千斗街を出ちゃうの!?」
「すまん!ちょっと考えがあってひとまず話を合わせて欲しい!」
「えっと…………わかりました」
「分かったッス、聞いてみるッス」
「分かったよ!」
「あ…はい、話がまとまったようで、とりあえずは1日と
一応何かしらの理由で延長できるようにしておきますので………ハイ
食事は無いのでそれぞれで準備してください……ハイ」
そう言って軽く手続きが済んだ後に部屋の前へ
「ねー千斗?『考えがある』って言っていたけどその前にシャワー浴びていいかな?」
「私も…………浴びたいです…………………」
「そうだな…1回スッキリしてから話をしたいな」
「それじゃあ、シャワーを浴びたらお互いのドアをノックするッス」
「はーい!」
「はい………………」
「はい」
そう言って、それぞれの部屋に入って行った
俺とタスメさんだけになり、部屋を見渡してみる
壁も床も天井も温かみのある色合いの木材でできていて、安心感がある、窓から射してくる夕日もオレンジ色に部屋を染めている
ベット2つと椅子4つとテーブル1つ、後は広い空間がある場所になっていて異世界作品で見たことあるような部屋で出来ていた
何となくベットに座ってみる。
中世の時代にある干藁のベット…ではなく毛布か?それで出来ていてフカフカしていた………あ、やばい、こんなに安心感を感じると寝てしまいそうだ
「どうしたッスか?風呂に入らないッスか」
「あっ、わりい、いつもの好奇心がな」
「それなら堪能してから行くッスか?」
「いや、気が付いたら寝そうで話ができない可能性があるから風呂行く」
「分かったッス」
立ち上がってシャワーに向かうことにした
ワンルームと言う訳でなく、トイレとか風呂場とかも備え付けてある宿だ
入って見ればタライがあって既に綺麗な湯が張ってある、何かしらの魔道具が影響しているだろうか?
着替えを入れる用のカゴがいくつかあって、それぞれの服を中に入れていく
軽鎧を着ていたけど、馬車に乗っている最中に何度かメンテナンスとか洗浄の為に付け外しをしたから簡単に外すことができた、服も脱いで一糸まとわぬ姿をになる
「脱ぐの早いッスね」
「それだけ、シャワーが楽しみだったのかも」
何気にタスメさんの裸を初めて見たけど、思った以上に引き締まっていて…普通に戦えそうな雰囲気を感じていた、でも戦闘は俺たちの役目でタスメさんさんはそれ以外をやっていて非常に助かっている
俺の体は………相変わらず細い、ちょっと筋肉がついてきたか?マナのおかげで俺の体が保たれていたりでもするのだろうか?
「ふぃースッキリするッス」
気が付いたらタスメさんはシャワーを浴びていた、俺もシャワーを浴びてたまりにたまった汗垢を流していった
体の清潔は健康に大切、実際の中世ヨーロッパだったら不清潔さで現代の人間は生きていけないとか……そのせいで平均年齢は30~50歳とか、本当に魔法とかマナのおかげです。ありがとうございます
シャワーの後は湯船に浸かってタスメさんと向き合った
「あ~ソラアミセントが言っていた通り、眠りそうッスね」
「分かる、今までの旅の疲れが溶けていくような…」
危ない危ない、風呂で寝るのは溺れてしまう
「ソラアミセント?そういえば考えって何ッスか?」
「品子さんと蜜巳さんとまとめて話したいから風呂で出からでいいかい?」
「分かったッスー」
お互いに今までの疲れが取れている様子に脳が溶けていくのか
中身の無いような会話をし続けて多分数分、結構体の疲れが取れた感じがして風呂を出た
着ていた服は裸のまま、すすぎ洗いをして部屋に干す
物干し竿用なのか、ちょうどいい感じの棒がぶら下がっていてそこに下げていくことにした
そして風呂を出た後にパジャマのようなゆったりした服を着て鏡を確認してみると……
「あー思った以上に薄くなっている」
「どうしたッスか?」
「タスメさん?ちょっと手伝いいいか?」
「何をして欲しいッスか?」
「ここを出る前に俺は髪を部分的に染めるメッシュをしていたんだけど、薄くなっていて
髪染めは持ってきたから後ろの方をよろしく」
「分かったッス、初めてあった時みたいにすればいいッスね?」
「はい!」
馬車に乗ってヒューラルへ行っている道中、荷物を確認していたら防衛線後にカイザムさんからいただいた髪染めが結構入っているのが分かった、本当にありがとうございます
とはいえ、毎日使って染めるわけにはいかなから防衛線以降は染めてない
俺は鏡を見ながら正面を、タスメさんは裏側を真ん中を染めていた、タスメさんは本当に戦闘以外は多彩な才能を持っているらしく、正面をいじっていた俺よりも早く後ろを染めるのを終わらせていた
「こんな感じッスか?」
「早い!?カッコイイ感じになっている!?ありがとう!」
「喜んでもらえて何よりッス」
そう言っている内に正面も染め終わった
「乾かしたりとか大丈夫ッスか?」
「前の時もちょっと雑談をしている内に乾いたから寝るまでには乾くと思う」
「それなら良かったッス、だったら女性陣を出迎えるッスか?」
「ああ、行こう
まあ女性の風呂は長いと聞きますししばらくは待つかも?」
外を見れば夕日はもう見えなくて暗くなっており、空腹感も感じて来た
長いのかな?と思いながら廊下に出てみると
「あっ」
「えっ?」
廊下に出てみるとそこには品子さんと蜜巳さんの2人がいた、ちょうどこっちに来ようとしていたのだろうか?意外と早かった気が?でも女性の風呂時間は追及しては……
「早かったッスね?」
「十分に綺麗になった!」
「私も…………スッキリした……………だから大丈夫です」
まあ…いっか
「そっちで千斗の考えを聞いてもいいかな?」
「ああ、構わないよ」
「ついでに…………夜なので食事も……………いいですか?」
「分かったッス、パパっと作るッス」
本当にパパっとタスメさんは料理を作って持ってきた、軽くても味が濃くて今日1日の消耗した栄養を補給できそうだ
テーブルに食べ物が並べられて、男性陣の部屋でみんなでつまみながら話を始めることとなる
「いただきまーす!」「いただきます」「いただき…………ます」「いただきまッス」
「さて、ソラアミセント
考えって何ッスか?」
「そーだね、どういうことなのか気になるよ!」
「いつもの………ライトノベル知識……………という物でしょうか?」
さっそく3人からの質問が、まずは考えを話していくことにしよう
「えっと、まずここに来る前に子供から石を投げられるというハプニングがあったけど、それ以外は特に影響は無かった…よな?」
「特に襲撃は無かったッスね」
「だけど、あくまで『面と向かっては』という形でなんだ」
「どういう……………ことですか………?」
「宿はたしかに安全な場所ではあるんだけど、どうしても懸念していることがあってな
寝ている最中に襲撃とかあると思ってしまってな」
「宿そのものは安全ッスよ?ドアには鍵がかけられているッスし、壁とか窓とか相当硬いから壊されることはないッス」
「それは安心だけど、俺たちが大丈夫だとしても宿が危険と思うんだよな」
「宿が危険なの?さっき言ってた『面と向かっては』の関係あるの?」
こう言い方するのもアレだけど、まだ俺ら…いや俺がひどい目に遭うならまだいいとしても、そのせいで別の所が迷惑掛かるのがイヤなんだよな
「ああ、さっきの子供のように勇者に対し恨み…と言うのかな?そういった感情を抱えている人って他にもいるかもしれない
突発でココに泊まるって言ったけど、しばらく過ごしていたらそう言った考えを持っている人が『俺たち』ではなく『宿に』襲撃してくる可能性もあるんだ」
「それは……………逃げながら宿を変えていく…………………という事でしょうか?」
「すまん蜜巳さんちょっと違う、宿を変えていくというのはあっているけど、逃げるという訳ではない」
「それならつまり、宿への迷惑を考えてッスか?」
「そう、この世界の優しさに触れて行ったけど、どうしても懸念していた事への可能性を捨てきれない
ずっと宿に泊まっていると『この宿は敵となる勇者をかくまったり擁護している』と思われて窓に石を投げられたり、落書きを受けたりとかな……直接話せないからとそのような間接的で陰湿な目に遭わされるかも?と思ってな」
「そういう事は無いと思いたいッスが……」
「千斗がよく言っているライトノベルとかにそんな展開がいっぱいあったの?」
「ああ、かなり見た
何処から漏れたのか噂が広がって行ってどんどん状況が悪化しているのばっかりなのをな」
例えば、生贄に捧げられそうになった人とかを匿っていたら、気が付いたら噂が街中に広がってしまって
匿えられていた家が襲撃されて窓を全部割られていたり刃〇ハウスのように脅迫が大量に書かれている紙が張られていたり、最終的には生贄の人以外殺されるという絶望的な展開があったことも…
いや、この異世界は流石にそこまでの事は起きないにしても
小さなことでも迷惑はかけたくない
「改めて言うっッスが、そこまでの事は起きないと思うッスが…犯罪者を宿に匿う事件とか聞いたことあるッスけど、噂が広がったりしていき何かが起きても傭兵への通報とかで終わると思うッス」
「この異世界がそうだと思うからいいけど、それでも小さなことでも宿に迷惑をかけたくないんだよな」
「小さな…………こと?」
「ああ、さっき言ったことが懸念で済んだとしても
俺たちが怯えられている今、長居していると宿の従業員の人達が不安になると思うし
他の客とかが逃げてしまったりして営業妨害になったりとかあると思うんだ」
「そうだね!怖い人がいると宿に入れなくなるよね!」
「ああ、だから
俺としては宿を1日泊まったら別の宿に…と言うのを繰り返したいんだけどそれでもいいか?
ヒューラルの宿は1つだけって訳じゃなさそうだし」
「私はいいよ!いろんな宿を見れると思ったら楽しみと思えるから!」
「私はいいですが………………タスメさん?
お金の方は…………大丈夫なのですか?」
「それに関しては問題ないッスよ、王城から資金が出ているからその心配はしなくていいッス」
「まあ、流石にずっと甘えっぱなしなのも申し訳ないが…」
「世界を救うという大きな恩で返せばいいッス
3人は丁寧だから、それまでの過程もこのままの調子で行けば問題無いッス」
「それまでの過程」か、なんだか「世界さえ救えれば他はどうなってもいい」ってことがあった雰囲気を感じるな……
「資金面に問題ないなら………私も大丈夫です」
「ああ、だから街の人達から怯えられなくなるまで宿を転々んと行きたいな」
「それなら、どうやって信頼を得る方法も相談したいッスが」
ふとテーブルの様子を見ると、いつの間にか食べ物がなく全てなっていた
アレ!?早くね!?俺も食べながら相談していたけど気が付いたら完食していた!?
それに気が付いた瞬間、ふとあくびが出てしまった
満腹感による睡魔なんだろうか?味が濃いからによる血糖値スパイク何だろうか?
「今日は旅の疲れがあるッスね、続きの相談は明日にして早く寝るッス」
「そうだね、ふわ……私もひさしぶりに眠くなってきちゃった」
「しーちゃんは………いつも元気だからね」
やっぱり宿という安心感があってこそなのか、俺も含めた3人とも眠くなってきたらしい
「じゃあ、また明日ッス」
「おやすみ」
「おやすみー」
「おやすみ…………なさい」
そう言て2人とも部屋を出た、俺はそのままベットに横たわってしまった
「片付けとか明かりとか消しておくッス
今まで戦い感謝するッスから、任せて欲しいッス」
「あ、ありがとうな
すまん、先に寝る
おやすみなさい」
「おやすみッス」
そう言って目をつぶる、疲れているからすぐに寝れると思ったけど食器を洗ったり片付ける音がガチャガチャと聞こえてくる、煩わしさとか思わなくて心地良さがあった
明かりが消える音が聞こえて、まぶたの隙間から見えている光が消えて本当に視界が真っ暗になる
そして隣のベットからボフッとタスメさんが横たわる音が聞こえた
「ソラアミセントは寝たッスかね?」
………なんとなく、寝たふりをして見る
「今日は頑張ったッスからね、本当に今回はいい勇者で良かったッス」
そう言うと静かに寝息が聞こえて来た、タスメさんも寝たらしい
もう少し、俺たちと比べられている「何か」についての情報が聞こえたらよかったんだけど
でも「今回は」か
アミルクリスタルのとり方とか、城の事とかを誰かに聞けれたらいいな…
そう思いながら俺もそのまま眠りに入って行った




