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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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原因は感じる、ハプニングはない

領主の館を出て、少し入り口から移動した後に一旦4人で集まる


「勇者達、領主ツキウス様への挨拶が済んだッス

色々と話している内に、これからの目標が決まったッスけど一旦まとめるッス

……ちょっと川とか、この村の状況がこうなっていたのは予想外だったッスからね」


そう言えば、王様と対話していたときに「それぞれの箇所で問題が起こっていて集められなかった」

って言っていたな…

電話のような遠くへの連絡手段はこの世界には無いと思うし、そういった連絡を取ることも難しかったかもしれない

タスメさんは村からの嫌煙されている様子は予想していたらしいが、旅というものも冒険というものも予想外な事があるものってヤツかな…


「今の事をまとめると、川が汚れている件について調べる事とアミルクリスタルの場所だな…」

「本当はどこかの宿とかでシャワーとか浴びたけど、ちょっと難しそうだね…」

「私は……………ちょっと無理をしてでも………矢を購入したいです

撃った矢を使いまわしていますが…………そろそろ取り替えたいのが多いです」


ちなみに蜜巳さんは弓矢を放って魔物を倒した後、その放った矢を抜いて使いまわしている。

結構百発百中だから打ち損じて明後日の方向へ行ったりはしてなく、俺や品子さんの攻撃で折れない限りほとんど消耗することはない

だけども矢そのもの消耗はしていて、軸の部分がほつれて来たり、後ろの羽の部分がほつれて安定しずらくなったりと…

ヒューラルに近くなってきたときには撃ちにくそうにしている様子もしていた


「なるほどッス……ソラアミセントあの魔道具をもう1回使ってアミルクリスタルのがどこにあるか改めて知りたいッス」

「え?分かった、使ってみるよ」


なんでこのタイミングで魔道具を使うんだろうか?タスメさんなりの考えでもあるのだろうか?

そう思って覗いて見る、やっぱり進行方向に青い光が見える


「やっぱりそっち方向の、地面の下ッスか?」

「ああ、何回見ても地面の下にあるんだ」

「なるほどッス…その方向に実は川があって遡っていくと湖があるッス

多分底の方に沈んでいると思うッス」

「湖か、確かにそれなら下の方にあるのも納得だな」


水底か…現在マナによる身体能力上昇があったとしても取りに行けるのだろうか?

市民プールとかの人工的な水場と違って自然の水場は危険が多い

水泳のオリンピック選手も普通の川に流されると聞いたことあるし「川舐めんな」って話もよく聞く

サイコキネシスのように魔法で物を浮かせたりできればいいし、やったことは無くても多分普通に出来るかもしれないけど

見えない物を浮かせるのは果たしてできるのだろうか?水圧とか底にあるゴミに引っかかている可能性もあるし


「ここからの事を話すッスけど、まずは勇者コヌマミツミの矢を買うッス、購入とかは多分普通に大丈夫と思うッスし

そして…勇者アキハラシナコと勇者コヌマミツミちょっといいッスか?」

「どうしたのタスメ?」

「ちょっと川は汚れているがそれで体を洗うって言っていたッスけど、どこか宿とかシャワーぐらいだったら貸してくれる所はあると思うッスけど、それでもどうするッスか?

正直にシャワーを浴びたいなら言っていいッス」

「うーん、でも私たちに怯えているから川の様子を見てからでいいよ!

川が汚れすぎているなら、やっぱりヒューラルでシャワーを借りることになるけど」

「私も………それで大丈夫です……………………変に嫌がられて行きたくはないです………身体がサッパリしても心はサッパリしないので…………」

「分かったッス、それなら購入後は一旦ヒューラルを出て川で体を洗いながらアミルクリスタルを探すッス

本当だったらアミルクリスタルを手に入れるだけで目的は達成できるッスけど…それだけで終わら無いッスよね?」

「もちろんだ、川が汚れている原因を突き止めたいからな

本来の目的だけでなく、街の人々の助ける!それが勇者だと思っている」

「あったり前よ!」

「もちろん…………です!」

「じゃあ、もう1回馬車を回収して出発ッス」


そう言って馬車を預けた所に行き、もう一度回収して乗って進むことにした

再び進行中は、周囲の人達に見られることも多かったし不安そうな顔を浮かべる人も多かった

途中で降りて矢を売っている店へ


「あの………………こちらを…………40本お願いします……」

「え……あ………はい………どうぞ」


なんだか、相手が怯えていたのもあって、詰まる感じの喋り方が蜜巳さんとそっくりだったが普通に購入することができた

武器屋にある店にあった矢は結構な数があって困らないのか銅貨数枚で結構な本数買えるらしい

店を出たのちに一旦町を出ることに、出るときも何かしらの手続きがあったがタスメさんが礼状を見せて滞りなく進んでヒューラルを出ることになった


「たぶん、また戻って来るよ」


誰にも聞こえない感じの独り言は、回りに響く風の音と共に流れて行った……


…………

…………


それからの道中は街の近くだらか、そんなに魔物がいなかった

けれども、何か変な感じがしてくる?

魔物がいないのはその影響なのか?

その、正体不明の変な感じの影響か蜜巳さんが調子悪そうにしている時が多くて、時折咳をしている

品子さんが回復魔法をこまめにかけているけど、すぐに調子が悪くなってしまう


「こほ…………こほ……………」

「みーちゃん?大丈夫?」

「けほ………なんか………………胸やけがします」

「タスメさん、何かマスクとか無いか?」

「えっと…右の上の箱の方にあるッス」

「1ついただく」

「いいっすよ」


タスメさんの言っていた箱を探ってみると、布のようなのが沢山あった

口に巻くのだろうか?

蜜巳さんに渡すと、品子さんが蜜巳さんの口に巻いた


「楽になった?」

「すぅ………すぅ……………ありがとう………楽になったよ…………」

「また辛くなったら言ってね!」

「2人も、違和感があったらつけて欲しいッス」

「タスメさんも気を付けたほうが…」


って言いかけたけど、タスメさんはすでにつけていた

さっき布の箱を取った時に付けてなかったのに!?


「ん?何ッスか」

「いや、もう付けてるならいいや」

「ねータスメ?この辺りってなんか有毒な物とかあるの?」

「思い当たる節は無いッスね、川の汚れが関わっていると思うッスけど

以前来た時は逆にここら辺は空気がうまかったはずッスよ」

「うーん……それだったらこの辺りに川ってあるかな?」

「そうッスね……町を出て湖に向かっている道中はあるッスからアッチの方向に行けばすぐに見えると思うッス、まっすぐ行けば迷わずにすぐ見えるッスよ?

水浴びしたいッスか?」

「それもそうだけど、この辺りで様子見もしたいの!みーちゃんが調子悪くなるほどって…水浴びもできない気がするし!」


…たしかにその可能性がある、さっきっから思っている「よく分からない変な感じ」の原因なんだろうか?俺も現代にいたころ、その変な感じなのをほっといたら、思いっきり体調を崩したことが何回もあったし…その前兆と思ったら納得がいってしまう

体調を崩す人もいるって事はただの汚染ではなく、毒素のような物も発生しているんだろう

……これは結構な被害になっている、よく自分と比べられている『何か』がやったんだろうか?

品子さんの話を聞いたタスメさんはそのまま馬車を止めた


「じゃあちょっと行ってくるよ!」

「まって………マスクつけているから…………私も行く」

「うん!分かった!」

「じゃあ、2人が行っている間、馬車とタスメさんを守っているよ」


大丈夫だったらそのまま水浴びをする可能性もあるし、男の俺が行くのは決して良くないから普通に待っていよう

2人も戦闘面に関しては強いし、この周囲には魔物がいないから安心していいかもしれない

……魔物がいないのってこの毒素の影響だったりするのだろうか?


「じゃあ行ってきます!」

「行って………きます」


そう言って品子さんと蜜巳さんは一旦馬車を折りて、タスメさんが指した「アッチ」の方向へ歩いて行った

完全に道を外れて森の中ではあるけど、そこを気にせず武器を持ったままガサガサと歩いて行った


「珍しいッスね、こういった時に2人の事を心配しているッスから行くと思ったッスけど?」

「心配?俺ってそんなに心配しているように見えるのか?」

「心配はちょっと違うかもッスけど、2人が一緒にいるように守っているようにも見えるッス」

「あー……その通りです、俺は1人でここにいますけど2人は元の世界にいた時から一緒で仲良くしている様子は見ていて安心感とかがあって…」


要は…「尊い」「てぇてぇ」という気持ちではあるけど、この異世界にそのオタク言葉があるわけないので何とか伝わるように説明する

そういった事は絶対に2人に言えるわけない、特に蜜巳さんはある程度のオタク知識があるから尚更だ


「なるほどッス、確かに人々が仲良くしている様子って見ていていい物ッスね

2人は何か特別ッスか?」

「幼馴染だからです」

「幼馴染?それって特別だったッスか?」

「地球とグラーフィアとかのような世界文明の違いではなく、自分にとって幼馴染という概念は特別で大好きだ、まあ、つまりは大きなこだわりがあるという事」

「そんなにこだわるって何かキッカケがあるッスか?」

「人間関係の好みみたいなものだから、キッカケは特に無いな」


本当はある、けれどもタスメさんに「見ていたアニメと漫画と小説で同性であっても異性であっても幼馴染は幸せになることが少なく、そのようなものをたくさん見てしまって幼馴染に対して強火のこだわりを持つオタクになってしまった」ということを異世界基準で説明するにしては、ちょっとめんどくさくなったのは秘密だ


「あと、心配とか関係なしに女子2人が水浴びに行くという事なので異性の俺は行ってはダメだ

他の女性の裸なんて見てはいけない、俺には彼女もいるしな」

「たしか、ホシミレイカさんだったッスか?」

「その通り、俺はこの異世界を救ったら元の世界に帰るその1番の理由だ」

「俺は独り身ッスけど、そうやって一途に考えるのはレイカさんも幸せッスね」

「タスメさんもいい人見つかりますよ」

「頑張って探すッス」

「千斗ーーーー!!聞こえるーーーー?!」

「おわ!?え?品子さん?」


タスメさんと会話に花を咲かせていたが、外れた道の方から品子さんの大きな声が聞こえて来た!?

どうしたんだ!?


「聞こえるぞー!!どうしたー?!」

「ちょっと…来てもらっていいかな?!」

「え?大丈夫なのかー!?」

「どうゆうこと!?」


いや、水浴びとかするかもって言っていたしそんなラッキースケベの大事故を起こしたくないからなんだが……


「…………」

「あ!そうゆう事ね!それだったら大丈夫だよーー!」


何も聞こえなかったけど、どうやら蜜巳さんが教えたらしい

ありがとうございます


「でもちょっと待って!タスメさんが大丈夫か聞いてみるから!」

「おーけー!」


2人が行った方向の事は大丈夫だとしても、現在俺はタスメさんを守っているつもりでここにいる、離れている最中に魔物からの襲撃…なんてあってはならないし


「まあ、ちょっとだったらいいッスよ、何かあったら叫ぶッスから

行ってらっしゃいッス」

「ああ、分かった

大丈夫って言っていたからーー!今そっち行くぞーーー!」

「分かったー!」


そう言って、タスメさんに軽く手を振って2人が行った道を歩いて行った

そこは木々や草花がたくさん生えていてちょっと手で搔き分けないと進めない

葉が顔に当たりながらも進んで行くとすぐに視界が晴れて行った

タスメさんの言っていた通り、真っすぐ進めば普通にたどり着ける場所だ

進行方向とは逆方向に流れてい大きめの川、その近くに蜜巳さんと品子さんがいた

ちゃんと全身鎧に身を包んだ状態で


「千斗ー!」

「千斗………さん」


俺に気が付いた2人はこっちを見た

なにか、焦っているというか…そんな雰囲気も感じる


「どうした?魔物……の気配はないけど何があったんだ?」

「ねー千斗!この川見て欲しいんだけど、思ったよりも危ないかも!」

「ちょっと…………………洗いたくないぐらいかも………………」


そう言われて、川の側に寄ってみたけど

……なんだか川辺が少しべたついていて、歩きにくい油まみれの地面を歩いているみたいだ

ここまで酷いのか?

遠くから見た感じは川辺が空の色を反射して青く染まっていたけど、近寄ると何か色味がおかしい

落ちないように気を付けながら顔を覗いてみると、顔は良い感じに反射はしているけど……何か油のような浮いている感じがする、何というか玉虫色って奴か?そんな汚い色をしている


「これは……ちょっと危険な雰囲気がしているな…」

「これで洗ったら余計に汚れちゃうよね?」

「ああ、ちょっと待ってて」


そう思って、一旦近くにあった縦長い石を持って

少しだけ先端を付けてみた、自分の指を浸けたり武器を浸けるのはちょっと勇気がいる行為になってしまう

何かわかるわけじゃないけど、石に付着した液体は思ったよりドロッとしていて垂れない

これは……粘り気が強いのって結構汚いイメージが強いから触りたくない雰囲気がかなりある

少し手で仰いで匂いも嗅いでみたが、なんだ?なにか腐っているような匂いがする?


「何かわかるの?」

「いや分からない、でもこんなにドロドロとしているのなら見るからに危険かもしれない

腐った匂いもするし、これで体を洗ったら逆に汚れてしまう」

「危険………………ですね」

「水浴びは、できるわけないね

ねえ千斗?」

「ん?どうした?」

「水魔法でシャワーってできない?」

「水は出せても火魔法とかを合わせるのは練習不足でお湯は出せないから風邪をひくと思うし、それに女性に水をかけるなんてことは出来ないからすまない」

「ううん!謝らなくていいよ!」

「男性として…………しょうがないですからね……………」

「やっぱり、ヒューラルに戻ったらどこかで借りるしかないのかな?」

「頑張って…………………見つけましょう…………………」


肩を落とした2人はそのまま馬車に戻って行った、結局は町で洗うことに……これからアミルクリスタルの所に向かうけど、俺たちが綺麗になるのはまだまだ時間がかかりそうだ

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