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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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列はある、名づけの違いもある

風で揺れる葉の音を聞きながら盗賊たちを縛り終わった後のこと


「勇者ソラアミセント」

「どうしましたか?」

「以前ガリウス兵隊長と盗人たちを捕らえたッスね?」

「えっと…アミルクリスタルを探せる魔道具を取り戻した時ですか?」

「そうッス」

「それが…どうしたのですか?」

「あの時に使ったロープと同じッスね、一般的に扱われる事は無いモノッスが体内のマナを極限に減らして動きもマナも減らすモノッス」

「一般的に扱われる事は無い…傭兵とか兵士とかのみですか?」

「そうッス、変に一般的に扱われたら犯罪に使われることもあるッスからね」

「こっ……殺さないでくれ………」

「殺さないよ!でも、ちゃんと反省して!」

「…………ちゃんと…………大人しくしてて………下さい!!」


女子2人のなだめ?を聞いた盗賊共は怯えながらも大人しくしていた、本当に盗賊なのか怪しいレベルなほどに怯えている


「縛り終わった後はどうするのですか?

どこか近くの町まで一緒に連れて行ってそこの傭兵とかに渡すのですか?」

「いや、それは必要ないッス」


そう言って何かを取り出した、それは白い球のようなをしていて……いや、これも兵隊長と一緒にいた時に使ったやつだ!


「これも使ったことあるッスね?」

「はい!飛んで花火みたいになる魔道具ですね!」

「え?あの時に使った物!?」

「そういえば……………私たちは初めて………見ます」

「それなら、よく見ててほしいッス」


そう言いながらタスメは魔力を流したのか、魔道具が光り輝く

その後、ちょっと奥の地面に投げた後……馬に布のような物をかぶせた?


「あ!そういえば神経質とか言っていたね!」

「そうッス、さっき盗賊共に襲われかけてちょっと落ち着かせたいッスから」

「怖かったんだね……………………」


さっき投げた信号弾は真上に飛び上がり……光り輝いた、やっぱり美しい

今は朝だというのによく見える、ちょっと遠くにいても見えそうだ


「すごい!綺麗!!」

「本当に……すごいです…………………」


2人は初めて見たのか喜んでいた、でもさっきの馬の話を聞いて声を結構抑えている

そういえば、あのレンズの魔道具を取り戻した時に使った信号弾は見てない…ってあの日はお菓子作りをしていたっけ、お菓子作りって室内でやるものだと思うし


「じゃ…こいつらも落ち着いたみたいッスし行くッスよ」

「え?」「えっ?」「……え?」

「タスメさん?このままにしていいんですか?」

「そのロープがあれば大丈夫ッス、傭兵の人達が最終的には回収すると思うッスし、商人とかの間でもそれが普通ッス」

「ここまで……半日ぐらいかかりませんでした?」

「まあ、大丈夫ッス

傭兵たちの馬の速度は馬車を引き連れているわけではないッスから短い時間で来れるッス」

「ああ、それだったら大丈夫か…多分」


取り合えずこの異世界の価値観に合わせつつ納得のいくことを聞いたので全員馬車に乗り込んで、縛って置いた盗賊を置いて先へ進むことにした


…………

………


それからというもの、ヒューラルエクジトへ向かう道中は

風が吹いている最中に魔物を倒して魔物を倒して……盗賊はあれ以降見る事はなかったけど、先日のセカンドルトから国境までの道とそんなに変わらなかった。

魔物は一応多彩ではあったけど、地上の生き物を模倣している不気味な姿をしている所は一致していて………戦い方も基本は一致していた

最初はワクワクしていた気持ちも、なんだかゲームのレベル上げのルーチンワークをしているような気持ちにもなって来た

いや、一応魔物でも命を奪っているからそんな考えは持たないほうがいい

兎にも角にも、そんな日々が数日経過していると、ずっと草原のような光景であった周囲の状況がちょっと変わってきた


「あ!もしかしてアレって!」

「そうッスね、あそこがヒューラルエクジトッス」


町が見えてきた

この世界に来て2つ目のの町、ヒューラルエクジトが見えてきた

数日前にいた王都セカンドルトと比べてみると町の周囲は同じように城壁に囲まれていたがちょっと小さい?やっぱり王都が1番デカいみたいだ

でも、中にあると思われる家々は壁に囲まれていて中は見えないぐらい高い

上から見たわけではないけど、円周の角度を考えると王都の3回りは小さいかもしれない


「ヒューラル…………エクジト………ここも大きい街ですね」

「うん、綺麗な所なのかな!?」

「観光したい気持ちは分かるッスが、結構すぐにここを出る予定ッス

その……馬車を止めて発進するまでは好きに行動していいッスが……いや、何でもないッス」

「タスメさん、もしかしてトランスリンに入ったばっかの事を懸念しているのですか?

何をしてくるか分からないから馬車内で待機して欲しいことを」

「……そうっす、俺はどうなるか分からないからちょっと怖いッス」

「大丈夫だよ!何があっても私が守るから!鎧もあるし盾もあるからね!」


いや、盾や鎧で人の悪意は防げないが?

ってツッコミそうになったけどそれは飲み込んだ


「と…………とにかく………行ってみないと分からないと………………思います」

「そうだな、初期のころの王都セカンドルトと変わらないかもしれないし」

「うんうん!まずは挨拶だね!」

「そのポジティブさ、羨ましいッスね」


そう話していると、門が見えてきた

跳ね橋と門といったセカンドルトと同じ仕組みの二重扉、今は全開で普通に通れそうな雰囲気がある

でも、歓迎されている様子も拒絶されている様子も見えなかった

ちょっと、心配に思いながらも馬車は先へと進んで行った


……

……


遠くからは見えなかったけど、入り口の前は少し列ができていた

ちょっと人々の様子を見てみたけど、王都セカンドルトにいた人たちとそんなに変わらない様子

肘当て膝当てを付けている軽やかな冒険者のような人たち、俺たちが着ているように鎧を身にまとっている人達と、その中心の馬車の中では温かみのある布の服で戯れている親子

………老若男女とまではいわないけど、若者を中心にいろんな人たちがいた


「何だろう?いっぱい人がいる?」

「うーん、手続きか何かかな?」

「手続き…………何か知って………いるのですか?」

「いや、ラノベ知識だけど……こういった町に入る時に悪人とかが入って行かないように自分が何者か…身分証明のような物を見せて入る感じ、入国審査とかそういった感じのかな?」

「えっと……分かった!」

「しーちゃん…………分からないで言っているでしょ……」

「分かっているよ!なんかあの…手続きとかでしょ!」

「さっき俺が言ったけど…まあいいや、そんな感じ

タスメさん…あの国境の人に見せたあの紙を使うのですか?」

「そうッス、取り合えずこの列が終わるまで待つッス」

「大丈夫ですよ、ここに来るまでにずっと待てていましたので雑談でもして待ちましょう」


そう言いながら、列の最後尾に並んだ

馬は丁寧に速度を落としていきゆっくりと止まった

そういえば名前を聞いた時から1つ疑問に思ったことがある

いま、品子さんと蜜巳さんは話に花を満開に咲かせているから俺はタスメさんと話をすることにしよう


「タスメさん、そういえば質問いいですか?」

「いいッスよ、この列が終わるまで時間がかかるッスので」

「この街はヒューラルエクジトで国の名前はトランスリンですよね?」

「え?そうッスよ」

「じゃあ、俺たちは元々いた国と街…もとい王都の名前はセカンドルトであってますか?」

「そうッスが…それがどうしたッスか?」


王都は国も街も同じ名前、けれどもこちらは国と街とで名前が違っている

日本で例えるなら、「日本の首都が日本」と言っているような感じだ

そういった異世界の文化なんだろうか?


「王都は国と街の名前がそのままで、トランスリンは違っているのが不思議なものと思いまして

こっちの世界ではない文化だったので」

「あー、そういった違いがあるッスね…

この世界と勇者たちの住む世界では違いがあるッスね?」

「はい」

「当たり前だから考えたことなかったッスね…他の国の事を考えるなら

王都セカンドルトだけ特別って感じッスね」

「世界の中心だからですか?」

「すごい言い方ッスね、でもそれであっているッス、この世界にある街のなかで一番大きいッスから

国のセカンドルトは他の国と違って唯一街が1つだけあるッス

だから国も街も同じセカンドルトッスね、

でも他の国は街が複数あるッスし、その差別化をするために名前を変えていると思うッスね

街以外は名前のない所が多いッスし」

「そうだったんですか!?

ってことは地域とかって無いんですか…あっ、地域と言うのは国の中で色々と区分されている場所の名前になりますが」

「あー……それなら、無いッスね

国の中で街以外はほとんど名前のない所ばっかりッスから」


……これは驚いた

現代では地域ごとに都道府県、更にはその中に市町村がある通り地区ごとに名前がついている

でもこの異世界ではそういった地域とか地区は無いらしく、国の中にいくつかの町があって

それ以外の場所は国という名前が付いていても地域という意味では名前が付いていない、俺たちが王都セカンドルトを出てからヒューラルエクジトにたどり着いた道中まで名前のない所を通っていたらしい

強いて名前がついている場所と言ったらあの国境だろうか?


「まあ、ここまで話したッスけど知っても知らなくても特に気にしなくても街の名前と国の名前を知りながら旅をすれば特に問題ないッスよ」

「いえ、好奇心旺盛なので聞きたいことはいくらでも聞きます」

「……興味を持つのはいい事ッスね」

「それとですが、首都…えっと、国の中で一番大きくて中心になる街ってあるのですか?」

「もちろんあるッス、ここトランスリンでヒューラルエクジトを経由して、最終的にはそこに向かう予定になっているッス」

「その場所は首都トランスリンって名前じゃないんですか?」

「もちろん違うッス、補給やメンテナンスが済んだらその首都の名前と一緒に予定も話すッスよ」

「分かりました」


そう話している内に列が……ん?なんか騒がしくなっているような?

話に花を咲かせている様子であった女子2人も様子のおかしさにキョロキョロしている


「千斗!千斗!なんか様子がおかしいよ!」

「な……なにが起きて………いるんですか?」

「いや、分からない

タスメさん!これはいったい!?」

「……もしかしてッスが」


え?何か知っているのか!?


「懸念していた事ッスけど、俺たち…勇者御一考とバレて周りが騒ぎ始めたッスね」

「え?!」

「勇者様!どうか!どうか!子供だけは!襲わないでください!」

「金銭は差し上げますから…馬車を壊すのだけは!」

「先へ譲ります!商品を壊さないで!」


……何をしたんだ、俺らと違う「何か」は

騒いでいる人たちは怯えながら身を引いているのか、緊急車両が来た車の時のように道の真ん中を開けるように寄せた…

なるほどね、勇者の特権があればこういった列もスムーズに……って

そんな特権なんて横暴でいらねえよ!


「待って下さい!そんなことしなくてもいいです!」

「私たちは勇者だけど!普通でいいよ!!」

「みんな………………落ち着いて!!」


3人でドタバタと話して、少しの時間が経過してようやく周囲は落ち着きを取り戻した

…やっぱり、この感覚は嫌な意味で久しぶりだな

王都セカンドルトでは収まったけど、この国ではこれかららしい


「別人だったのかな…」

「この人たちは、大丈夫なのか?」

「はぁ…はぁ……こわかったな」


列に並んでいた人たちは安心…しているのか?

でも、やっぱり「何か」と比べている様子になっている


「みーちゃん、ちょっと街に入るまで挨拶を控えたほうがいいかな?」

「その方が…………いいかも

ここで挨拶するのって…………周りからしても意味が分からないと思うし」

「落ち着いたからいいけど、変に大きな声を出したらまたパニックになりそうだな」


そう考えながら再び列を待つことにした

先行きがなんだは不安だ……

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