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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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彼女がいる、好みもあう

時系列は現実と同じとは限りません

特に千斗が話すアニメの放送時期は無茶苦茶となっております

まどろみの中、いや今回はやけに意識がはっきりしていた

この異世界に来てから夢を見ることがあったけど、とりとめのないようないろんな内容であった

でも、今回は意識がはっきりしている…だけども………決められたシナリオ通りにしか動けない役者のように何も体が動かなかった


今の状況は、高校が終わって放課後

方向が違くなるまであの人と同じ道を歩いていた


「あー今日の学校も終わったよー」

「ああ、疲れたな」


いつも通りの会話、高校に入学して出会い意気投合してから数か月

まだ高校1年の夏休み前だ

目の前には俺の彼女、白いシルエットが美しく女性の中では身長が高めな星見玲香がいる


「千斗ー申し訳ないんだど、1ついいかな?」

「ん?どうした?」


夢の中では何回も玲香と出会う夢を見たことがある、けれど実際に会っているわけではないから「再会できた喜び」と言うのは最初から感じていなかった

何度見ても美しい白髪を揺らしながら玲香は話しかけていた


「この前ね?一週間限定でアニメの最新話が見れるのあったでしょ、アレでいくつか見ていたんだけど

異世界作品でちょっと問題が起きてね?」

「あーもしかしてアレか?」

「あ?もしかして千斗も分かるの?」

「まあ…ね」


たしかこのころは…名作だけど賛否両論のあの作品が放送された時期だったか

俺はアレ正直……実を言うなら異世界作品とかで召喚された人がひどい扱いを受ける作品、陰湿な作品の中でもアレは筆頭だと思っている


「略称は○○○であってる?」

「諸説あるけど伝わればそれでいいよ」

「あそこまで陰湿なのが表現できるのは、ある意味才能だと思っているわよ

やっている内に作者のメンタルが心配になっていく、どんな気持ちで作っているんだろうね」

「中二病ではあるけど、重い展開は読んでいる身としても疲れるだけ、設定は作っても小説は作ったことが無いけど、やっぱり楽しい展開じゃないとモチベも続かないと思うんだよな」

「そりゃそうだよなー近頃は小説サイトでも追放物が流行ってきて、ランキングが参考にならないし……」

「追放?」


丁度このころだったか?異世界ではなくファンタジー作品で書くのが増えてきたのは


「パーティメンバーの中でも使えない人を追い出すやつの事よ」

「…何の魅力があるんだ?吐き気を催す邪悪では?」

「いくつか読んでみたけど、分からなかったわよ

ただ、私の気分が悪くなるだけだったな」


玲香は気を遣う事はするけど、基本的に物事に関しては正直に話している

冷華として演じることはあってもあんまり嘘をついたこともない、と言うかウソが下手な所もあって、そこもまた可愛い所であった

話の内容は…まあ、アレな時が多かったけど


「何が流行るか意味わかんねえとおもうわよ」

「俺もだ、正直陰湿度数が高いから、これだったら全肯定されるイエスマンで周りを固めているような単純な話の方が俺は好みだな」

「分かるかもなー」


いつもだったらずっと話が続いている所であったか、なんだかこの日はちょっとお互いに静かになってしまう時間が多くなっていた

何気ない日、いつも横に一緒にいる美しく可愛い…まだ“友人”であったけど、なんだかちょっと特殊な気持ちが湧いてきていた


「…………千斗、ねえ?」

「………なんだ?玲香?」

「すっごく大事な話をしていい?」


いつもの帰り道、街中の歩道を歩いている最中

友達の玲香の様子が一変した

声の感じが

雰囲気が

真面目なモノになって言った


「……玲香がいいならここでいいのか?」

「うん、お願い」


この時点で俺は気が付いた、玲香が何を言おうとしていることを

我ながら、本当に勘が良すぎると思ってしまうほどに

鈍感で人の好意に気が付かないキャラ…そういうのとは違う

実際にこの場になって、アニメとか漫画の演出があるから気づかないモノなのか?と思う時があったが

…………思い切った気持ちを伝える、思いを向けている相手の姿は分かりやすかった

嘘が苦手な正直者だからと言うのもあるのかもしれない

立ち止まって玲香に振り向く、その表情は期待や不安、いろんな感情が入り混じっているような顔をしていた


「すーーーーふぃ」

「………」

「千斗、初めて会った時からオタクだと気が付いて私から話しかけたよね?」

「ああ、覚えている

鞄に付けていたぬいぐるみのキーホルダーを見て食いついてきたんだよな」

「そうそう、ってほんの数か月前だけどね

それからいろんなゲームとかアニメとかの話をしたよね?」

「お互いのお気に入りを勧めたりとかあったな」

「何と言うか、男だけが見る作品と女だけが見る作品って世の中が勝手に決めている所ってあるけど私は仮○○イダーとか戦隊ものとか見ていたけどみんな笑っていたんだよね…」

「俺はそういった物は関係なく見ているな、昔から

プリ○○アとかも何言われても今でも見ているし、決して俺は笑わないよ」

「ありがとう、

しかも驚いたのは腐男子であることも正直に言うのは驚いたな」

「ノマカプもBLもGLも尊い人間関係にある事には変わらないよ、友人関係や親友関係だって好きだし」

「カプ厨って言っていたけど、どちらかっていうと関係性オタクが近いと思う

周りに迷惑をかけずにわきまえている所もあるからね?」


話していて思う、本当だったら結論をすぐに言いそうなのになんだか回りくどい気がする


「まあ、そうだな………なあ?」

「ん?どうしたの?」

「それは大事な話だけど、何か隠していないか?」

「あー分かる?やっぱり?」

「分かるよ、様子がおかしいことに」

「まあ、とにかく言いたいことはいつも一緒にいて楽しいって事!

オタク同士だけど、ほとんど普段通り話せているから

………あー!ちょっと聞いて欲しいけどこういった事って勇気を出さなきゃいけなくてなんだか難しいの!!

正直になりたいのに!正直になりたいのに!」


急に玲香は子供のようにバタバタし始めた、可愛らしいけど

もはや何が言いたいのか分かりやすすぎるけど、楽しくて見守ってしまう


「あー、俺は待っていた方がいいのか?それとも相槌を打った方がいいのか?」

「………正直に言って欲しいけど、何を言いたいのか分かっちゃった?」

「まあ、そんなにも分かりやすい表情とか話し方とかしていたから」

「……………もう!それなら言わせてもらうからね!

私ね                」


……………

…………


「んあ?」


突然意識が覚醒した……誰かに起こされたわけではなく、何かしらの衝撃は走った訳ではなく急に目が覚めた、なんだか揺れている感覚がするし風が聞こえてくる

1番大事なタイミングで起きてしまったけど、確かこの後は……俺は、俺が…………


「あ!起きた!おはよー!」

「おはよう……………ございます」

「おや?起きたッスか?おはようッス」

「え?ああ、おはよう…って?もう出発している?!」


ヤバイ!?寝坊していたのか?!


「慌てなくても…………大丈夫だよ………?」

「私たちが起きた時はとっくに出発していたんだから、ね?タスメ?」

「そうッス」

「そ…そうか、相変わらず品子さんはいつの間にか呼び捨てなんだな」

「ちゃんと許可取ったよ!」

「勇者2人も好きに呼んでいいッス」

「わっ………私はこのままで」

「俺は…もう少し時間をかけてからにします」

「分かったッス」


もう少し夢を見ていたかったけど、でも逃避し続けることはできない

夢の内容の幸せを現実のものとするためにこれからも行くことにする


「そう言えばタスメさん?」

「どうしたッスか?」

「俺たちが起きる前に出発して大丈夫でしたか?魔物との襲撃とか?」

「この時間帯は穏やかな時間になるッス、魔物も夜行性がいたりするッスけど夜よりも今のような早朝が一番平和と思うッス…まあ、何か起きた時には全力で起こすッスから」

「あの……一定の空間を守る魔道具はどうなったん……………ですか?」

「これのことッスか?」


馬を操りながら何かを置いた、緑色のダイヤ型のその魔道具は黒ずんでいた

まさしく「使い切った」って言わんばかりの色をしている


「そこら辺に捨てずに、ちゃんとしたゴミ箱に捨てるッスから持って行くッス」


使い切った物はそこら辺に捨てる、実際の中世ヨーロッパの価値観だと荷物を軽くするために捨てる…とかどこかで読んだことがあるけど、やっぱり環境の事を考えるとポイ捨ては良くない

そう言えば、薬屋さんでポーション瓶は店の前に起き場があったっけ


「それならよかった…………です」

「ああ、俺が起きた時は効果が切れていたッスけど、荷物とか何も問題なかったッスから安心するッス」


そういって、質問がこれ以上ないことを思うと馬車の運転に向き合って行った


「ねえ千斗?」

「ん?」

「寝顔見てごめんなさい!」

「え?いやまあ、別に恥ずかしい物じゃないと思うが?」

「それな良かった!所でどんな夢見てたの?」

「え?」

「なんか、すっごく楽しそうな顔をしていたから気になっちゃって?」

「あー」


どうしようか、実を言うなら恋人になった時ってプライベートだからあまり話したくないような内容なんだよな


「ごめんな、俺と玲香が恋仲になった時の内容だから我慢してくれ」

「えー、でも分かったよ!」

「うーん…………私も……気になりましたが………プライベートな事は聞けませんね」

「ああ、ごめんな」

「楽しそうに話している所すまないッス」

「ん?早速魔物のお出ましですか?」

「……ちょっと違うッス」

「え?」

「そこを止まれぇい!」


なんだか、野太い声が聞こえた、それと同時に馬車の速度が急に止まる

目覚めたばっかりではあるけど、周囲には何か建物は無いけどいったい?

検問とかではなさそうだ


「対人戦は経験あるッスか?」

「えっと………一応……………」

「俺はガリウスや品子さんとなら」

「千斗と兵隊長ならあるよ!」

「それなら、ぶっつけ本番ッス」

「どうゆうことだ?」


タスメさんの所から顔を少し出すと、何かワイルドな風貌の男性が何人もいた

服装も体も薄汚れている上に髭もボーボーな男が沢山いる、恰好はそんなにいい雰囲気をしないけど、持っている武器や体格はゴツく肌も焼けていて野蛮な雰囲気が………これってもしや


「と…盗賊!?」

「そっちの世界にもいるッスか?その通りッス

先に言っておくッスが生死は問わな………って勇者達はそういうのダメッスね

取り合えず、戦闘不能にいしてほしいッス」


…たしかにこの世界では蘇生魔法があるから殺しても生き返らせれば投獄することはできるらしい、けれども魔物とは違って人を殺したことない

いや、悪人と戦ったことはあるけど…

でも、向こうは殺す気で来る、躊躇はいけないが…でも今ここにいる品子さんや蜜巳さんとタスメさんに危害を及ばせるわけには行けない

前と同じように戦えばいい!


「分かったよ!」

「いき…………ます!」

「ふっ……不届き者には制裁を!」


馬車が止まると、俺たち3人は馬車から飛び出した

正面からだと馬を驚かせてしまうから裏から出て…3人共馬車を守るように盗賊共の間に立って武器を構えた

眠気はとっくに飛んでいるから多分戦える


「ハッ!何だこの馬車!ガキしかいねえじゃねえか!」

「おーい傷つけるなよー高く売れそうだからなー」

「こ………こわい………」

「大丈夫だよみーちゃん、いつも通り戦えば勝てるから」

「ふむ……」


敵の人数は4人か、リーダーっぽいでっかい斧を持っている人が1人

それ以外は小柄だけど素早そうで小型ナイフも持っているのが3人

アイツらは俺たちを品定めをしているけどまだ襲いかかって来なさそうだ


「しかしよー、相手は4人で俺たちは4人だけどよー

その馬車の人は来ねえのかー!?」

「私が守るから!!」

「ハッハッハッハ!傑作だ!女に守らせるなんてな!」

「…………おい」

「あ?どうしたんだおめえ?」


え?なんか1人震えている?

手が震えているし足がガクガクしている?


「ま……まさかこいつら、勇者じゃないのか?」

「え?」


……あ、まさかこの展開は?


「黒い髪の槍使いと緑髪の盾使いと橙髪色の弓使いのガキどもって………」

「…おい、これって逃げたほうがいいってことか!?」

「逃げるぞ!!おい!」

「急げ!」


やっぱり!以前の盗人の時もそうだ!悪人共までも勇者に怯えているんだった!


「…こうなるッスか、でも都合がいいからこのまま放置して逃がして」

「そんな訳にはいかないよ!悪い人は逃げたらどこかでまた悪いことをするよ!」

「悪い人は…………………捕らえなきゃ……じゃないと………誰か不幸になる!」

「決して逃がさん!!我が聖域を汚すものには死………裁きを!」


…3人共、悪は許さない性格で良かった、俺はちょっと危うく物騒な事を言いかけたけど殺す気は無い

放置しようとしたタスメさんを横目に一気に戦う……と言うよりも捕らえることにした

俺は棒高跳びの用量で前方に飛ぶと盗賊共の前へ

逃げ道を塞ぐように槍を構える


「貴様らを逃がさん!」

「ひぃ!??いつの間に前に!」

「う、後ろにっ………」

「おりゃーーーー!!!」

「ぐぎゃあああああああ!!!」


引き返そうとした2人を品子さんの盾が思いっきりぶつかってきて派手に飛ぶ

一応大剣を持っているから速度的に手加減はしている………はず、だけどもこちらに飛んでくるなら


「食らいやがれ!」

「ごぉ!?」


マクスラスの刃…ではなく手持ちの部分で叩き落として地面に墜落した

そのまま2人とも倒れたけど、命に別状ななさそうだ

蜜巳さんは……


「おい!前も後ろもダメなら横だ!二手に逃げるぞ!」

「くそっ!恨みっこなしだぞ!!」


そう言って2手に逃げようとした2人の…足に同時に弓矢が!?


「ぐあっ!」

「いって!」

「………」


馬車の正面に立っていた蜜巳さんは鋭い眼光で2人を睨んでいた

足を撃たれた2人は、足を引きずりながらそれでも必死に逃げようとしたけど…これはもう


「はいストップ!」

「動くな」

「ひっ……」

「はっ……」


俺と品子さんで挟み撃ちにする様に止めた

もうこれで戦闘終了だろう


「わ…分かったもう…やめてくれ」

「こ…降参だ」

「す……凄いッスね?一瞬で片付いたッス

じゃあ、後処置と言う名の拘束はやっとくッス」


そう言ってタスメさんは盗賊共を縛って行った

…しかし、捕らえたはいいけど、こいつらにまで怯えられるもんなのか?

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