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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
第1章・のどかな草原トラストリン

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37/58

ネタバレはない、楽しみがある

「………って感じだな」

「そして

…………というかんじです」

「へぇー!すごいね!」


しばらくの道中、昼ご飯を食べながら俺と蜜巳さんはスイートアイス先生の作品「哀知ってる?」をオススメしていた

道中で魔物が出たりとかは一切なく、順調に進んでいた

スイートアイス先生の作品は恋愛や家族愛を描いている小説作家

処女作からずっと変わっていなくて、普通に玲香だけでなく親にもお勧めしたくなる内容だ


「そして…………その先の………………ロールキャベツで…………」

「え!?ちょ!?蜜巳さん!ストップ!」

「え?!

……………どうしたのですか……………千斗さん……?」

「いや、あの、ビックリさせて悪い

蜜巳さん、そのロールキャベツはネタバレになるからそれ以上は後の楽しみにしてほしい」


ロールキャベツ…アレは主人公とヒロインにとっての一番のキーアイテム、逆に言えば「哀知ってる?」でロールキャベツのことを話したら()()()()()()()ネタバレになってしまうほどのものだ

品子さんもその「ロールキャベツ」の作品内での大事さを理解して欲しいから、つい大きな声で止めてしまった


「ネタバレって、最後の話とかの事でしょ?

私は平気だよー」

「うん………しーちゃんは……………ネタバレが平気だから……………………私がいつも最後まで………話しているよ?

……………私も平気です」

「そ、そうゆう物なのか?

で…でも…」

「何か……言い淀んでいるのは…………なんでですか?」

「いやぁ、人によって嗜好や趣味は違うから強くは言えないんだけど

そういった話の根幹とか大事なことは、人から聞くよりも実際に話を読んで…驚いたり感動したりと、そんな気持ちを体験して欲しいという気持ちがあるんだよな…俺のエゴかもしれないけど」

「うーん、私は本当に平気だけど…だったら千斗が話したくなったら話していいよ!」

「じゃあ…………私も……………話さないでおく!」

「いや、俺にとっては、元の世界に戻った時に改めて読んで欲しくて………いやまあ、うん

珍しい考えを持っているな…本当に」


ネタバレが平気な人、正直都市伝説レベルで存在しているかどうかすら不明と持っていた…いや、俺は井の中の蛙だったのかもな、オタクの世界ではネタバレがダメな人しかいないし、オタク文化と離れている人は気にしないい人は多いのかもな

そうゆうの羨ましいけど、人生を損していないか心配ってぐらいまで思っている

衝撃の展開が起きた時の脳汁とかあの感覚は本当に知って欲しい


「ネタバレが平気なのって珍しいの?」

「ああ、まあ、いつかそう言った物語を知って読んで

ネタバレナシでも楽しめたらいいな、そんな機会があればな」

「そうです………ね」

「じゃあ、サンサン大海原先生の作品もオススメするよ」

「はい………お願いします………そちらは私…………分からないので」

「わーい、また楽しめそうだね!」


という事で、今度はサンサン大海原先生の作品もオススメすることにした


「まず、さっきまで話していたスイートアイス先生は恋愛や家族愛を主に描いていて

サンサン大海原先生の作品は仲間との関係…要は今の俺たちのような戦友を描いている事か多くて…………」


最近読んだ、と言うよりも最近シリーズで書いている「不可視の一撃を乗り越えて」を話していった


………………

…………


「……と言う感じだ

一応ネタバレを伏せて話した内容はこんな感じ

やっぱり、最後まで知りたいのか?」

「うん!最後まで知りたいよ!」

「はい………………気になります……」

「あー」


なんか、やっぱりちょっと調子が狂うな

ネタバレに関する意識が違うと


「でも、悪いな

実を言うなら俺も最後までどうしても話せないのは理由があって、実を言うなら最終巻はまだ読んでいないんだ、本当はクリスマス後に読む予定だったし

だから最新巻まで話せても、最後がどうなるか分からないんだよなー」


ちょっと意地悪だけど、このやり方で何とか元の世界に帰った後にネタバレ抜きで楽しんだらいいな


「ちょっとー!

そうなると気になって勇者に集中できないじゃない!!」

「そうです…………よ!

意地悪………ですね!」

「ごめんごめん」


思った以上に効果があったと思う、確かに戦闘に集中できないのはある意味致命的だけど

それでも本当にネタバレ抜きで楽しめるようになったらいいな


「でも、読める機会があったら絶対に知りたいよ!」

「……はい!」


そういった意味で前向きにも考えられたみたいで本当に良かった


「勇者達、盛り上がっているところすまないッス」

「え?どうしましたか?タスメさん?」

「魔物が来るッス、よろしくお願いするッス」

「え!?」「はい!?」「わ……わわわ!?」


タスメさんは淡々と話していたけど、普通に状況としては危険では!?

もうちょっと焦って話しても良かったと思うんだけど!

もしくはそれほど勇者の力を信頼しているってことなのか?!

いやまてまてまて、とりあえず驚いている場合じゃない

戦闘準備をしないと


「準備完了!!」

「しーちゃんはやい……………ちょっとまって………」

「落ち着いて!まだ来てないみたいだから」

「う…………うん!」


慌てながらも俺もマクスラスを手に取って臨戦態勢に入る

既に鎧は着けているから防具は特に問題なし、武器を持てば準備完了だ


「どこからですか!」

「後ろからッス」

「分かりました!」


後ろの部分はカーテン状になっており、開ける仕組みになっている

そこから顔を覗かせると、四つ足の魔物がいた

人通りが多い街道のはずだけど、魔物がいるのは珍しいと思う

近くの森の中から飛び出してきたんだろう


「馬車を止めたほうがいいッスか、それとも速度を上げて逃げたほうがいいッスか?」

「止めてください!動きながら戦うのは難しいです!」


そもそも逃げながらだと遠くにいるから近距離担当の品子さんが戦えないし、俺も狙いが付けるの難しい

タスメさんが「止まるッス!」と馬に言うと、結構な速度で走っていた馬車が段々とゆっくりしていき

それと同時に走ってきた魔物が段々こちらに迫っていく

相変わらず醜悪な姿をしており、シルエットこそは狼の様だけど頭はギザギザとした牙の口だけだ

噛まれるだけで体の部位が取れてしまいそうだ


「取り合えず、体を軽くするよ!」

「品子さんありがとう!」

「しーちゃん…………ありがとう!」


品子さんによるバフ魔法をかけられながら、馬車は速度を落としていく

もう降りても大丈夫と判断したのちに馬車から飛び出した

俺だけでなく品子さんも蜜巳さんも降りたようだ

受け身を取りながら着地すると同時に正面を見ると


「キシャアアアアアアアア!!!」


俺に向かってきて口を大きく開けて飛びついてきたけど、マクスラスを横に一薙ぎして振り払う

思った以上にも軽く、抵抗は一切感じられ無かった

昨日の時点でも思ったけど、とっくに魔物を倒すことに対する抵抗感は何もない


「そこ………です!!」


蜜巳さんがそう言うとちょっと遠くにいた魔物の頭を弓矢が貫いた


「そこおおおお!!」


品子さんがそう言うと大剣で魔物をダイナミックに胴体を真っ2つにした

それぞれはそれぞれでも戦っているらしい

あの防衛戦を戦ってきたんだ、これぐらいの魔物は3人がそれぞれで戦った方がいいのがなんとなく分かっているみたいだ


「このまま数を減らすよ!!」

「みんなも…………頑張って!」

「フッ!造作もない!」


品子さんは大きな動きで剣を振り回し

蜜巳さんは召喚獣のオオカミを召喚して人海戦術で数を減らし

そして俺は中二病モードで、奴らを蹂躙していく

数は8匹ぐらいではあったけど、マナと品子さんの補助魔法による戦闘能力の上昇、そしてこの世界に来てから武器と魔法の戦闘訓練

ぶっつけ本番の防衛戦をしてきた以上、まったくと言っていいほど苦戦することなく勝利できた

こんなにも簡単に倒せるとは!!


「ヤッター勝ったー!」

「勝ち……ました!」

「我らの勝利だ」


なんだかRPGのように3人で勝利セリフを言いながら、なんとなくキメポーズと取ってしまう

本当にRPGのパーティみたいで、簡単に勝利したはずなのにめっちゃ楽しい気持ちになって来る


「すごいッスね、強さも雰囲気も関係もいい勇者達ッス

こんなに強い戦闘力ならすぐにトランスリンでアミルクリスタルを手に入れられそうッス」


タスメさんは、馬車を完全に止めてこちらに歩いてきた

ん?何か道具のような物を持っている?


「タスメさん…………それは?」

「これッスか?」


そう言いながら、タスメさんは何かナイフを取り出した

……なんだ?品子さんが使う短剣に比べたらなんか刃の形が違うような?

刃の片方がギザギザしていてパン切り包丁みたいだ


「魔物は倒すだけでなく処理をしないといけないッス

そうじゃないと環境汚染が起こったり死臭で魔物が集まってしまうことがあるから」


そういえば、実戦訓練でガリウス兵隊長からそのような話を聞いた気がする

あの時は土に埋めればそれでいいと言っていた、でも王城から貰ったお金は無限ではないし路銀や食費に宿泊費を俺たちで稼がないといけない時もある、そのために使えそうな素材を剥ぎ取る必要性もあるのだろうか、それはタスメさんに任せようかな………魔物の解体とかこういったことは現代でやったことないからグロテスクに対する耐制はゲームなどのモニター越しなら平気だけどリアルに見るのは…

魔物と戦うのは出来ても解体は出来ないかもしれない


「戦えないから、ここは任せて欲しいッス

でもこういったのを見るのは苦手なら、馬車に戻ってもいいっす」

「わ……………私は先に馬車に戻って………いるね」

「じゃあ、私も一緒に戻るよ!」

「……俺はここで見てるよ」

「え?!千斗無理しないほうがいいよ!」

「千斗さん………無理はしない………方が」

「いや、普通にまだ魔物がいるかもしれないからタスメさんを守りたいし

それと…ちょっと無理をしてでも解体する様子を見てみたい好奇心もある」

「好奇心なら仕方ないね!」

「はい………千斗さんは………そうゆうの…………好きですし」

「ああそうッスか、なら見ているっす」


女性2人を見送った後、俺は魔物の死体を見る

ここまでは昨日の防衛戦でさんざん見て来たからこそ、平気になったけど触れるかどうか?って言われたら…微妙だ


「見ているだけでなく、手伝えることがありましたら手伝います」

「そうッスね、それならやり方を見て出来そうなら次からこのナイフをもう1本貸すッス

今は俺が解体するッスから、残った部分は土魔法を使って埋めて欲しいッス」

「はい、埋めるぐらいの土魔法ならできます」

「じゃあ見ているッス」


そう言うと、一か所に死体を集めた後

持っていたナイフ…もしかしてこれは骨を斬るためか?

ギザギザの方の刃で首にノコギリのように引いて首を切り落とした

断面から血がドクドクと溢れて………


「うえっ………」

「やっぱり無理をしないほうがいいッスよ?」

「まだ、大丈夫」


戦っている時はあまり気にしてないけど、まじまじと断面図を見てしまった

タスメさんは慣れているからかテキパキと他のも首を切り落として、何か袋の中に詰めた


「ふむ、牙が無事なの5匹分、3匹は少し欠けているけどぜんぜん使えそうッスね」

「あっ、何かしら倒し方って決めたほうが良かったですか?

頭を攻撃しないようにとか?」

「気にしなくていいッス、戦った後の報酬は二の次で変に意識してケガを負ったり死んだりするよりはいいッスから

じゃあ、その死体の山を埋めて欲しいッス」

「はい、わかりました」


そう言われて、まず大きな穴を作る

魔物の体を浮かせて穴の中に入れると、土で埋めた

埋めた所を足で念のために固めていく


「そこまで念入りじゃなくていいッスよ」

「いえ、後から来る馬車の人とかに迷惑をかけたくないので」

「気配りいいッスね」


固めた後、埋まった跡はあったけどこれで大丈夫だろう


「その頭は何使いますか?」

「この牙はいろんなことに使えるッス、剣に付けたり盾に付けてすりおろすように使ったり

後はノコギリのように使ったりッス」

「なるほど、いつか俺たちの持っている防具とかも強化したりとかできますか?」

「俺は出来ないッスけど、どこかトランスリンの鍛冶屋にお願いすればできるかもしれないッス」

「鍛冶屋か……いつかお世話になるのかもな」

「解体したものは換金するなり、鍛冶屋にお願いするなりで自由に使っていいッスよ」

「はい、わかりました」


一通り解体まで済んだ後は再び馬車に持って進んで行くことになった

さっきの魔物の頭の入った袋も荷台に入れて道中を進んで行くことに


「おかえりー、大丈夫?気分悪くなってない?」

「ただいま、ちょっと悪くはなったけど少し経てば慣れそうな気がする」

「気分が更に悪くなりましたら………しーちゃんの回復魔法に頼ってね………」

「ああ、もちろん、決して無理はしない」


そう話しながら、戦闘、解体、雑談

そのように繰り返していると、何か地平線の向こうに視界の端までずっと広がっている


「ようやく国境にたどり着いたッス」

「ついにトランスリンに行けるんだね!」

「すごい………」

「結構早い!」

「ちょっとやり取りは俺がするッス

任せて欲しいッス」


そう言いながら近寄って行くと、何やら門番の様は2人組が持っている武器を傾けてバツの形を作った。

「ここから先は通るな」と言わんばかりにだ


「ここから先はトランスリンだ、何かしら身分を証明するものを見せないとここから先は通せない」

「これでいいッスか」


タスメさんはスクロールを差し出す、礼状かなんかだろうかな?


「あ……そうか、どうぞ」


見せると普通に通れた…って

あれ!?こういった時って「勇者でしたか!失礼しました!」みたいな反応をするのが物語でよく見たことあるけど…いや、こんな言い方をしたら面白くない作品のイキリ主人公みたいになるけど

なんか、雑な言い方をしている気が?

一度そのスクロールを見せると普通にまた馬車が進んで行った


「こんにちは!門番さん!よろしくね!」

「こん………にちは」

「こんにちは!」

「……」「……」


門番2人は一切として言葉を返さなかった

王都セカンドルトの時のようにてっきり怯えているような表情をしているのかと思った

それなら、勇者に対する偏見を何とかするために挨拶をして人々の助けをする!

そう思って門番の表情を確認をして見た


けれども、その表情は怯えの感情はなくて

なにか、恨んでいるような嫌悪感を出しているようなそんな表情をしていた……

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