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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
プロローグ・王都セカンドルト

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34/58

別れは無い、次があるから

「鎧に魔道具、となると今度はなんの話なんだ?」

「はい、これから向かう所と

乗り物についてです」


向かう場所は決まっているのか?とりあえず国を出たら近い国へ行ってアミルクリスタルを見つけて…と思っていたけど

それに乗り物?馬か何かがいるのか?

見てきた作品は馬か徒歩だったような気がする


「あなた達はこれから他の国に出かけていただきますが、その道のりは歩いても非常に遠いです

これでは向かうだけで疲れ果ててしまいます、なので馬車に乗っていただきます」

「馬車……………馬?馬がいるのですか?」

「え?ええ!馬がいますよ?」


馬!?この世界の動物は何がいるか分からないし

蜜巳さんの召喚獣を見たガリウスは驚いていたからグラーフィアに地球の生き物はいないだろうし、どうゆうことなんだ?

カイザムさんは動揺しながら返答しているし?


「あーカイザム、多分勇者コヌマミツミの言っている『馬』と俺たちの世界にいる『馬』ってたぶん違うんだろうなー

翻訳魔法で同じような意味に使われているんじゃないのかなー」

「あれ…………そうなのですか?

私は1回兵隊長に見せたのですが…………………」

「ああ、見たぞー

こっちの世界の馬と全然違ってて、結構びっくりしたぞー」


…そう来たか、確かに現代でも英語だと違う言葉だけど日本語だと読み方同じなのもある

逆もまた然り

翻訳魔法は…例えば「マナ」のようにお互いの世界にしかない言葉は翻訳されない

こっちの世界の言葉で「銃刀法」や「四季」は「十字架」も通じなかったし

現代にあるような「正確ではない」翻訳機械のような感じなのかもしれないな


「まあ、とにかく馬車に乗ってトランスリンから行ってもらいます」

「トランスリン…ごめん!どんな国だっけ?!」

「分かりました、復習をしましょう

トランスリンは種族の中では人間が多く、草原と森であふれていて誰もが過ごしやすい地域となっています!」

「ありがとうございます、ナリアン神父

トランスリンから行ってもらいたい理由は、まずは近いから

環境的にもすごしやすくて、初めて外国に行くには1番優しいと思ったからです」


なるほど…言わばRPGで言う所のワールド1の様な所か

いや、王都セカンドルトがワールド1だとしたらトランスリンはワールド2なのか?

たしかに、防衛戦でのことがあったとしてもこの世界の事は未だに理解できていない所もある

井の中の蛙大海を知らずというし、俺たちはまだ王都セカンドルトしか分からない

外国に行くなら優しい所からなのは慣れていくための行動だろう


「それに、王様が言っていた通り、世界中の国では問題が発生しているので優先的に解決していただきたい…一部の国は問題発生していない所もありますが…」

「え?それだったらその国へアミルクリスタルを届けるように言えば…」

「国も広いですので落ちている場所が分からないのです、探すにはその1つしかない魔道具を使わなきゃいけないのです…」

「そうだったんだ!何も知らなくてごめんね!」

「大丈夫ですよ

……なので、問題が起こっている所を優先的に言ってもらいます

でも無理をさせられません、その結果でトランスリンに行ってもらうことになりました」


世界の事よりも、こちらを優先してどの世界に行くか?となるとは…

ゲームとかだったら進展の都合上って理由もあったりするけど

現実、もしくは物語だと向こうの都合な事が多い

まあ…厳しい異世界じゃなければそれでいいと思うけど


「勇者様方が大丈夫でしたら今からでも出発できます

質問がありましたらいくらでもどうぞ!」


これで勇者としての準備は終わったらしい、ゲームで言うならチュートリアルが終わったって感じだろう

丁寧なチュートリアルは名作の証、丁寧なら誰であっても安心して本番へ行くこともできるから


「1つ聞きたいんだが」

「勇者ソラアミセント、どうしましたか?」

「何と言うか…こうゆう時って勇者以外にも、国の兵士とか傭兵とかが何人かついて行く…ってのをこっちの世界にある物語で見たことあったんだけど、そう言った感じのってあるのか?」

「……すいません、国の兵力を削ぐわけにはいきません

今まで防衛線はナリアン神父とガリウス兵隊長を率いて国を守ってきましたが、昨日のように2方向から来る可能性も0ではありません」

「そうか、それと勇者に対する恐怖心を持っている兵士もいるかもしれない理由もあるのか?」

「うっ………その理由もありますね、今は大丈夫かもしれませんが

気を遣わせてすいません」

「いえ、慣れてきましたので」


ガリウスさん達からしても「周りの目を勇者たちは気にしている」って思っているみたいだ


「わっ…………私からも………」

「勇者コヌマミツミはどうしましたか?」

「馬車って…………操縦と言うか…………操作と言うか…………使ったことないのですが………………」

「それは安心してください、先ほど兵士は誰も連れて行けないのですが、御者の方はいます

戦い以外でしたら頼りになりますよ!」


御者の人…俺たちに怯えないのだろうか…


「御者の人って、私たちのこと知っている?」

「え?どうゆうことですか?勇者アキハラシナコ?」

「初めてセカンドルトに来てみんな怯えていたし、挨拶していったからみんな安心したみたいだけど

それでも怖がっている人はいると思うの!だから御者の人は怯えないの?」

「そこは安心してください勇者アキハラシナコ、いえ勇者方」

「え?俺たち?」

「私も………ですか?」


安心?今までこの国で挨拶とかを積極的にやって来たのが効いてきたのか?


「先日防衛戦がありましたので、皆様の事を怯えている人はこの国にはいないと思います

兵力を削ぐことができないのは事実ですが、逆に言えば兵力に余裕があれば同行できたのですが………

ともかく!御者の方といつも通り接していけば怯えることはありません」

「そうなんだ!それなら良かった!」


俺も心から安心した、怯えた表情をこっちに向けられるのも苦手であったけど

「怖がらせてしまった」という罪悪感もあった、勇者と言うのかこの世界を救いに来た救世主だというのに恐怖の象徴として扱われる、そんな異世界作品は現実のどこかにあるかもしれないけど俺が読んだ中では見たことない…いや、陰湿な小説であったかもしれないけど、そういうのは即切りをしているから記憶に残っていない

そうなった原因は何となく理由は予想してはいるけど、憶測では限界もあるし事実が明らかになるのを待とう


「…ん?千斗さん?どうしたのですか?」

「いや、何でもない」

「疑問があってはこれからの旅に影響が出ます、話した方がいいと思いますよ?」

「いやその、やっぱり勇者に怯えている理由を聞きたいが『王の命令』って言われて聞けないと思うから…」

「……」


アレ?いつもだったら「王の命令ですので……」って言われて俺が食い下がる所と思ったけど

なんか黙ってる?それに周囲を見渡している?


「今は誰もいませんね、

ナリアン神父、ガリウス兵隊長、私は今から少し王の命令から背きます、内緒ににしてくださいね」

「いいぜー、口は軽いけどそれは絶対に言わないからなー」

「いいですよ、兵隊長が何か言いそうになりましたら私が咎めますので」

「え?」「え?」「え?」


今から王の命令に背く?

それって怯えている理由を話すのか?


「全ては話せませんが、これは伝えます」


俺たちは息をのんで聞くことに、何を伝えるのだろうか?


「いままで、この世界に来て

王都セカンドルト、いえ異世界グラーフィアの人達の勇者に対する反応を見て不安に思ったりしたと思いますが

改めていいますと、その理由は話せません…王の命令の理由がありますので」


王の命令…その言葉を何度も聞いた


「ですが…この命令があるのは王都セカンドルトのみである可能性があります」

「可能性、どうゆうことだ?」

「王様はあくまで『セカンドルトでは誰もが怯えている原因のことの話をするな』という命令を話していましたが…『セカンドルトでは』と言う話でありましたし

それにこの命令が国の外に届いていない可能性があります、トランスリンとかでもし『何か真相に繋がるような話』が聞けましたら

……ここで詳しい事情を話します

ですが、1つだけ約束して欲しいことがあります」

「約束って?」

「そこのことを聞いても王様の事は責めないでください」


……事情は、どうやら結構深いものがありそうだ


「責めるわけないよ!理由があるなら仕方ない事だと思うし!」

「王様のことも…………まだ分からないこと…………ありますから…………」

「そうだな、話も聞かないで責める事もできないし」

「………ミツミさん」

「えっ………………私?」

「私は勇者コヌマミツミの成長に感銘を受けました、改めて言いますが勇者としての成長していただきありがとうございます。」

「………………どういたしまして!」

「勇者コヌマミツミ、あなたが成長しているのに

王様は今でも怯えています、詳しいことは言えませんが私は……」


と、話している最中のカイザムさんに2人が1歩近寄る…これは


「……いえ、『私たち』が説得を試みます」

「…か」

「か?」

「カッコいいよ!3人もいれば絶対に説得できるね!」

「………頼もしい…………よろしくお願いします…」

「ああ、それだったら俺たちもいい土産話を持ってこないとな、アミルクリスタルをトランスリンから持って帰ってきてグラーフィアの平和に一歩近づけたという報告をしたい

トランスリンで事が終わったらそのまま次の国……ではなく、王都に戻ってもいいか?」

「もちろん構いません、むしろ物資の補給や一時的な休憩の為に推奨いたします」

「分かりました、何から何まで本当にありがとうございます、いや、ありがとう!」

「どういたしまして」


それからは質問がないことが分かると、俺たちは大人の人3人と馬車の方へ行くことになった

王城内から外へ、外に出たら大通りを歩いて行く

道には王城の人達が呼んだのか様々な人たちが俺たちを見送っている

「勇者たち頑張って!!」「挨拶勇者-----いってらっしゃーい!」「平和をお願いします」

そのような声が聞こえて俺たちは挨拶をもちろん返す

挨拶を返しながらも幼馴染2人の様子を見る、

品子さんは最初こそは怯えながらも蜜巳さんを守っていたのもあって静かな印象もあったけど、今では明るくてムードメーカーのようだ、怯えている異世界人でも積極的に話かけいるし

蜜巳さんは落ち着いていながらも人一倍怯えていて、戦闘訓練も不参加な時が多かったけど、今では昨日の防衛戦のように心強く戦ったし、それに来た時と比べてとても前向きになった

この世界に来た時には、自分と同じように異世界召喚に巻き込まれた人

一緒に勇者すると聞いて、もしも悪意に満ちていたり…異世界と聞いてイキり散らしている奴だったら………いや、陰湿な事を考えるのは良そう

状況は同じようなのに今では戦う仲間として仲良くなって良かった

2人が幸せになって元の世界に返してあげたい

もちろん自分も帰って玲香に会いたい

そう考えていると、ナリアン神父もカイザムさんも俺の考えていることが分かったのか

俺が彼女と会えるように応援した

………ここまで、この世界に来てわずかな可能性があっても1つ懸念していたことがあったけど

3人の反応を見た感じ、……なるほどな、安心できそうかもしれない


挨拶をしながら歩いていると町の外にたどり着いた

そこには1つの馬車が置いてある、結構な大型でいろんなものが詰め込まれているように見える

回復薬や食料、あまり見たことないけど武器防具の手入れのする道具だろうか?そのような物が荷台の隙間から見える

前方には………シルエット自体は馬だけど、足の数が多く図体は大きい、けども不気味さは感じない生き物がいた

興味津々に見ていると…


「初めまして、俺の名前はタスメだ、

よろしくッス」

「よろしくお願いしますタスメさん」

「よろしくー!」

「よろ……………しく…………」


既に出発の準備が終っているのか、手綱を持っていつでも行ける体制になっている

男性だけど、長髪なのかポニーテールにしている、それでも目元に金髪がかかっていて目元とかあまりよく見えないメカクレな雰囲気をしている

語尾はッスって言っているけど、雰囲気はクールな感じがする


「タスメさん、勇者たちを導くのをお願いしますね」

「任されたッス

勇者たちは後ろから乗るッス、そうしたら出発するッス」


なるほど、つまり俺らは馬車に乗ると冒険が始まる

けどそれと同時に…


「…ってなると…………皆さんと………お別れになりますね」

「そうだなー……」

「はい……」

「そうですね……」


大人3人共その事実を目の当たりにしてしまったのか、声に寂しさが

俺も、正直に言うなら寂しさを感じている、油断をしたら涙がこぼれそうなぐらいに………

別れ?いや?それはおかしいな


「お別れではないな」

「そうだよね、千斗?」


どうやら品子さんも同じような考えがあるようだ


「まあ、確かに寂しい気持ちはあるけど

でも、それは一時的な物であってトランスリンでの用事が終わったら、またココに帰って来る」

「それだったらさ!寂しいと思わなくてもいいよね!サヨウナラなんて言わないから!!」

「ああ!だったらこう言えばいいんだよな…

またね!って」

「そう………ですね

そう!ですね!!」


次に会う時はきっと来る、いや絶対に来る!それなら別れの挨拶はいらない


「ええ!」

「ははっ、そうだな!」

「とても、いい心がけですね!」


そして誰もが笑顔になった、冒険に出るのに悲しい顔はしたくない

俺も笑顔かな、いや笑顔に決まっている!!

笑顔のまま俺たちは馬車に乗り込む

一言「よろしくお願いします」とタスメさんに話しかけると、「ッス」と言いながら馬車を出した

速度は意外と早くて、3人の様子がすぐに小さくなっていく

ガリウスは


「行ってきなーアンタらなにがにがあっても行けるぞー」


と、いつもの感じでありながらも、大きく手を振って見送る

ナリアンさんは


「ご武運を、勇者様方の旅に幸せがあることを」


両手を合わせて願いながら、俺たちの武運を祈る

カイザムさんは


「勇者様方、頑張ってください!」


頭上に上げた手を小さいながらも振る

誰も、その表情は笑顔であった


「行ってきまーーーす!絶対に持って帰るよー」

「頑張るから………………頑張るっ!から!」


品子さんも蜜巳さんも手を振りながら、3人に挨拶をしている

動いている馬車から落ちないように、俺も身を乗り出しながら大声を出した


「丁寧にこの世界の事を教えてくれてありがとうナリアンさん!

戦い方を教えてくれてありがとうガリウス!

そして、色々と俺たちの為にサポートをしてくれて本当にありがとうございましたカイザムさん!

こういった恩は絶対に返します

……フッ、我は最強の召喚獣アルティマ・ザン・ガーゴイルだからな!!」


出そうになった涙をごまかすように、中二病モードを発動させながらも手を思いっきり振った


これから先に何が待ち受けるのか分からない

どんな魔物がいるのか?どんな出来事があるのか?

セカンドルトで怯えている人は何が原因なんだろうか?

不安な気持ちはいっぱいある

けれども、それ以上にワクワク感もある

仲間の品子さんも蜜巳さんとも関係は良好でどんな障害があっても戦えそうだ

……玲香、そちらでは現在時間が止まっているらしいけど

クリスマスイブの続きを待っていることに変わりない

この世界を救ったら、一緒にチキンを食べよう

絶対にな!フラグだとしても絶対にぶち壊す!


そのような気持ちになりながら馬車はトランスリンへ向かって行った

非常に長くなりましたが、今回でプロローグは終わりです

次回からは話数を短く収めたい……ということを前向きに健闘することを善処したい気持ちでいっぱいです

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