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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
プロローグ・王都セカンドルト

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33/58

防具はある、魔道具もある

防衛戦があった次の日の朝

あんなにも体を動かしまくったのに筋肉痛にすらならなかった

これはやっぱりマナによる影響なんだろうか?このまま戦っていく日が続けて行けば筋肉とかも付きそうだけど

……いや、戻った時に玲香が驚いてしまいそうだ

召喚魔法で元の世界に帰れたとして、玲香からしてみたらチキンを買いに行って帰ってくる時間しかない……らしい、本当に元の世界で時間が止まっていればだけど

そんな短時間で俺がとんでもなく筋肉モリモリマッチョマンになったら普通に問い詰められるか別人と間違われて通報か…いや、それは帰った後に考えることにしよう


「おはよう、2人は起きているか?」


そう思って自分のベットのカーテンを開くと、蜜巳さんと品子さんが体操をしていた

両腕を回して開いたり閉じたり…ラジオ体操かな?


「あっおはよー!」

「おはよう………ございます」


昨日結構な戦いがあったけど2人とも結構元気そうだ

俺が起きた頃、ちょうど体操が終わったらしい


「ああ改めておはよう、ラジオ体操か?」

「そーだよ!覚えてないけど!」

「うろ覚えでも………健康になった気がします」


取り合えず、俺と品子さんと蜜巳さんの朝の準備と着替えが終わったのちに朝ごはん

その場には「普通の」ナリアン先生がいた

どうやら、昨日の事は覚えているようで……


「昨日は………本っっっっっっ当に失礼な態度をすいませんでした!!」

「いえ、大丈夫だ……じゃなくて大丈夫です!」

「……でも勇者ソラアミセント、いえ、セントさん

あなたは呼び方を変えたんではありませんでしたか?」

「え?それっててっきり酔いの勢いによるものでは?」

「はい、確かに酔ってはいましたよ?

でもカイザムさんや兵隊長と同じような話し方にして欲しいのは本当ですよ?」

「あ…ああ、分かりました、じゃなくて分かったナリアンさん」

「ええ、よろしくお願いいたします」

「千斗とナリアンが仲良くなった!」

「そういえば…………昨日……そんな話を………していましたね……良かったです」


食事が終わったのち、いつもだったら兵隊長の所へ行くところであったが

謁見の間に行くことになった

異世界に来て2日目以来の謁見の間、昨日で最後の仕上げが終わったから王様から何かこれからの事を言われるのだろうか

そして、王様から聞いた事のない名前も聞けるのだろうか?

そのよう期待を込めながら歩いて行ったけど………


「王さ……………いないか…だよな…」


謁見の間は誰もいなかった、玉座は空っぽで規則正しく並んでいた近衛兵も1人もいなかった

空っぽの謁見の間はこんなにも寂しいものなんだろうか?この異世界で来た場所の中でも一番広く見えてしまう

この場には俺と品子さんはと蜜巳さんと、カイザムさんとナリアンさんとガリウスの6人

学校だったら1つの班になりそうな人数だけど、それでも広く感じた


「どうしたの?千斗?」

「いやぁ、最後の仕上げも終わったし勇者として

こういう時に王様とちょっとは話したかったんだけどな」

「いない……みたいですね………」

「ギリギリまで…………説得しましたが………」

「カイザムさん?なんて?」

「いえ、何でありません」

「……そうか、深くは聞かないでおくよ」

「それでよろしくお願いします」


俺は難聴系主人公ではない、気になることがあったら踏み込むような事でもない限り詳しく聞くつもりだ

さっきの「なんて?」は「なんて言ったの?」という意味ではなく「どうゆう意味だ?」という意味で聞いたけど誤魔化された

ギリギリまで説得か……昨日「会わせられない」と言っていたけど、カイザムさんからしてみたら会わせたい気持ちがあるらしいようだ、王様は勇者にトラウマを持っているらしいけどそれを克服するために合わせたかったんだろうか?

この場合だったら、踏み込むのはやめておこう


「えー勇者の皆さん

本来の予定とは少しずれましたが、皆様へこれから大切な話があります」

「本来の予定って?」

「予定より早くなった事ですね」


多分…王様が本来この場にいたはずだったんだろうな

防衛戦を通じて「最後の仕上げ」が終わって

こういった場で王様から直々に……ていうのが本来の予定だったんだろう


「勇者方、昨日は最後の仕上げが終わりました

それによって皆様は旅立てる準備が整いました」

「いわば、1人前になったという事か?」

「はい、皆様本当に本日までお疲れ様でした」

「やったね!みーちゃん!」

「はい………しーちゃん!」

「なので

あなた達にこれからすることをお伝えします」


これからする事、異世界に来て2日目に王様からいくらか聞いた事はあったけど

改めて詳しく話されるという事かな?


「王様からの話があったように、勇者様方にはまず

世界中の国に行き、世界中に散らばったアミルクリスタルを集めていただきます

その後には集めたアミルクリスタルを使って空にある魔王城へ向かってもらいます」

「アミル………クリスタル………………世界のどこにあるか………分かるのですか?」

「それも含めて説明させていただきます

グラーフィアは、ここ王都セカンドルト以外にも7つの国があります

アミルクリスタルはそれぞれの国に1つや2つあります、なのですべての国を回ってもらいます

けれども、手に持つほどの大きさのアミルクリスタルをこの広い世界で探すのは非常に時間がかかりますし、非常に苦労します」

「それでなー、そのアミルクリスタルを探すための魔道具を渡すよー」


魔道具、今までチラチラと話を聞いていたし

ナリアン先生の買い物のお勉強でちらりと見たことがある

本格的に扱ったのは休日の時だったけどその時に使ったのも違うだろうか?


「魔道具ってそういえばあまり聞いた事なかったな、少しだけ使ったことはあるけど」

「あー簡単に言えば、魔力が込められている道具ってことだ

どれだけの種類があるか分からなねーけど、便利なものが多いんだー」

「一般的に流通しているのか?」

「え?ああそうだな?どこの家庭にもあると思うぞー

チキュウではマナが無いらしいから興味あるんだな?」

「そうだな、まあ、これから冒険していれば色々と見れるかそれで知ることにするよ」

「ああそーしてくれー

魔道具って色々あるから説明が面倒で……」

「うぉっほん!!」

「やっぱなんでもねー」


ナリアンさんの大きな咳によるお叱りを聞きながら、少しわかったことがある

魔道具って作品によっては希少品だったりする場合が多い、それも貴族レベルではなくその上をいく王族にしか扱えないとか……

でもこの世界では、マナは結構自由に扱えるから魔道具も自由に作れるっぽいな

一般家庭にもあるってさっき言っていたし


「改めて言うけど、アミルクリスタルを探すための道具って言うのはこれだ

セントは見たことあるよんなー」

「え?何のこと?」


そう言って取り出したものは……円盤状の物?

どっかで見たことあるような……


「千斗?これを見たことあるの?」

「ちょっとまって、なんか頭の中に引っかかているけど思い出せそうな……えっと」

「ヒントはー、休日だ」

「あ!もしかして、あの盗人4人が持っていた奴か!」

「そうだー」


説明を後回しにしていて、結局いつの間にか忘れてしまったけど

そういえばあいつらから取り返したあれか!


「傷が入って申し訳ないんだけどなー」

「盗人たちが傷が何とか…言ってたな?」

「オーよく覚えているなー」


アレは…ちょっと嫌な記憶だから覚えていた

別に何かあった訳じゃなく最も嫌いな作品のワンシーンみたいな様子だったからというだけ


「これはなー簡単に言えばアミルクリスタルの位置が分かる優れものなんだ

傷はついているけど、取り合えず動作には問題ないぞー」


そう言われて俺に渡してきた、見た感じは大きめのガラスのレンズで首にかける用なのか紐もついていた


「首にかければいいのか?」

「ああそうだーそれ1個しかないから気を付けろよなー」

「他のは………………無いんですか………?」

「あーえっとー、無くしたって思ってくれ」


ガリウスの怠惰だったらカイザムさんやナリアンさんにツッコまれたり叱られたりするところだけど

2人は目を逸らしていた

普通に無くしたのとは違った理由があるんだろうか、この前まで盗人に取られていたからアミルクリスタルを探す事が出来なかったのかもしれない


「使い方は簡単、その魔道具越しに周囲を見ればアミルクリスタルのある場所が光るんだ

アミルクリスタルの強いマナに反応して見えるんだ

試してみな?今俺は乳白色の1つ持っているから」

「そういえば、白い石みたいのあったね!」

「ああ、分かった」


その魔道具(レンズ)を使って兵隊長の手にある乳白色のアミルクリスタルを見てみる

品子さんも蜜巳さんも後ろに立ってその様子を見ている

アミルクリスタルを見てみると、確かに光っていた白色の光のもやが見えており

兵隊長がもう片方のの手でアミルクリスタルを包んだけど、それでも光って見えている


「その光はなーどんなに遠くても、壁とかがあっても見えるんだー

ここ以外にも周囲を見てみな?見えると思うぞー」

「ガリウスは大丈夫なのか?アミルクリスタルってこの世界の人が使ったら体がやばいって王様が言っていたんだけど?」

「持っているだけだから、大丈夫だー」


そう言われてレンズを目に当ててグルグル回って見ると、カラフルな色の光のもやが見えた

けれどそこにある乳白色のアミルクリスタルとは違って「目立つけど小さい」って感じの光だ、そこにあるのが「乳白色」と言うぐらいだから様々な色があるのだろう

周囲をぐるりと見渡してみると、その数は……8つ、それらは地上にあるらしい

何となくだけど魔王城って「魔」って書いてあるぐらいだし、アミルクリスタル並みの魔力はあるのだろうか?と思って覗いて見たが…特に光っていなかった


「どうしたー?魔王城にアミルクリスタルは無いぞー」

「なんとなく気になっただけですので」

「じゃあ、それで探しに言ってくれー」

「……あれ?」

「ん?」

「おかしい…………な?」

「あれ?勇者たちはこういう時、『はい』って言って俺が『偉いぞー』っ言う感じゃないのか?

何か質問があるのかー?」

「アミルクリスタルは?」「それを渡さないの?」「その……アミルクリスタルを?」


3人共同じ疑問を持ったのか、同時に話して被ってしまった


「ゴメンね二人とも!」

「しーちゃん…千斗さん……ごめんさない」

「悪い2人とも!」

「あー取り合えず3人が何言ったか分からなかったけけど、何を言いたいか分かった

要は今、俺が持っている乳白色のアミルクリスタルを持たせないのか?って事だろ?」

「ああ、まだ使ったことは無いけど

これから国の外に行くなら強くなるに越したことがないと思うのだが?」

「あーえっとー

すまないなーこれはまだ貸せないんだー

怒らないでくれ、王の命令って奴なんだ」

「みんなは使えないんでしょ?体が持たない…だっけ?

だから持っていてもしょうがないんじゃない?」

「あーそれはまー」

「みーちゃん………王の命令なら……………しょうがないよ」

「すまんなー

引き下がってくれて偉いぞー」


まあ、多分だけど

3人からは信用されてはいるけど、王様からは信用されていない

というか、自分達の事を知ろうとしてない状態だ

さっきの魔道具は1つだけで、この国にある唯一のアミルクリスタルを渡してしまったら

使うことが出来なくても、縋っている物が無くなり絶望してしまうのかもしれない


「続いて、皆さんの武具についてです」

「あ、ああ

そういえばマクスラスって名付けてたけど、この槍は元々は王城の武器の一つだよな?

返さなきゃいけないよな…」

「大丈夫ですよ!

使い慣れた武器で戦いたいでしょ?」

「え?いいのかナリアン先生!?」

「よかったね!千斗!」

「ああ、めっちゃうれしい!これからもマクスラスと共に行けるなんてな!」

「兵隊長がガサツに管理ををしていますが、武器はたくさんありますから」

「一言余計だぞ神父様ー」


これは非常にいいニュースだ!マクスラスとお別れになる一番の懸念があったからそれが解消されたのはありがてぇ!!


「でも、その代わり

いい格好をしてもらいます!」

「いい…………恰好……ですか?」


そう言うと、ガリウスとカイザムさんが何か持ってきた

それは、鎧か?鎧立てに付けた感じの?頭以外の甲冑がある!

普通に中世の鎧は20Kgから25Kgはあったらしくて非常に重いはず…でもマナのおかげで2人で軽々しく持って来た


「えっ!?カッコイイ!」

「すごい!!これなら守れるね!」

「……でも……重そうで……着れるかな…」

「手伝います」

「手伝いますよ?」

「手伝うぞー」


服の着替えという訳ではないので、その場で付ける着替えることになった

俺はガリウスに、品子さんはナリアンさんに、蜜巳さんはカイザムさんに手伝ってもらいながら

以前までの冒険者っぽい衣服は肘と膝のみを守っている格好だったけど

膝当てと肘当てを外して布の服だけになり、鎧を装着をする

見た感じは重いと思っていたけど、体に感じる重さは全く感じなかった

なんだか、ワクワクしてくる、物語でしか見たことの無い装備を付けられるなんて嬉しい

それに、全身を守れている感覚になんだか安心感も沸いて来る


「お前たちの体に合わせるのに時間がかかってすまないなー」

「へ…へへっ…兵隊長?」

「どした?笑いながらどしたん?」

「笑っているのは気にするな、鎧のカッコよさで笑っているだけだ

それで、これって頭の装備は無いのか?以前ここで謁見をしたときに見た兵士が兜を付けていたのだが??」

「あーハッキリ言うと、視界が悪くなるからあまり付けたくない

動かないタイプの傭兵や兵士ならいいけどーこれから冒険するならやめた方がいいし

セントはその槍で動きまくるし、勇者アキハラシナコは突撃をするし、勇者コヌマミツミは矢を使うなら視界が1番大切だ

どうしても欲しいなら持って来るか?」

「いや、大丈夫だ

本当に玲香に見せたいな…」

「その彼女さんと早く会わせてやりたいよー」


3人の鎧を付けてみて、ちょっと動いてみる

その場でジャンプしたり、手をにぎにぎしたり

普通に服を着ているのと変わらない、カッシャンカッシャンと音は鳴るけどそれ以外に違いは……

取り合えず守られている胸の方をちょっと叩いてみると、普通にコンコン言って硬くてちゃんと守られそうだ


「皆さん似合っています!」

「すごいよ!これもすっごく動きやすい!」

「はい…………服とそんなに変わらないです……………」

「すげえ、これいいな!」


特に色などが付いているわけではない普通の鉄の色をした鎧だけど、それでもファンタジーに憧れていたからこそ、本当に最高の気持ちになっている!!


「気に入ってもらってよかったです!!

……ダサいとか言われなくて良かった、」


何か噛み締めるような言い方をしていたけど、以前に言われていたのだろうか?

何となく、今までの様子を見て「怯えている原因」からって予想しておこう


「さて、まだ私からも説明することがあります」


カイザムさん、ガリウス、ナリアンさんと来て、再びカイザムさんが話すことになった

他の国に出発するまでの時間

もしかすると、3人と一時的な別れの時が刻一刻と迫ってきているんだろうか?

効果の高い装備=露出が高い

なんてご都合主義は一切ございません

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