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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
プロローグ・王都セカンドルト

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27/58

弱点はある、空にいる

第2の魔物軍

小物の魔物はあまり数はないけど代わりに飛んでいる魔物がいるらしい

そいつらとの実戦経験は無いけど、戦えるはずだ


「また前に出ます!」

「またみんなは、同じように戦ってて!」

「分かりました勇者様!」


そう言ってふたたび、切りこんでいくことにした

1群の時は空回りした声を出していたリスト隊長も、とても元気な返事が聞こえて来た

…俺たちから脅威を感じなくなったからかな?


「行くよ!千斗」「行くぞ!品子さん!」


声がハモりながら、全力で前に進んでいく

小物の魔物は、さっき見た奴らと変わらない問題は空にいる魔物だが…


「っ!?品子さん!右へ!」

「えっ!?分かった!」


あることに気がついて品子さんに避けるように促す

俺は左へ、品子さんは右へ走って言った瞬間


「キャッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


頭上から魔物が急降下してきた

鋭利な何かを構えたまま地面を抉って来た

この抉られ方は、もし当たっていたら体の一部が無くなっていてもおかしくない

冷汗が少したれる


「うわぁ!ありがとう千斗!危なかったよ!」

「どういたしまして!でもまた来るかもしれないから気をつけたほうがいいかも!」

「一応、私は受け止めてみるから」


さっき急降下してきた魔物はあっという間に届かない所に飛んで行った

外見は腕とコウモリのような羽が一体化している闇落ちしたハーピィのような外見をしていた

一瞬分かったけど、まるで腐った肉のような匂いもして皮膚がぼろく見えたからゾンビのような外見をしていたのかもしれない

そして突き下ろしてきたのは多分、鷹のような鋭利な足だろう飛んでいくシルエットから想像するしかないけど


「うお!?」

「りゃあ!」


さっきまで遠くにいたのに一瞬でまた降りてきた

やっぱり爪を突き出して降りてきている

見ていればかわせる速度ではあるけど、さっきのように視界外から襲いかけられたら直撃してしまいそうだ

品子さんは何とか受け止められたらしい……って?!


「うわぁ!?」

「きゃぁ!?」


飛び降りただけでなく両手の羽を振り回してきた!?

マクスラスをとっさに構えたけど範囲が広くて守り切れない!

羽は普通にひっぱたかれるような硬さで普通に痛い


「千斗大丈夫!?私はなんとか守ったけど!」

「大丈夫だ!痛いけど動ける!

ってか喰らいやがれ!」


羽を振り回していた魔物に槍を突きつけるけどまたもすぐに飛び立たれてしまった

これだと全く攻撃を当てることができない!?


「てぇぃ!ダメ!私も当てられない!千斗!魔法っていける?!」

「試してみる!品子さんは小型剣に持ち替えてみて!」

「分かったよ!」


品子さんは小型剣に持ち替えて、俺は一旦マクスラスを背中にしまって魔法に集中することにした


「こうなったら!

寄れ、貴様の死の運命を」

「いけるの!?」

「たぶんな、貴様が接近した時が死の………」


詠唱……と言う名の待ち構えをしていたら接近してきた


「死の瞬間だ!アイズクローズド!」


近寄って来たのを待ち構えるように水の刃を出して貫いた

刃に突撃するのはむしろ斬られに来るような物

こっちの攻撃が当たらないならこの手段を使うのがいいかもしれない


「シャア!?」


思った通り刃に当たって片足を少し切断することができた、更には…


「えいや!」


ちょっとした怯みを見た品子さんが小型剣を持って突撃

もう片足も切断をした、これで……


「これで突撃する攻撃が防げたかも!ありがとう!」

「こちらこそ!隙を作ってありがとう!」


これなら一方的に空から攻撃なんて来ないはず………


「って?そういえば鳥って足がないと着地できないのかな?」

「そのはず、さっきのような足の爪突撃はしてこないは……」

「っ!?さがって!私の後ろに!」

「えっ?」


何かに気がついた品子さんはいきなり盾を持って前に立つ、何が起きて…

と思っていると…いきなり周囲が熱くなった!?

品子さんが盾で守っている先の部分が突然炎の包まれてっ!?いや、何か爆ぜたようだ!?


「っ!?あっつい!」

「品子さん!?大丈夫か!?」


攻撃ではない水魔法を品子さんの前方にかける、これで品子さんが手を火傷しなきゃいいけど

難しいならせめて緩和してくれ!!


「あっ……ありがとう!」

「いや、守ってくれてありがとう!」

「無事か!?火傷していない!?」

「大丈夫、ちょっと熱かっただけ!盾も平気だよ!」

「そ…それなら良かった」


爆発した何かが終って前方を見てみると、さっき両足を切り落としてた魔物は…火の魔法を放っていた

以前実践訓練で魔法を放つ奴と戦ったことはあったけど、あれは非常にズサンな魔法で弱弱しいキャッチボールのような速度と威力だったけど、それとはまったく違ってて飛ぶ速度も熱量も…そしてぶつかると爆ぜる

こんなの直撃したら一瞬で命ごと吹き飛んでしまいそうだ


「千斗!魔法って届かない?」

「……くっ!?」


ちょっとがむしゃら気味に魔法を放ってみる、爪攻撃の時に比べたら見える所で飛んでいるから水の槍を召喚して放ってみる

…だけども簡単に回避された

なんとなく予想をしていた…


「かわされっちゃった!?」

「やっぱりこうなるか…」

「そうなの!?」

「ああ……俺の魔法攻撃はあくまで中距離、ドッチボールのボールを投げるようなものだ

まだ練習が足りないからあそこまで遠くを攻撃しようにも届かないし、まだぶれているんだ」

「そうなの!?私は全く遠くを攻撃できないからどうしよう…」


自主練の時に色々と試してみたことがある、その1つに「自分はどれだけ遠くまで魔法を放てるか?」というものがあった

距離とかを試してみて分かったのは、持った石を投げたぐらいの遠さだったら狙った所に当てることはできるけど、それよりも遠くとなると狙いがぶれたりしてしまう

それにこれは感覚の話になるけど、投げたボールはどんどん勢いが弱くなっていく…それと同じように放った魔法もどんどん勢いが弱まり最後には地面に落ちてしまう

魔法はちゃんと勢いがあるから、真っすぐ無限に飛んでいく等速直線運動というものはない

さっき魔物に放った水の槍も放物線を描いてそこら辺に落ちていった


「私は待ち構えて、降りてきたら攻撃をしようと思ったんだけど…」

「一方的に魔法を放たれてしまっては来るかどうかも分からないな、こいつは」


飛んでいる魔物は余裕なのか挑発なのか「キッッシャッシャッシャ」と円を描きながら飛んでいる

挑発は余裕がないから一切気していないけど、逆に隙だらけだ

何となく心配になってリスト隊長たちの方を見てみる


リスト隊長たちは他の飛んでいる魔物を「弓矢」で攻撃していた

それをみて俺は気がついたことがある


「……ねえ、こんな時になんだけど

私ね、ガリウス兵隊長が行っていた『自分達の弱点』ってわかった気がする」

「ああ……正直俺もだ」


品子さんまでその弱点に気がついたようだ……


「俺たちには遠距離武器がないことだ…」「私たちには遠くを攻撃できないことなんだね…」


でも、その弱点に気がついたところでどうしたらいいか分からない

しかもその弱点に気がついたのはぶっつけ本番の防衛戦の時だ、とんでもなく手遅れすぎる気がする


「だったら…克服とまではいわないけど、できない成りに足搔いてやるしかないな!」

「足搔く、でもどうするの?」

「遠距離攻撃をできないならできない成りに…どうにかする!」

「分かった!

って何をしたらいいか結局分からない!」

「正直に言えば、何も思い浮かんでない!」

「じゃあ私もできないなりに何かがんばって考えるよ!」


とはいった物どうしたらいいものか、品子さんの補助魔法で身体能力が上昇していて、さっきの大型魔物戦のように棒高跳びをしたとしても届きそうにない

だったら、両方を組み合わせたら行けるか?

これもぶっつけ本番になるけが、いや、実際の戦闘は何でもぶっつけ本番

ぶつかって砕けろと言うレベルで行かないとこの状況を打開は出来ない


「空へ!」

「また飛んだ!でも届くの!?」


品子さんの心配していた通り、やっぱり届かない…でも地上にいた時と比べると飛んでいる魔物に近くなった、この距離で魔法を放ったら行けるか?

だが飛んでいる状態で魔法を使うのは、ただでさえ空中で制御が効かないから、うまくいくか分からない

それでもやってみるまでだ!

飛んでいる魔物へ向けて手を伸ばす、大型の魔物に不意打ちをした時のように自分よりもちょっと離れた所から再び水の槍を出す


「喰らえ…スカイエンドロア!」


自分が出せる限界の離れた位置で、更に限界の速度で放つ

魔物はこちらに気がついていたけど……


「キッシャ!?」


思った以上の速度で来たからなのか、回避できずにその体を貫くことができた

思いもよらない攻撃に魔物は墜落するけど……


「やっばっ、ああああああああ!!!」


魔法は撃ったら反動が来る、地上で放つのは慣れていたから大丈夫だったけど不安定な空中ではやったことはない、それにいつも以上に威力強めに放ったから離れた所に撃ったとしても反動も大きくなる

いま自分は上を向いているのか下を向いているのか分からなく視界がグルグル回る

やばい!?どう受け身を取ったらいいか分からないからこのままでは地面に激突してしまう!

……あ、なんか白い姿が……玲香の姿が見えて


「せんとおおおおおおお!!」


グルグル回っている視界にチラッと見える姿が、急に手を取られて体勢が戻った!?

でもこれなら受け身を取れる!

着地すると同時に前転して何とかなった


「はぁ…ハァ…マジで死ぬかと思った、走馬灯で玲香が見えた……今のは?」

「千斗?大丈夫?今1回飛んで千斗の体勢を何とかしたけど、怪我ない?」

「え?マジか!?ありがとう、本当に助かった!」

「無事ならそれでいいよ!それに」


と話していると「ズドン!」と大きな音がして魔物が墜落をした


「千斗のおかげでこれなら私も戦えるから!」


地面に置いていた大楯と大剣を持って……まさか俺を助けるのに、武具を両方地面に置いていたのか?!

大急ぎで迫っていき、墜落した魔物に大剣を振るって行く

大剣を扱って再び飛び立たないように頭に振り下ろした

念のために俺も槍を持って近寄ってマクスラスの刃を部分で翼を切り刻んでいく

けれども懸念だったのか、品子さんの一撃で動かなくなった

……1回挑発されたからチョコッとスカッとしてしまった


「ふぅー、終わった!千斗!撃ち落としてありがとう!」

「ああ、本当にな……どういたしまして…」

「大丈夫!?どこか怪我した!?」

「いや、ちょっと疲れたかもしれない……」


高所恐怖症って訳ではないけど、マジで落下で地面に衝突しかけたのは結構恐怖を感じた

玲香と過ごしてきた走馬灯が見えた気がしたし

その恐怖感が心労となってきているのかもしれない


「えい!」

「あっ回復ありがとう、でも大丈夫か?品子さんはずっと補助魔法も回復魔法もずっとやってて…」

「うーん…でも、意外と平気だからまだまだいけるよ?」

「それならいいけど、無理はするなよ?」

「千斗も思い切ったことをしていたけど無理しないでね!」

「ああ、もちろんだ」


まあ、さっきの棒高跳びからの魔法が効かなかったら…もう1つやろうとしたことはある

品子さんが盾を空に構えて、そして俺は盾の上に乗って品子さんのシールドバッシュの反動で飛び上がるという、キャプテ○○の兄弟がやっているやり方もやろうとしたけど

多分品子さんは「無理しないでよ!」という理由で断りそうだし

それにやったとしても品子さんのパワーを考えたらもっと高く飛べそうだが、高すぎて受け身をとっても死ぬ可能性があると思ったからこのやり方はやめておこう、さっきのも結構博打だったし


「そう言えばリスト隊長達は……今でも魔物と戦っているか、弓矢を持って

やっぱり飛んでいる奴らは遠距離武器が無きゃマトモにっ……」

「千斗!千斗!また来た!」

「なに!?」


品子さんの声を聞いて振り向いたら……さっき戦っていた飛んでいる魔物が2体、しかも小型の魔物も何体もいる

まずい、普通にこの数はキツイかもしれない

それにちょっとこちらは消耗しているし


「どれから倒したらいいかな?」

「えっと、とりあえず頭上からの攻撃に気を付けながら小型の魔物を殲滅しよう、上下同時に見ることは出来ないから!」

「分かった、大剣で薙ぎ払ってくる!」

「俺もマクスラスで行くぞ!」


勝てるか分からない、それでも戦わなくてはいけない

俺たちは戦う、元の世界に帰るためにも、愛する人の元に行くためにも

そして、ここを守るためにも!


と気合を入れた瞬間、後ろから矢が飛んできた

その矢は俺のさっき放った魔法の槍よりも飛距離も長く速度も圧倒的に早い

何本もの矢が飛んでいる魔物へ向かって行き、避けようとしたその体を貫いた

それも1体だけでなく2体とも貫き、落ちてくる


「え?!」

「リスト隊長か!?」


そう思って後ろを振り返ったら……主人公がいた

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