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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
プロローグ・王都セカンドルト

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25/58

大軍はいる、大物もいる

兵士と傭兵が横に並んで武器を構えている

勇者の俺たちはその前に立ってしっかりと様子見をする

城壁の上の方にいた望遠鏡のような物を覗いている兵士が大きな声で呼びかける


「数は……非常に多いです!小柄の敵でも100体はいます!」

「ひゃくぅ!?」

「千斗!ここは蹴散らすしかないよ!」

「そうだな!」


リスト隊長は驚いていたけど、俺たちは怯えるワケには行かない

正直、1対1とか1対2とかの人数しかやったことは無いけど、こちらにも人数はいる

俺たち以上に戦いに慣れている人が多いはずだ、変に乱戦になって仲間の攻撃が当たったりしなければ戦えるだろう


「品子さん」

「どうしたの?」

「これだけの人数だから、一緒に戦っていたら誰が味方で誰が敵か分からなくなるほどごちゃごちゃになる可能性がある、兵士と傭兵は慣れているからしっかりと戦うと思うけど、俺たちはちょっと離れた所で戦うのがいいかもしれない」

「さっき言ったように蹴散らすのがいいの?」

「ああ、前に出てとりあえず魔物と戦えばいいと思う、それだったらお互いを気を付ければいいだけだと思うし、俺たちが逃した奴は兵士たちがやっつけてくれると思う」

「分かった!こういう時ってあれでしょ?『背中は任せた』って行くことでしょ?」

「……多分あっている」


正確には後ろから魔物が来るわけではないから間違ってはいるけど説明している余裕はないので適当に相槌を打っておく


「ああ!?来てるぞ!?」


リスト隊長のその声を聞いて、いよいよ肉眼でも見えるような距離にやってきた

地平線のその場所に見えてきたけど、ワラワラとその魔物という名の化け物の姿が見えてきた

目が複数あったり、口が耳にまで裂けていたり、生き物としての姿をしていなかったり…俺たちが戦った魔物もいればそうじゃない魔物もいる、だが結局は化け物と相違ない姿をしていた

ファンタジー作品では人型で頭が何かしらの動物を模倣していたりとかの姿が多い物ではあるけど、あくまで五感に必要なパーツはあれど、数が多かったりして不気味に違いない

もはやは顔も無いトゲだらけの形をしていたり、目のような物が頭に一周付いててたりと…よくもこんなにもおぞましい姿になれるものだ


「弓兵部隊!魔法部隊!構え!」


城壁の上の方からそのような声が聞こえる?何かを準備しているのか?


「勇者様方、前に出たい気持ちがあるかもしれませんが一度お待ちください」

「え?分かったよ?」


張り切っていた品子さんは1回武器を収めて様子見をし始めた

俺もマクスラスを構えながら待機をする、弓兵と魔法って言っていたけど攻撃をするのか?


「撃てぇー!!」


一定の距離にまで入った瞬間にその掛け声と共に、城壁から一斉に極太の矢と魔法が飛んできた

大漁の矢と火、水、風、土、闇、光、魔法の玉が一斉に雨あられのように飛んでいき

それはもう美しい流星群のように見えて………


「すげぇ!?美しいいいい!!!」


勇者だけども興奮せずにはいられなかった、中二病にとってはあまりにも美し過ぎる光景

そういえばこういった魔法が飛ぶシーンは中々無いから生で見れて本当に感動している

大量に飛んで行った矢と魔法は魔物の軍団の方に思いっきり飛んで行って着弾する

魔法同士の組み合わせとかがあったんだろうか、様々な色の爆発が広がってみているだけでも威力がありそうだ、多少ばかりの地形にダメージはあるけど特に大きな問題はないぐらいだろう

爆発の砂煙がはれていく……魔物の数は結構減っていて半分は減っただろう、いくつかは矢を受けたり魔法を受けたような焦げたり貫かれたりした傷で倒れているし弱っている奴もいる

互いの心配などはしておらず、先に屍になった者共を踏み荒らしながらただ真っすぐこちらに迫っている

惨い光景だけど、ここ最近の訓練で何度か見た光景ともいえるから平気………いや、今回はぶっつけ本番に緊張もしているのか胸やけが少しする


「いっぱい倒したね!」

「あ…ああ」

「ん?千斗?大丈夫?」

「今更になって緊張してきたかもしれない、でも、奮い立たせて戦うよ」

「無理はしないでね!」

「ああ!」


この緊張感は今この場では枷になるから押し殺さなければいけない


「おお!弓兵部隊も魔法部隊も魔物軍の壊滅感謝する!

後は俺たちがの残りを殲滅すれば…

行くぞおおおおオオオオオ!!!」

「うおおおおおあああああああああああ!!!」


リスト隊長はちょっと声が裏返りながらも、兵士も傭兵も士気がしっかりと上がっていく

だけども、先ほどの魔物達は結構こちらに迫ってきていた

戦いの時間はいよいよ迫ってきている


「私と千斗は切りこんで前に出る!」

「俺たちもある程度、倒していくから後ろに逃げた奴らは任せます!」

「えっ?あっあ?あ!あああ!任せたァ!」


ここからは白兵戦になる、多分城壁の人達による矢と魔法は使い切ったんだろう?でも結構な数を減らしたのは本当にありがたい

俺たち勇者としてさらに数を減らしていかなければ

品子さんは緑色のオールバックを揺らしながら、大剣と盾をガッシャンガッシャン慣らして猛々しく魔物へ迫っていく

俺も軽く髪をかき上げながら槍を斜めに背中に構えながら魔物の元へ

土の地面を踏みしめながらも、突っ走っていく


「おりゃあ!せんてひっしょーーー!」


一番前にいたツノが生えた物体の魔物に思いっきりぶっ飛ばした

派手に飛びながら後ろの魔物も巻き込んでいく、結構な迫力があって……気持ちが高ぶって………なんだ?胸騒ぎがする、嫌な予感がする訳じゃないのになぜだ?

いや、この場所で変な考えを持ったら命取りだ


「俺も行くぞ!」


そう言いながら、マクスラスを正面に構えて突撃

近くにいる目の多い魔物を貫いて、何匹も串刺しにして振り払って勢いよくやっつけていき……


「うっ……!?」

「千斗!?」


急激に吐き気がした、それと同時にようやく先ほどの胸やけや胸騒ぎなどの正体が理解できた

今まで実戦練習で慣れてきたと、感じなかったと思っていた罪悪感が急激に来た

でもなんでだ?魔物との戦いの時は2体目以降から感じなかったはずなのに?

いや、思った以上に強くはない、押し殺そうとしたら押し殺せる

そう自己暗示のような事をかける、ここで足を止めたら死ぬ

死んでも生き返らせてもらうかもしれないけど、勇者の初陣として敗北したら…もしかするとセカンドルトの人達から失望されるかもしれない、死んだトラウマ以上に精神的に来ると思われる


「千斗!?せんとーーーー!」

「……っは!?」

「大丈夫?どうしたの?」

「いや、なんか、ちょっとこの匂いに吐き気がしただけだ」

「無理しないでね!私はどんどん戦えるから!」


品子さんに声をかけられてようやくハッとなった

俺がちょっと立ちすくんでいる間、品子さんは持っている大剣で俺の周りにいた魔物を薙ぎ払っていたようだ、男なのに足を引っ張って本当にすまない……


「あ、ああ!もっと行かせてもらうからな!」


自身を奮い立たせて、戦いに赴かないといけない…だったら


「我ならこの魔物はひとひねりだ」

「あ!ガーゴイル!」

「否!我が名はウルチィマ・ザニュ・ギャーゴイル……チクショウ!噛んだ!」

「む、無理しないでね!」


名乗りで噛むとか本当に最悪だ!でも恥ずかしさのおかげで罪悪感が和らいだ

もうこのままの勢いで倒して勢いで何とかしてやったる!!!


「生命の息吹よ、その息吹の頂点に君臨…っと

君臨せざりしは源の…ふん

源の根源よ……ってぁ!

詠唱中にうっとうしい!

クリアアクアランス!!!」


やっぱり詠唱中に魔物は待っているはずはない、だけども、回避しながらでも使いたくなるロマンがここにある!

さっきまで2匹がかりで攻撃し続けていた魔物2匹の体を水の槍で貫く、貫くだけでなくのそまま後ろの方にまで串刺しにして自分から距離をあるていど離していく

……チクリとした、けれどもちゃんと覚悟をすれば抑え込められる

この罪悪感が後で一気に来たとしても、とにかく今は目の前の魔物を全滅でも壊滅でもなく殲滅することが大切だ

ここに来て急に罪悪感が来た理由は終わってから考える

ちょっと動きが鈍っているのが自分でも分かるけどそれでも戦う


「千斗!後ろに魔物が行っちゃゃったよ!リスト隊長達倒してくれるかな!?」

「えーっと、兵士も傭兵も強いはずだ

倒せるはずだろう!」

「そうだね!それに私が補助魔法をかけたし!」


距離を取りながら後ろを見てみると、そっちにあぶれた魔物は思った通り傭兵や兵士たちが仕留めていた

街の方に行くことはなさそうだ、一番怯えていたリスト隊長も剣を持ち猛スピードで戦っている

やっぱり勇者に怯えていただけで、魔物に対しては相当強いのが分かる

誰もが身軽に魔物をどんどん倒しているから安心して戦える


「大丈夫そうだ、こっちはこっちで集中するぞ!」

「おう!」


一度深呼吸をして…


「調子に乗るなゲスな魔物どもめ」

「その調子!」


槍を構えて1回しゃがむ…


「品子さん!盾で守るか飛んで避けて!」

「おっけーい!」


さっきまで狙いが付きやすいように槍の真ん中あたりを持っていたが、逆に持ち手の端の方を手に取る

落としていた腰を軸にして遠心力を利用して思いっきりぶん回す


「よいしょー!」


品子さんは飛び上がって俺のぶん回したマクスラスは周囲にいた魔物を一斉に巻き込む

槍に感じた抵抗は、人体能力の上昇の影響か全く感じなくて軽々しく刈り取る事が出来て

マクスラスの刃部分で切り落としながら吹き飛ばす

振り回し終わって体勢を戻すと同時に品子さんは着地をした

……まだ心はチクリで収まっている、これなら問題なく戦えると思う


「すごい!結構な数減ったね!」

「ふっ、他愛もない……避けてくれてありがとうな」

「どういたしまして!」


さあ次は?と2人で待ち構えてくると、大軍の魔物は下がって行った


「退却か?」

「終わりってこと?」

「いや、そんな雰囲気じゃなさそうだ…」

「構えておくね!」


下がって行った小物の後ろから何かが来る………

それは巨体で、サイクロプスという外見が近いだろうか?

頭は角ばっていて、目は…いやそもそも顔が無いように見える

のっぺりとした顔の外見をしているが、その大柄の体は筋骨隆々でありとてつもないくパワーが有り余っていそうで…品子さんの補助魔法で体の強度を上げていたとしても一撃を食らったらたまらないだろう


「わー…私より大きいの初めて見たー」

「感心している場合じゃない!多分こいつらのボスみたいな奴だ」


少し周りを見渡してみるけど、その大柄の魔物は何体かいるらしいけど

そのそのうちの1匹がこちらに来たらしい

しかし……本能で生きている魔物かと思ったけど下がったりしている以上、知能は思った以上にあるらしいな

周りにいる小物の魔物は…今は襲い掛かってくることはなさそうだ


「品子さん!ゲームの知識だけど、大剣よりも小型剣を装備して!

大柄で力はあるかもしれないけど、動きは遅いはずだ!」

「分かった!デカいのは協力して戦うよ!」


そう答えると品子さんは大剣を地面に刺しておいて…いやカッコいいな!?リアルで見ると!

懐から小型剣を取り出した

大剣が壊されなかったら後で回収するつもりだろう

そして小型剣を装備した品子さんは外見があまり変わってなくても、立ち振る舞いは身軽そうだ

実際にここに来る前にやった品子さんとの模擬戦の時に速度は本当に早くなった、一撃強めの貰ったから魔物でも食らったらひとたまりもないだろう


用意をしている内に近寄って来た、近くで見ると結構な威圧感がある…

でもセカンドルトを守るためにも、死なないためにも負けるわけにはいかない

大型の魔物はこちらに歩いていたが、突然走り出した

でも品子さんの大剣を持っている時の突撃に比べたらそんなにも早くない

殴りかかって来るような動きをしている


「右行って!」

「分かった!」


俺と品子さんは左右に分かれるように避けると、地面に拳を叩きつけてきた

地面は少し陥没した、威力はかなりありそうだ…


「千斗!これって受け止めたらまずそうかな?」

「多分ヤバイ!出来る限り回避優先で!」

「ありがとう分かった!」


出来る限り早口で相談を終わらすと、魔物は拳をあげた

先制攻撃は何とか回避したけど、単純な攻撃だけなら勝機はありそうだけど

急な特殊行動をして来たらどうなるか分からない

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