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勇者はいる、主人公はいない  作者: 虹鳥
プロローグ・王都セカンドルト

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17/58

欲はある、不貞行為は無い

強制ではないがちょっと連れてるがままに路地裏を進んでいく

今は昼の前ぐらいだとは思うし路地裏の外では結構明るかったけど、進んでいくと段々雰囲気もなんか暗くなっていく

主人公とか「ん?なんか物音が?もめてる声が?」って感じにズカズカと入って行くけど普通に怖い

この異世界でいろんなものを好奇心で見ている俺も今は恐怖が勝っている


「怖いかー?別に引き返してもいいんだよ?

もしくは俺と話でもするかー?」


でも引き返す気がなんかないのはやっぱり好奇心が強いからなのかもしれない


「話ですか、気がまぎれるならしてみたいです」

「おっけー、じゃあ何の話でもする?」

「そうですね……」


急に話をふられても特には…って思っていると背中のマクスラスが目に入って思いついた


「俺たちの世界で武器を持ち歩いていると危険人物とみなされて捕まってしまう場合があります、銃刀法違反と言う言葉がありますので」

「じゅーとーほー…なんか持てないと守れなくて逆に危ない気がするね」


銃はこの世界にはないみたいだら銃刀法違反って言葉はこの世界に無いみたいだ、翻訳魔法があってもこの世界に無い言葉はそのまま聞こえるみたい………そういえば、狂気的に魔法を使いまくってマナが枯渇した時って翻訳魔法が切れて『本来の言葉』になるが、何回かガリウス兵隊長の言葉を聞いた時に「マナ」って言葉だけははっきり聞き取れた


「それを規制するための法律でして……っまあその話は置いときまして、カイザムさんから聞きましたがこの世界で武器を持っていることは普通なのは分かりました」

「あっちこっちに沢山いるしなー」

「そこで聞きたいのですが、武器や魔法を街中で使うことって……」

「あー別に使うものはいいよ、迷惑をかけなければー

魔法は攻撃以外にも便利な物があるからなー」

「分かりました。それで、例えば悪漢に襲われそうになった時に……

こちらの世界で言う所の『正当防衛』という、殺られるならこちらが殺る…ってあるのでしょうか?」

「正当防衛か、それならあるぞー

死んでも生き返るっつても殺されるのは誰だって癪だ

相手に殺されそうになるぐらいなら魔法だって武器だって容赦をしなくていい、目撃者がいればそれでいいし悪いやつは犯罪者の時が多いから倒せば褒美をもらう可能性だってあるんだー」

「……指名手配犯とかもあるのですか?」

「そうだなー、お金が出るから賞金首ともいうかもなー

冒険者の依頼でもあったりするし、傭兵とかに通報とかもあれば駆けつけるし」


そういえば、ガリウスさんは「兵隊」長で「傭兵」とは違うんだよな……


「なるほど……そういえば、兵隊と傭兵って何が違うのですか?」

「あー簡単に言えば、王城に配属されているのが兵隊、街で治安を守っているのが傭兵って感じだ」


こっちの世界で言えば、お偉いさんを守るSPが兵隊、街を守っている警察が傭兵って思えばわかりやすいな


「さて……おや?勇者ソラアミセントが好きそうな場所に付いたぞ」

「え?俺が好きそうな場所ですか?」


前を歩いていた兵隊長が指を差しながら止まる

少し前に出て見ているけど…………それを見たとたん


「……あいてっ!?」


マクスラスの手持ちの部分で兵隊長の足を思いっきり叩いた


「いってー?!君そこまでする!?」

「そこまですると言いたいのは俺の方です、なんですかここは!」

「なんでって?異世界人も男なら大好きな風俗………」

「俺から『元の世界に彼女がいる』って前に言いましたよね?もう一発貰いたいですか?」

「わーった!これ以上はやめてくれ!」


まあ…簡単に言うと、店の名前が思いっきり卑猥ワードてんこ盛りな名前をしていて、なんか呼び込みを行っている女の人がいた

すぐに目を逸らしたから詳しくは見てないけど肌色が多かった気がするけど未成年者だし彼女持ちだしこれ以上視界に入れてはい

チラ見だけでこれだけの情報量だ、兵隊長が言う前から風俗なのは一瞬で分かった


「はぁ…異世界人でも欲求はあると思っているし?下手に発散できない状況だから気を使ったつもりだったんだけどなー」

「ここに呼ぶために俺を連れて行ったのですか?倫理観を疑った方がいいのですか?」

「ちがうちがうちがう!正直言うとここは通過点だ!勘違いしないでくれ!」

「はぁ…分かりました、それでしたらいいですけど」


そう言って再び俺たちは歩き始め


「あら!兵隊長さん!今日はお休み?またサービスする?」

「あーわりい、ちょっとこの先に予定があるから…また俺からサービスすっから」

「ええー、でも分かった待ってるよ!ところでそこの少年は………」

「すいません、俺はこの世界では20歳ですが元の世界ではまだ17歳なので

それに彼女持ちなので」

「あ…よく見たら勇者様、すいません!」

「いえ、お気遣いなく」


行儀悪いけど目は合わせられない、チラ見であっても肌色面積が多いのが見えたから

まあ、実を言うなら別に風俗とかの売春に関しては合意さえあるなら別に俺はご自由にどうそ?と思っている、風俗そのものが悪いとは思ってないから自分の価値観を強要はしない、俺自身は絶対に行かないだけだ

…てかこのやりとり、さては兵隊長は常連だな


そういえば思い出したことがあったけど

俺は彼女の玲香がいるけど玲香自身は俺がセンシティブなことに触れることに関しては実は寛容的である

…まあ要は風俗や浮気などのような直接的な事はダメであり、間接的な本を読んで致す事は大丈夫と言ってた

俺も別に玲香がそのような本を読んでいることは別に平気だし何なら借りたこともある

アニメとかも「そう言った」シーンのあるやつを見ることも自由だ

玲香曰く…「三代欲求の1つを縛るとか召喚主のすることじゃない、人間としてもダメだ」って言っていたけど多分それは建前で本当は…読んでいた恋愛作品で彼氏の性欲を縛りまくった所、愛想つかれて浮気をされてしまう作品を読んでしまったというシーンを見てそのような考えに至ったと思う

俺も読んでいたマンガでその展開を見て切った、自身は決してそんなことはしないけど


「……!…………!」

「ん?なんか声が聞こえる気が?」

「勇者ぁーちょっとここから先は声の大きさを抑えてくれー」

「えっ…はい」


急に兵隊長も場の雰囲気も暗く変わってきた

一体なんだろうか?

兵隊長の歩きも普通の徒歩からなんだか忍び足のような歩き方になり、俺もなんだか声を潜めて歩き方肩を忍び足になってしまう


「なにか?知っているんですか」

「あー俺の目的は多分これ」

「目的?ヨコシマな事じゃなくて?」

「俺は兵隊長だぞ?いっつもサボっている訳じゃねえよー」

「え?つまりはこれを駆けつけて来たのですか?

……でもガリウスさんは傭兵ではなく兵隊長では?」

「城に関係していることだからなー」


城に関係?路地裏にあるのか?王城の秘密通路とか?

そう考えている内に曲がり角に差し掛かった瞬間に兵隊長はスパイや忍者の如く曲がり角から顔だけで身を乗り出して様子見を始めた


「今は飛び出さないでくれよ?見たかったら俺の下から覗いてくれー」

「わ、分かりました」


兵隊長の下から俺は顔を出して覗き込んでみる

そこにいたのは男2人と女2人の人間がそこにいた

よく見えないけど、なんか揉めているのか?


「おい!なんだこれは!傷があるじゃねえか!」

「知らないわよ!元々あったんじゃないの?」

「こんなの約束と違うじゃねえか!おめえに払えるのはこれだけだ!」

「銅貨一枚!?こんなの割に合わなすぎるわよ!だったら物を返せ!」

「いーや返さねえ!金払ったからこれは俺たちの物だ!」


…なんか、俺が現世で読んだ作品の中で1番最悪の作品で見たことあるような光景が広がっている

優しい人が多いこの世界でもやっぱり犯罪を犯す人っているんだな


「こんな人目に付かない所で、何かの取引………闇取引ってさー君の世界にある?」

「もちろんあります、物語の中でも………多分現実でもあると思われます」

「そうだよなー普通に違法なクスリとか盗品だったら傭兵が行くところなんだけど

あーあの取引をしている物は城の物なんだ

アイツらを捕らえるために俺はここに来た」


城の物?もう1回確認してみるけど手元に見える物は……円盤型の何かが見えた


「どういった物ですか?」

「早く捕まえたいから説明は後だな、まあ、勇者達なら後々にお世話になると思うしなー」

「お世話に?」

「んでま、俺は今からあいつら4人を捕まえるつもりだけどさー

君はどうする?」

「え?どうするって?」


何の話をしているのだろうか?

兵隊長が1人で4人も相手に出来ることに驚きなんだが


「俺は今から行く、君は俺と一緒にこのまま戦うか?それとも後ろで安全に待機するか?

俺は別にどちらでも構わないぞー?正直なのが偉いからなー」

「戦っ…!?えっ!?」

「俺と手合わせとかカカシとしか相手してないだろ?

実践訓練はいつかすると思っているけど、今ここでやってみるか?

なあに相手は盗人だ、多分そんなには強くないしヤバかったら俺が守るよー」


今ここで……確かに、この町で訓練が終わったらアミルクリスタルを集めるために街の外に出るだろう…そこで魔物との戦いがあると思うけど、悪意を持った人との戦いにもなるだろう

そのためにも今ここで経験するのも悪くないけど

自信があるかと言われたら正直微妙なレベル、でも……


「こんなこと思うのはおかしいのは分かりますけど………」

「お?なんだ?行ってみろ?正直なのは一番だからなー」

「実戦経験を、やってみたいです

初めて武器を持ったときは誰かを攻撃することに躊躇はありましたが………

正直……実践をしたくてなんかワクワクしている所もあります」

「ほお?ワクワクか、楽しんでできるならいいぞ

よし、じゃあ飛び出すから俺のことは気にせずに戦ってくれ」

「はい!」


この路地裏に入った時の怖かった気持ちはもう無い、いやそんな考えは消え去ってしまった

実戦を俺はこんなにもやりかかったんだ

そう思いっきり返事をするとともに俺たちは飛び出した

俺は飛び出すと同時に俺は地魔法を発動させて、犯罪者をまたいで俺たちとは反対側に通路を塞ぐように壁で埋める

奴らを逃がさないようにするためだ

地形には申し訳ないけど後で戻しておこう


「ナイスだーけれどあまり地形は壊さないでなー」

「終わった戻します!」

「それならいいぞー」


壁を出現させたら、犯人4人組はこちらに気づいた

臨戦態勢に入っていくが…


「トロイなー」


兵隊長は……そういえば武器を持っていない!?

素手で女性2人をどこから出したか分からないロープで一瞬で両手を縛った!?

普段やる気なない人が本気出したらギャップがヤバイあれだ!すげぇ!


「なっ!?」「うそ!?」


2人共、一瞬の事で何が起きたのか分かってないのか動いている様子も無い


「そっちは任せたぞ!」

「分かりました!」


俺は残った男性の方を相手にすることに

武器を構えているけど、武士道のような試合前の挨拶は盗人には不要

そう思い問答無用で片方の、少し体がゴツめの方に一気に接近すると


「食らいやがれ!」


持っていた小さいナイフでがむしゃらに突き出すが…目線が一定の方向しか見ていないからこそ軌道は分かりやすい、すぐに横に避けるとスライディングするかのように股の間を滑り込んで背中に思いっきり斬撃ではなく持ち手の部分で打撃を与える


「がはっ!?」


急な背後からの一撃に驚いたのか、口から一息漏れると背中を抑えてうずくまった

相当痛かったらしく、しばらく立てないと思う

何回か兵隊長と手合わせして良かった!練習の成果だ!


「どこを見ている!」


そう言って横から火のようなメラメラと音が聞こえて来た、魔法か!?

でも、わざわざ言ってから魔法放っているからどの方向かすぐにわかった

聞こえてきた方向へ……マクスラスを回して防ごうと試みてみる、物語とかであるけど行けるか?!


「くぁっ!?あちちちっ!」


放ったのは小さな火球だったけど、槍によってちょっとばらけただけで火の粉がちょっと手や腕にかかってしまった、でも訓練でときどき受ける怪我に比べたら平気

再び魔法を放とうとしたけど放たれる前にマクスラスを構えて喉元の寸前で止める


「これ以上来るなら刺します」

「……ック!クソッ!」


もう1人の男は降参たのか歯を食いしばりながら手元の盗品をその場に落とした

いつの間にか兵隊長はゴツい方を縛ったのか、その男の後ろに近づくと魔法を放った方も縛った


「いやー助かったよーありがとう」

「どういたしまして、兵隊長も早くて助かりました」

「おおぃ!なんで男のアンタラ何もできてないんだよ!」

「うるせえ!女どもに関しては戦ってすらできてねえじゃねえか!」

「あーあんまりうるさくしないでくれないか?1回殺して次に目が覚めた時は牢屋の中とか望んでいるか?

ちなみにそのロープはただのロープではなくてお前らの魔法とか動きとか制限するやつだから抵抗すらさせねえからな?」


土の壁を戻しながら兵隊長のその様子を見ていた

いつも通りやる気のなさそうな雰囲気があったけど……なんか威圧的な雰囲気があってちょっと恐怖した

やる気がいつも無いけど、やっぱり兵隊長なんだな…

その言葉を聞いた4人は震えあがって何も話さなくなった


「あっ、君にとっては物騒な言い方してスマンな」

「い……いえ、この世界基準に外の世界の人がどーのこーの言う訳にはいきませんので」

「そーかー

んでさ?2つ疑問なんだけどさ?」

「どうしましたか?」

「まず1つ、さっき戦ってどう思った?」

「戦闘の感想ですか?」

「ああ、勇者だからこそ、これから戦いがいっぱいあるだろ?

それで怖いとかどう思ったかって正直に言って欲しい」

「ゆっ!?勇者!?!?!?」


捕まえていた4人が「勇者」と言う言葉を聞いた途端に大きな声を出してモゴモゴと乱心し始めた

悪党にまでも怯えられるって何をしたんだよ!?


「あー正直その前にこいつらを運ぶ方法を考えないと」

「あの…城から渡されました傭兵を呼ぶこの魔道具がありますが……」

「おっそれはいいね、呼んでもらえるか?」


城の事だから物が盗まれたことは貴族のプライド的に平民には秘密…とかそういう物は無いらしい

ガッツリ厄介ごとに首を突っ込んだから下手すれば怒られるかもしれないけど………何とかなるでしょ


「分かりました、えっと…魔力を流して投げればいいと?」


初めて魔道具を扱ってみることに

白い球に魔力を流してみると光り輝く


「おっおおおおお!?!おお!!」

「喜びたいかもしれないけど早く投げてー俺たちがはじけるぞー」


魔力の美しさに見とれていたがこれは信号弾、慌てて投げてみるとそのまま打ち上げ花火のように真っすぐに浮かび上がって…大きく弾けた


「美しい……すごい!

やーまやー!!!」

「たまや?」

「……こちらの世界で空に輝く美しい物を見た時の掛け声のような物です」

「美しいものかー

それで、落ち着いたら質問し直していいか?」


あっ!そういえば聞かれたままだった

兵隊長は相変わらず落ち着いて盗品の円盤型の何かを回収しているし


「はい、答えます!」

「よし、んでさっきの戦いどうだった?」

「……正直」

「正直?」

「……すっげー楽しかった」

「それは良かった、それだったら今度の実践訓練も大丈夫かもな」

「はい!楽しみにしておきます!」

「おーけー、んでもう1つだけど」


さっきまでの仕事モードが一転して消えて行く雰囲気がする…と言うよりも、いつもの感じに変わったんだけどなんだ?


「俺さー君ともう何日もいるじゃん?でも君はいつまでも硬いしなー

そろそろさー女性2人と同じように気軽に話してもいいんじゃないかな?」

「……ふーむ」


初対面から「気楽に」って言っていたし

いっつもやる気が無いように見えても、さっきのように仕事のことになると真剣な姿勢を見ることもあったし、短かったけど一緒に戦ったし………いいかもしれない

照れている………ふりをしているのか白髪をボリボリと搔きながらチラチラとこちらを見ていた


「ではよろしくお願いいたします……じゃなくてこれからもよろしく、ガリウス兵隊長

俺の事もセントって呼んでもいいぞ」

「よっしゃ、よろしくな!」


俺たちは握手をした、初対面の時以来ではあったけど

やっぱり兵隊長の手は本当に力強い

そうやって話しているうちに傭兵の人達が駆けつけて来た


「あっ!勇者ソラアミセント!?なんでここにいるのですか!?」


傭兵の人達は……やっぱり危ない路地裏にいたから少し怒っている感じだ


「ご……」

「あーまてまてまて」

「え?!ガリウス兵隊長!?」

「あー俺がちょっとセントを騙して戦わせてしまったんだよ

俺が戦うのめんどくさくてなー、面白いものがあるって嘘をついてついて行かせたんだ、勇者ソラアミセントは好奇心が旺盛でなー

すげえぞ?勇者1人で2人も取り押さえたんだぞ?」

「え?あ…あの?」

「そうだったんですか?!」


え?もしかして庇わているのか?

なんで?兵隊長には利点は何にもないはずでは?


「すみません勇者ソラアミセント、兵隊長の事は城の方に報告しておきますので」

「あ、いえ、俺にとってはいい経験をしたので寛大な処置をお願いします」

「おっ?助かるねーさっすがは勇者様」

「兵隊長はもう少し反省してください!」


意外と俺は流されやすい性格らしく、話を合わせるように言ってしまった


それからは傭兵たちと協力をして犯罪者たちを連れて行った

あの盗まれたものはそれとなく濁されてしまったけど、お世話になる物なら後々分かるだろう

女性2人は盗賊としての才能が高くて、どうやら有名な盗人だったらしい

戦闘能力は無いが逃走の力が高くて兵隊長は真っ先に逃走するのを防ぐために先に捕まえたとのこと、俺の作った壁はそのけん制に役に立ったと兵隊長が褒めていた

逆に男2人は普通に闇売人でちょっと戦えるぐらいの2人だったらしい

速攻で戦闘不能にさせたけど2対1で勝てたことに傭兵たちからも普通に褒められた…「無理はしないように」と釘を刺されたけど


気がつくと空は夕方になっていて、そろそろ帰宅をしようと城に向かっている最中………


「あっ!千斗ー!

……ってあれ?」


ひときわ大きな声が聞こえて振り向いてみると…あっ!品子さんと蜜巳さんがいた!

2人共休日を堪能したのか表情が結構明るい感じがする、けれども俺の様子を見て2人とも疑問を思い浮かべていた

ナリアン神父様は…いないみたいだ、要件が終わったらまた別行動をしたのかな?


「品子さん!蜜巳さん!」

「千斗さん?なんか……いっぱいいますけど………どうしたのですか?」

「あーこれは俺から説明するよ」


兵隊長から2人に説明した

俺がなあなあで行ってしまった所は騙して連れて来たとか、俺に攻められないように内容が違っていたりしたけど


「兵隊長!千斗に無理をさせないでよ!」

「わりいわりい、でも行けると思ってな

俺の思った通り槍の扱い方上手かったぞ」

「槍じゃなくてマクスラスだ」

「マクス……まあ2人も同時に相手したしなー」

「はぁ………千斗さんが無事で………良かったですけど………

って?千斗さん?口調が……?」

「なんか仲良くなってない?」

「そーだよ、俺たちはもうトモダチってワケさ」

「その通り、友達だ」

「仲良くなったんだ!それは良かったね!

あっ!そうだ!」


何かを思いついた品子さんは懐から何かを出した

何だろう?何か巾着のような物で包んでいるようだけど?


「はいこれ!久しぶりに楽しく作れたお菓子だよ!」

「あっ………わたしも作りました…」


開かれた中に入っていたのは…クッキーだった

なんだか、温かみを感じるような見た目で懐かしさも感じる…なぜだろうか?


「1枚どうぞ!」

「いいのか?じゃあ、一枚貰うね」

「俺はー流石に邪魔しちゃうか?」

「せっかくだからいいよー」


2人の空間に足を踏み入れたくないが、是も善意を踏みにじるわけにはいかない

それぞれ1枚ずつ手に取って1口かじってみる……これは


「ああ……そういうことか………」


懐かしいと思った気持ち、その正体に気がついた

今までこの世界で食べた物は味の濃いものが多かった、冒険者や働く人にとって栄養が多い方がいいからこそ塩とかの味付けが濃い…って思いているけど

それらに比べると味は控えめ、いや俺たちの元居た世界基準になっているからこその味なんだろう

数日前の事だけど遠い昔のようにも思える、帰ったら早く玲香にも会いたいな


「ありがとう、なんだか懐かしい気持ちになったよ

この美味さ、なんだか染みる」

「そうなの!?よかったー

ナリアンさんは、『味はもっと濃くても良くない?』って言っていたけど私たちにとってはこれぐらいがちょうどいいからね」

「はい………この世界のご飯はおいしいですが………味が濃いからすぐお腹いっぱいになってしまいます」


そうか、栄養が濃いから蜜巳さんがすぐにお腹いっぱいになってしまうのはそういった理由もあったんだな

改めて、この世界を救って元の世界に還る決意が心の中に決めた

3人で協力して…この世界を救おう


「んー俺はっ………」

「お言葉ですが兵隊長、ここは口を慎んだ方がいいと思います」

「へいへーい」


兵隊長と傭兵のそんなやり取りが聞こえた気がしたけど気のせいにすることにした

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