休暇はある、体力は無限ではないから休め
今回のタイトルは忙しい皆様に向けた言葉でもあります
あれから武器を扱った訓練も魔法を扱った訓練も何度か行った、発作と言うか狂気的なハイテンションはようやく落ち着いてきた
俺が最初に扱った槍以外にも武器を一応使ってみたが逆に槍でしっくりしてしまっているのか、他の武器を扱っても特には手ごたえを感じなかった、魔法に関しては扱いたい願望があったからこそいろんなものを扱った、ガリウス兵隊長は「器用貧乏になる」と言っていたから攻撃魔法、特に水魔法を最優先で練習することにした
品子さんは一貫して守る…と言うか護る事を優先していて、大きな盾を扱うことに関しては結構扱いが滅茶苦茶上達していき兵隊長と結構やりあえるレベルになっていた、初めて使った時は小型剣を使っていたけど盾との相性を考えて色々と使う武器を試して言っているみたいだ
そして回復魔法は兵隊長いわく「回復だったらナリアン神父様がいいだろうなーめんどくさがっているわけじゃないぞ?」と言っていたから品子さんは教会の方へ向かいそこで訓練をしたようだ
品子さんが自主的に習得したのもあるけど、回復だけでなく補助魔法も扱えると……盾使い(タンク)で回復魔法使い(ヒーラー)で補助魔法使い(バッファー)?女性にこんなことは思いたくないけど強靭すぎるのでは?
蜜巳さんは………いまでも戦っては無い、俺も品子さんも無理強いはしなかったしナリアン神父様もガリウス兵隊長もそのことに関しては何も言わなかった、一応品子さんと一緒にナリアン神父様の方へ行っているらしい
どう……したらいいものか
魔法で狂喜乱舞…じゃなくて、魔法の戦闘訓練を行って数日経過して
朝ごはんを待っている時にカイザムさんが来たが…
「皆さま、本日はおやすみでございます」
「え?」「え?」「え?」
思いもよらない事を言われたので三人してハモってしまった
「カイザムさん?聞きたいのですがいまグラーフィアは魔物による世界の危機なのですよね?
いち早く世界を救って欲しいはずだから休みない物…って思っていましたが」
「ええ、勇者様方は世界を救う大切な方々…けれども無理をさせて心も体も壊してしまったら私たちは悲しいです、なのでちゃんと休息は取ってください」
…大切か…大切にされている上で大切な事を言われた、学生も社会人も休暇は確かに必要な事だ
でも正直疲れてはいないし実践はまだやってないけどRPGの登場人物になったような気分がして楽しいから毎日やってみたいけど…
「それに本日はナリアン神父様は休暇を過ごしていまして…………ガリウス兵隊長は今日はやる気が無いから1日寝たいとのことです」
ガリウス兵隊長の事を説明したときのカイザムさんは呆れたような顔をして目を逸らしていた
今まで以上にやる気のない時があるんだ…
「でも私たちどうしたらいいの?
私たちはお城からあまり出たことないから何があるのか分からないよ?」
「外は魔物がいるから街から出るのは訓練が完了するまでできませんが街の中にはいろんな店があるので退屈はしないと思います!」
「あの…………お小遣いは…………」
「もちろん、普通に休日を過ごせるぐらいのお金は出します
無限に…とはいきませんが今日1日はのんびりと過ごせますよ?」
何か…至れり尽くせりというか、なんかヒモみたいな気がするような…何にも勇者らしいことはしてはいないし魔物の一匹も狩ってもいないし訓練をしているだけだし…
申し訳ない気持ちになるけど、これは相手の善意を無下にするわけにはいかない
「あっ、ありがとうございます
質問なのですが武器の所持をしながら街は歩いてもいいのでしょうか?」
数日前にナリアン神父様の所に向かう時に何回か冒険者や兵士らしき人を見かけたことがある、その人たちは武器を街中で普通に持ち歩いていたから問題行為さえしなければ銃刀法違反で捕まることは無いだろう
「ええ、皆様は大丈夫だと思いますが迷惑な行為や誰かを傷つけるようなことさえしなければ大丈夫ですよ、借りる許可は………兵隊長だしいっか、元あった所に戻せば大丈夫ですよ」
兵隊長の信頼が相変わらずすぎて扱いが適当すぎない!?
「分かったー!じゃあちょっと私は盾と剣を取ってくるよ!」
「じゃあ俺はマクスラス…………ハルバードの槍を取ってきます」
中二病であることはとっくに誰にもバレていて魔法の訓練以降はほとんど堂々としていたけど、意味が通じないから堂々としていても出来る限り普通にしていたい
「……私は…………普通についてきます」
「皆さん行ってらっしゃいませ、お出かけの準備をしてここでお待ちしています」
俺たちはお出かけの格好…もとい冒険者の格好をして3人で騎士訓練所に向かって行くことに
「ねえみーちゃん?大丈夫?」
「なにが……なの?しーちゃん?」
「何か?いつもよりも元気が無いから?」
「あの…………休日と言っても何をしたらいいか分からなくて…………よく分からない緊張をしています」
2人が会話している時に俺は一歩後ろに下がって会話の邪魔をしないようにしている
「そうかな??なにか別の理由がある気がするんだけど?」
「そうですか………………ふわぁ」
「あくび…あまり寝れてないの?」
「……………うん、いつもしーちゃんと寝ているけど………………それでも不安に何回も起きてしまって……………」
「そうだったのね、じゃあ今度は何か安心できるような歌を聞かせようかな」
「しーちゃんは……………元気いっぱいに歌うから………遠慮します」
「なんで!?」
しかし、俺は蜜巳さんが元気が無いことは気づかなかったな…流石は幼馴染
尊くて守らなければいけない概念だ
「ふわぁ…………そういえば千斗さん」
「はイ?」
急に声をかけられたから声がひっくり返ってしまった
「今日って………………どう過ごしますか?」
「どう…過ごすかか」
正直俺はノープラン、元の世界にいた時の休日の過ごし方は玲香と過ごしたりアニメを見たり漫画を読んだり小説を読んだり……完全なオタクである
「まあ、カイザムさんが言っていたけどこの町にいろんなものがあるから行き当たりばったりで歩いて行くのがいいと思う」
「そうだね!面白そうな店があったら入ってみればいいと思うし!」
「分かった……ふわぁ…………」
「あー…みーちゃんが元気になる所も探そうね!」
「賛成だな、元気になるに越したことは無いし」
騎士訓練所にてマクスラスを手に取り、品子さんは大型の盾と小型剣…じゃなくて普通の剣!?マナによる身体能力の上昇はあるけどそれでも重いもんじゃないの!?
とりあえずそれぞれの武器を回収してカイザムさんの待っている客前向かう
兵隊長は相変わらず武器の真ん中で寝ているけど「起こしちゃ悪い」ということにして放置することに
「1個行きたいことろが思いついた」
「どこですか……………?」
「王城でうまい飯を食っていたけど、街のご飯も食べてみたいな
どっかの料理屋に行って朝飯でも食べてみたいし」
「おお!それいいね!」
「ご飯……………美味しいのが食べたいですし………………逆に作れる場所も欲しいですね」
「そーだね!私も久しぶりにお菓子作りしたいし!」
2人の趣味は菓子作りだからどこかで出来るといいな
できれば俺は遠くでその様子を見ていたいけど普通にお菓子をオススメされそう…美味しいものになると思うけど2人の空間に男は入りたくない、俺であってもだ
でも善意を無下にはしたくないから…うーんジレンマだな
「街にはいろんな人がいるから聞いてみるのがいいと思う、基本王城にいるけど何日か街中にもいるから普通に会話ができる人が何人もいると思うよ?」
「そうだね!私教会に行くときに誰にだって挨拶しているけど最近普通に返してくれる人が増えてきたんだよ!」
「えっ!?凄いな!」
普通に挨拶を?!見られるだけで警戒されていた時を比べたら結構進展したんじゃないか!?
そうやって話をして歩いていくと客間にたどり着いて扉を開くとカイザムさんがそこに立っていた
何かテーブルの上に皮で出来たカバンが3つ置いてあって多分お出かけに使う物だろう
「皆さま、お出かけの準備が終わりました
こちらをお持ちください」
「お小遣いですか?」
「それもですが、他に2つ大切なものがあります」
そう言いながら鞄から他に2つのソフトボールサイズの白い球のような物とバッグについている小さいクリスタルのようなアクセサリーが付いていた物を取り出した、なんだろうか?
「まずこちらの白い球は冒険者が必ず持つ緊急用の魔道具です」
魔道具!魔法で作られた道具であって名前を聞くだけでもテンションが上がってくる
2日目にみたアミルクリスタルも多分魔道具の一種だと思うけどそれはそれとしても魔道具は見るたびに興奮してしまう
「街中は安全ですがそれでも何かしら予想外な事が起きるかもしれません
お出かけ中に何か危険なことがありましたら立ち向かったりなどはせずにこの魔道具に魔力を流して投げてください
そうすると打ち上がって光り輝きます、それを見た傭兵の人がすぐに駆け付けます」
なるほど、花火と言うよりも信号弾のようなものか
発煙筒と同じように緊急の物は使ったことは無いけど、何かやばいことが起きた時には無理をしないように使おう
「もう1つのこちらのアクセサリーは皆さんの位置が分かる魔道具となっています、
いつまでも帰ってこない時はこちらを参照にして向かいますので安心してください」
つまりは探知機のような物で迷子になっても時間が経てば王城から皆さんが迎えに来るってことか
「逆に言えばですが、こちらのバックは肌身離さずに持ち歩いてください
もちろんこちらのアクセサリーも決して外さないでくださいね」
…フラグか?いやそんなことは無いと思いたい
「後は鞄の中にお小遣いがあります、朝ごはんもどこかで食べるのもオススメします
王城のご飯もいいですが街のご飯もオススメです、それではみなさん行ってらっしゃいませ」
そう言いながら2つの魔道具をしまい、俺たちに手渡した
「ありがとうございます」
「ありがとう!」
「ありがとう………ございます」
客間を出てそのまま王城の入り口の方へ向かって行く
大きいけどマナのおかげで軽く感じる扉を開いて町に出る
そういえば俺は普通に地球の3人だけで街に出るのは初めてだな
品子さんと蜜巳さんは教会に出かけるのに何度か出かけているけど俺はカイザムさんに教会に案内されたりナリアン神父様…いやこの時はナリアン先生だ、ナリアン先生と買い物に行ったきりだ
王城は王都セカンドルドのド真ん中にあり、王城1枚の城壁に囲まれていて城下町を挟んで外周も城壁に囲まれている、多分あの城壁より内側が俺たちの行動できる範囲なんだろうか
以前に戦闘訓練の時に子供たちから普通に見られていたからこそ物々しい雰囲気とか一切なかった
マクスラスを背中に構えながら一回伸びをして歩いていく
「クックック………やはり、世界は広いな…じゃなくて外に出ると気持ちいいな」
「千斗さん………………別に自由にしても構いませんよ」
「そうだよ!カッコいいと思うし!」
「いや、2人が良くても他の人達に変な目で見られるし、この世界に中二病が無かったら頭のおかしい人と思われたくないし」
つい出てしまうことはあるけどそれでも恥ずかしさがある、それが本音
3人で歩いていくと、街中の道には結構な人が歩いている
前と同じぐらいの時間帯だけど全然人の数が違うな?もしかして以前にナリアン先生の所で学んだときは事前に街の人達に怖がらせないように伝えていたのかもしれない
「おはようございます!!」
「おはようございます」
「お……………おはよう……………ございます」
3人でそれぞれ朝の挨拶をしていく
「おはよー!勇者さん!」
「あっ………おはようございます」
「お………おはよう」
「おはよう」
「…………」
反応は老若男女十人十色と言う感じに人によってやっぱり違う
小さな子供は元気いっぱいに挨拶をして
近くにいた母親らしき人はちょっと動揺しながらも挨拶をして
杖を突きながら歩いている老人は周囲を見ながら挨拶をして
若い冒険者のような人は普通に挨拶をして
無視をする人もいた
でも、初めて街中を歩いた時に比べたらいい感じだと思う
蜜巳さんも挨拶をするようになったし、街の人達も大なり小なり挨拶を返す人もいるからちょっと信用されたとポジティブに考えることにしよう!
「おはようございます、おは………あっ」
って挨拶をしていたら急におなかが空いてしまってなってしまった、恥ずかしい
「そういえば朝ごはんはまだ食べて無かったね、店でも探す?」
「そうですね……………私もおなかがすきました」
「あっ…」
なんかフォローされてしまったし…まあ、おなかが空いたなら仕方ない
「じゃあ、俺の要望になるけどまずはご飯食べに行くか
何でもいいか?苦手な食べ物はある?」
「特にないよ」
「私も特には……………大丈夫です」
今まで城から出されたものを3人共食べていたけど、特に俺も2人とも野菜も魚も肉も普通に食べていた、強いて言えば蜜巳さん小食で品子さんはいっぱい食べる
……あまり考えちゃいけないけど食べる量が体の成長に出ているのかもしれない
「じゃあ、見かけて美味しそうな店を見つけたらそこでもいいか?」
「さんせー!」
「よいと………………思います」
2人からの同意を得たので「レッツゴー」と言わんばかりに俺たちは行くことにした




