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37 メルナの報告

「結論から申し上げます。裏にグラバルト皇国がいます」


 ロッシュ殿下の居室、私と殿下とクロードさんでメルナからの報告を聞いていた。『バーグフレジェス』の調査を依頼していた件だ。


「グラバルトだと……工作員か?」


「はい。役員が何人もハニートラップにかかったようです。その他にも役員の息子を唆して犯罪をさせて、その証拠を脅しに使ったり、あらゆる手を使っています。『バーグフレジェス』の人事権と編集権はほぼグラバルトに握られていると思われます」


「くそっ、防諜部門の強化は喫緊(きっきん)の課題だな」


 ロッシュ殿下が頭を抱えている。クロードさんも苦い顔。

 フレジェス王国には真っ直ぐな努力を尊ぶ、真面目な国民が多いと言われる。たぶん国民性的にも諜報は苦手なのだろう。


 しかし……


「メルナ、よくそこまで調べたね……強引に行ったでしょ」


「……はい多少」


 ああ、この感じ多少じゃない。役員個人宅への潜入とかガンガンしてるやつだ。

 まぁ、でも万が一バレてもベルミカ公爵家のせいに出来るから大丈夫だろう。私の名誉を傷付ける報道をしているのだから、公爵家(うち)にも『バーグフレジェス』に喧嘩を売る理由はバッチリある。


「確かに、オルトリ共和国と我が国の対立はグラバルトにとっては嬉しいでしょうな……ウルティカ統合派にはある程度の間者(スパイ)は潜り込ませていますが、グラバルトの影は見えない。上手く隠れているのか、そもそも統合派への直接の関与を避けているのか」


 クロードさんはそう言って「うーむ」と唸る。


「恐らくは後者でしょう。グラバルトからウルティカ統合派への支援は間接的なものだけだと推測します。統合派自身グラバルトに味方されている認識はないのでは?」


 メルナの推測にロッシュ殿下が頷く。


「だろうな。直接関与していれば痕跡ぐらいは掴めている筈だ。新聞社への諜報をしていなかったのが本当に悔やまれる」


 ふむ。とりあえず、グラバルト皇国のせいで私は壮絶な”羞恥プレイ”を強いられている訳だ。許すまじ。


「グラバルトの工作員についてはどこまで把握できている?」


「あまり深くは。いくつかの民間事業者が隠れ蓑になってはいるようですが、全容解明にはほど遠いです。このまま調査は続けようと思います。ここからは強引な手は避けて慎重に。それでよろしいですか?」


 ベルミカ家の工作員は当分フレジェスにいることになりそうだ。まぁ、頑張って貰おう。


「ありがたい、それで頼む。さて、どう動くか……」


 ロッシュ殿下は眉間にシワを寄せ、悩んでいる。

 クロードさんが口を開いた。


「焦る必要はないでしょう。幸い『フレジェス・クェア』を使った対抗措置により相手の思惑は外れている。中立の『ネイミスタ・アルバ』も取材を進め、こちら(王家)寄りの報道を始めています。明後日の夜会でルディーナ嬢をお披露目すれば例の報道はほぼ無力化できます」


「……そうだな。『バーグフレジェス』はじっくりと叩けば良い。グラバルトも判明した工作員に監視を付ければ、動きにくくなるだろう」


「私もそう思います。ただ、『バーグフレジェス』の異様に焦った報道が気になるのですよね」


 私は僅かに引っ掛かっている懸念点を述べる。

 王家を侮辱した報道を行えばただでは済まない。グラバルトからすれば『バーグフレジェス』は苦労して作った手駒だ。無茶をして潰すには惜しいはず。

 どうも追い詰められているように見える。グラバルト本国から相当なプレッシャーがあったのかもしれない。


「確かに、警戒はすべきだろうな。とはいえ、まずは夜会だ。今日の本題に移ろう。ドレスの色、やはり俺は――」


 そう、今日集まった本題はこっち。未だにドレスの色で私達は……というかロッシュ殿下は悩んでいた。


 私は全部可愛いからどれでもいいのだが、ロッシュ殿下はどれも可愛くて選べないらしい。

 うーんうーん唸るロッシュ殿下は少し可愛い。


 ……殿下は可愛いが、夜会は私にとっては大きな試練だ。もう明後日、そう考えると冷や汗が出る。


 無事に乗り切れるだろうか……





読んでいただき、ありがとうございます。


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