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計画5

「そう言えば今度の坊ちゃまのお誕生日にはルクス坊ちゃまもお帰りになるそうですよ。」

「へ~兄上が。」

騎士の訓練が忙しいのに帰ってきてくれる。

本当に愛されてますね僕。

さてと、いよいよですな。

僕は椅子に座り、本を持つ。

持ち手が興奮で少し震えるぜ。

“法学全書”、昨日から楽しみだったぜ!

僕は真っ先にこの世界の婚姻について調べる。

なにせ最も重要だからね。


婚姻について。

男女ともに18歳にて結婚が可能になる。

ただし、婚約については両家が認めれば5歳以上なら可能である。

貴族の家庭では基本的に婚約をし、婚約発表の後に18歳で結婚する。

結婚相手については性別(・・)人種(・・)は問わない。

同性婚、異人種婚、重婚、格差婚は罪には問われない。

・同性婚とは、同性同士、つまり男性同士、女性同士の結婚のことである。

・異人種婚とは、違う人種同士、つまり亜人種との結婚のことである。

・重婚とは、1人の男性が複数の人と結婚、もしくは女性が複数の人と結婚していることである。

・格差婚とは、王族もしくは貴族の方と市民が結婚することである。


僕の目が見開かれる。

“同性婚は罪に問われない”。

勝った。

勝ったんだ。

へへ、涙がでらぁ。

・・・。

よっしゃーーー!

僕は平静を装いながら心の中では勝利の舞を踊る。

遂に悲願が成就するよ。

待っててね麗しの君。

僕の頬が緩む。

「あ!先程のお話を聞いて興味がわきましたか?」

「うん。少しだけね。」

「うふふ。坊ちゃまの結婚相手になる人は幸せでしょうね~。」

「そうかな?」

なんか照れるぜ。

あれ?てか、ミリアは婚約してるのかな?

う~ん後で聞いてみようかな。

「でも、注意してくださいね?」

「注意?」

「ここをお読みください坊ちゃま。」

ミリアが指をさす。

僕の視線がその方向を向く。

何々?


婚姻の注意事項。

結婚について、注意することが多々あるが、重い罪に問われるものから触れる。

・近親者、奴隷との結婚は禁止。

ここでの近親者は三親等内を指します。

もし、近親者もしくは奴隷と結婚した場合、市民は炭鉱夫として5年間働いてもらいます。

王族もしくは貴族の場合、破門となり一族から追放です。

・結婚前の性交渉の禁止。

例え互いの同意があったとしても罪に問われます。

もし罪を犯してしまった場合、市民なら炭鉱夫として10年間働いてもらいます。

王族もしくは貴族の場合、国外追放です。


わーお。

マジかよ。

てか、炭鉱夫っていつの時代ですかねぇ。

いや、ちょっと待て。

市民より貴族の方が罪が重いんですが?

僕はフリーズする。

「坊ちゃまも結婚には十分気をつけるんですよ。」

「う~んと、いくつか聞いてもいい?」

「はい!私に答えられることなら!」

「えっと三親等内って叔父、叔母までってことだよね?従兄弟(従姉妹)は含まれないってことだよね?」

「その通りです。流石坊ちゃま!」

「えっと奴隷って何?」

「奴隷というのはですね・・・。」

ミリアの話をまとめるとこうなる。

奴隷とは身分を持たない人たちのことである。

簡単に言えば、人として扱われないらしい。

なので、奴隷との結婚は人ではない者との結婚になるため禁止だそうだ。

奴隷は罪を犯した者、両親に捨てられた者などがなるらしい。

時々、貴族の方が罪を表沙汰にしないように秘密裏に奴隷になることもあるらしい。

奴隷にはみな、奴隷の首輪なるものが体のどこかについているらしい。

奴隷は年に一度、奴隷省なるところから奴隷商に引き渡されて売りに出されるとのこと。

また、奴隷は年の始まりに奴隷省に奴隷の首輪の確認に行かなければ罪になる。

奴隷という言葉を聞くと暗い気持ちになるが、この世界はそこのところはしっかりしている。

なぜなら奴隷に危害を加えることは禁止になっているからである。

奴隷は人ではない扱いだが、家族として扱われるためである。

いわゆる暴力をふるったら家庭内暴力になると。

さらに奴隷に危害を加えたなら罪に問われると。

うん、なかなかいい世界?なのかもな。

「じゃあ炭鉱夫って?」

「炭鉱夫というのは炭鉱の町、つまり鉱脈のある山を所有する町のことなんですけど、そこで労働力として働く人のことを炭鉱夫と言います。ただ、炭鉱夫の仕事は厳しいんです。」

「そうなの?」

「はい。なにせ食事の時間が2回、睡眠の時間が4時間でそれ以外は働かなければなりません。ひたすら鉱脈を掘り続けるんです。」

「へ~。」

はぁ~奴隷よりも厳しそうだな。

というか奴隷は炭鉱夫にならないのかな?

「炭鉱夫に奴隷は使ってはいけないの?」

「えっとですね。罪状によって炭鉱夫になるか奴隷になるかが決まっています。奴隷はもう罪を受けたことになるので、さらに罪を犯さない限りは炭鉱夫として働かせることができないんです。」

「ほへ~。」

わりかししっかりとしてるな。

まぁ、そうでなくては無法地帯になるしな。

なんか聞いた限りでは奴隷の方が罪は軽いんだな。

「婚約破棄した場合はどうなるの?」

「ぼ、坊ちゃま!?婚約破棄はしてはいけませんよ!?」

「え?なんで?」

「いいですか坊ちゃま。男性からの婚約破棄はやってはいけないというのが貴族社会の暗黙のルールなんです。」

「暗黙のルール?」

「はい!詳しくは知りませんが、坊ちゃまから婚約破棄をしてはなりませんよ!も、もし、仮に、どうしても、やむを得ない場合!」

滅茶苦茶念を押されてるな。

「婚約破棄したい場合は女性の方から婚約破棄の申し出を出していただく形になります。」

「へ~そうなんだ。」

女性に配慮されてるってことなのかな?

「いいですか坊ちゃま!絶対にご自分から婚約破棄をしてはいけませんよ!いいですね!」

「は~い。」

一応今晩父上に聞いてみよう!

そうしよう!



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