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支配する男
「忘れるな。お前は常に、俺の支配下にあることを」
……
嫌な声を聞いてしまった……
低い、木霊するような、よく通る声。
頭の中から聞こえてくる声のうちの1つ。
あの声は、誰なのだろう?
私、では、ないのだろう。
誰のものかもわからない声は、私に、ねっとりと絡みつく。
私の心に隙を与え、脳を掻き乱し、混乱を生じさせる。
その隙間から、私の中に入り込み、私を、思うがままに動かしている。
そんな、感覚がある。
抗っているつもりだ。
つもりなのだが、自分自身で動くことができない。
思考はいつの間にか作り変えられ、その改造後のものに基づいて行動しているような気がする。
頭に、靄がかかったような感覚。
手も、脚も、本当に自分の意志で動かせているのだろうか。
手に、腕に、足に、脚に、頭に、見えない糸がついていて、それらで声の主は、私を、マリオネットのように操っているのだろうか。
上手く、考えがまとまりません。
複数の思考が飛び交っているようです。




