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心鬼 〜シンキ〜  作者: 栗谷
第2章 拡大
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第2話 新野高校

朝四時半。

目を覚まし、辺りを見回す。

一瞬、いつもと違う部屋に戸惑う。

だが、直ぐにここが新しい自分の部屋だと思い出し、落ち着きを取り戻した。


部屋を出て、そのまま台所に向かう。

さて、朝ごはんの用意をしなくては。

食材は昨日のうちに買ってある。


母は、私が物心ついた頃には既にいなくなっていた。

新しい男を作り、そのまま蒸発したらしい。

だから、家事をするのは基本私の役目だ。

とはいっても、別にそこまで苦という訳でもない。

母との思い出など全く無く、寂しさは感じない。

それに、私が忙しい時は、お父さんも家事を手伝ってくれる。

毎日仕事で忙しい筈なのに、本当にありがたい。


そして、朝ごはんの用意を終える。

うん、美味しそうだ。

お父さんを起こし、食卓に座った。


お父さんは、本来ならこの引越しに伴って、仕事を辞めなければならなかった。

だが、引越し先がこの新野町になった事で、仕事を辞めずに済んだ。

その分、朝はさらに忙しくなったが。



お父さんは、既に準備を済まし家を出た。

私も一通りの準備を済まし、テレビをつける。

朝は、ニュースを見るのが私の日課だ。


『続いてのニュースです。昨夜未明、木野辺村で、身元不明の遺体が発見されました』


「え……」


思わず声が出た。


『警察は、先日木野辺村で起きた事件との関連性を――』


そこで、テレビの電源を消した。

これ以上見ていられなかった。









「行ってきます」


そう言って、家を出る。



暫く歩き、新野高校に着く。

改めて見てみるとやはり大きい。

これでも全国的に見れば小さい方とは、驚きだ。

木野辺高校が小さすぎただけだろうか。



「おはようございます。待ってましたよ、藤野さん」


学校に入ると、一人の女性が話しかけてきた。


「私は、貴女のクラスの担任の堀川というものです。よろしくお願いしますね」


若くて綺麗な人だった。

背も高く、巻かれた髪はよく似合う。


「はい。宜しくお願いします」


「では藤野さん、まずは校長室でお話しをしますから、ついてきてください」


案内され、校長室に入る。

大きい……。

木野辺高校の校長室とは、比べ物にならない。

ふかふかのソファーに座る。

こんなもの、木野辺高校にはなかった。


その時、扉が開き、一人の男が入ってきた。


「藤野夏絵さんだね。校長の山田です。よろしく」


彼はそう言って、私の向かいに座った。







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