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突然の!? ②


「入学式に助けてもらったお礼をしたいから今から一緒に遊びに行かない?」


突然の明日香からの言葉に俺の脳みそが思考停止してしまった。

は?

あの明日香が俺と遊びに行く?

つまりデートってこと?

いや、そんなわけないよな。

などと意味の分からない事を考えてしまい、返事が少し遅れてしまった。


「俺は時間あるし大丈夫だよ」


と、特にこの誘いを断る理由がないので彼女の誘いを受けることにした。


「こんな所あんまり人に見られたくないから歩いて話そ」


そして、二人は駅の近くにあるカフェへ足を運んだ。


俺はアイスコーヒー、明日香はカフェラテをそれぞれ注文したところで彼女の方から口を開いた。


「ねぇ、なんであの時私を助けてくれたの?私がカワイイから?」


「いや、あの時はカワイイから助けたって言う訳ではないよ。なんか困っているみたいだから助けただけだよ。それに男の人達が邪魔で顔ははっきり見えなかったし」


急に私がカワイイから助けたの?などと聞かれても困る。あの時は周りに俺しかいなくて仕方なく助けただけなんだから。


「私はそれを聞いて確信したわ、浩輝くん、私はあなたの事が好き」


「たまたま困ったいた所を助けただけでそこまで言ってくれるとは嬉しいよ、俺はあなたにとって良い友達になれるように頑張って努力しますよ」


まぁ、あまり人の多い所で話かけられたくはないけど。

と、心の中でも付け足した所でなにやら彼女の表情が変なことに気づいた。


「?、ごめん何か俺、変なこと言った?」


と聞くと


「ごめんなさい、私の言い方が変だったのかしら?、私はあなたの事を友達として好きなんじゃないわ」


は?じゃあどういう意味だよ!と、聞こうとした時、浩輝は明日香が何を言いたいのかが分かったような気がした。

そして、それはその予想は的中した。


「私はあなたの事が男として、恋愛対象として好きなの」


そして明日香はこう続ける。


「私と付き合ってくれないかな?」


もちろん、俺の答えは考える時間がなくても決まっている。


「悪いけど、俺はあなたと付き合う気はない」


この返事にさすがに明日香もビックリしたようで、


「いや、今すぐ返事しなくても大丈夫だから。1週間ぐらい考えてから返事して」


慌てた様子でこんな事を言うが、俺は自分の考えを変える気はない。


「まだ入学してから1ヵ月ぐらいしか経ってないのに俺の事を好きとか言われても実感湧かないし、一目惚れで始まる恋なんて長続きしないと思うよ」


とちょっと冷たい言い方というのは自分でも良く分かっている。

だけど俺が言っていることは正論なのではないかと思う。


ちょっと気まずい空気になってしまったので、

どうしようかと思っていると、タイミング良く注文していた物が運ばれてきた。


「アイスコーヒーとカフェラテです。ごゆっくりください」


これでさっきより何となくこの場が和らいだような気がする。


これからどう話掛けたら良いのか分からず考えていると


「私は浩輝くんに一目惚れしたわけじゃない!!」


なんかさっきより怒りぎみな言い方になっている。


「私は助けてもらった時に浩輝くんに一目惚れしたんじゃない!」


「最初は浩輝くんも他の男と同じように私に下心丸出しのバカなんだと思ってた、入学式に助けたから俺と付き合えとか言ってくるんじゃないかと思ってずっと怖かった」


「だけど、1ヵ月経ってもそんな事を私に言ってくるような素振り一つ見せなかった」


「だからちょっと前から私は浩輝くんの事を見てた」


「浩輝くんは友達といるときはいつも笑ってて、困っている人がいると誰かれ構わず助けてあげる優しい人だということがわかったの!」


「それで私はあなたの事を好きになったの!」


ここまで言うと明日香は落ち着いたようで


「私は本気なの、もう一回言うわ」


「私と付き合ってください」


「あなたが本気だということは十分に伝わったよ」


「じゃあ、」


と、嬉しそうな顔で言葉を続けようとする明日香の言葉を遮るようにして俺は自分の気持ちを言うことにした。


「だけど、あなたと付き合うことは出来ない」


「明日香は学校でもモテるだろ?」


「だから、俺があなたと付き合うことになったらそれは学校中に知れわたることになる」


「俺は目立つのがあんまり好きじゃないんだ、俺の勝手であなたの気持ちを踏みにじることになってごめん」


と、俺は明日香と付き合えない本当の理由がこんなに自分勝手だったら俺の事を諦めるだろうと思ったが、俺の予想は見事に外れるこことなってしまった。


「わかった、今日は諦めるけど明日からは積極的に浩輝くんにアタックするから」


「明日からは学校でとっても目立つかもね!」


と、小悪魔というより悪魔に近い笑いを見せると彼女はじゃあね、また明日。

というと彼女は席を立ち帰っていった。


机には助けてもらったお礼というだけあって俺の分までのお金が置いてあった。

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