表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気だるい毎日  作者: ちゅうか
12/16

お金に注意2

帰りの会で「財布がなくなりました」と仲国なかぐにが報告する。

仲国の話では、3時間目が体育で空き教室だったから

その時に盗られたのだろうと言う事だった。

また嫌な予感がした。着替えが一番早く、一番に運動場に出るのは私、

体育が終わって真っ先に帰るのも私だからだ。

先生は「心当たりがある人は知らせてください」と言い、終わった。

だが帰りの会が終わった後、自分の周りに仲国、美結みゆう貴緒きお浩美ひろみが集まってきた。

「ねぇ、あんたじゃないの?」

「あの時教室にいたの紗鶴じゃん」

「ちょっと荷物見せて」

止める間も無く仲国が荷物を開けた。

そこにはあるはずの無いものが入っていた。仲国の財布だ。

「うわ〜やっぱり紗鶴だった。最低!」

口々に言う連中を見て私の中で何かがブチッと音を立てて切れた。

「私じゃない!」

「証拠があるじゃん」

仲国が財布を突きつけてくる。周囲にまた人が集まってきた。

「やっぱりあいつかー」

と言う声もちらほら聞こえる。

「分かった。警察行こう。今から電話するから」

携帯を取り出すと彼女たちが慌て始めた。

「何?その開き直り」

「財布戻ったからもういいし」

「嫌だね、もううんざりだ。いいじゃん、本当の事が証明されるんだし」

1、と番号を押した。

「やめなさいよ!」

仲国が叫んで私の携帯を取り上げようとする。

掴みかかってくる仲国を振り払った。怒りの余り笑い出していた。

私はついに椅子を持ち上げた。

「キャッ」

4人が怯んだ。

「警察に行って、私が盗んでないと証明されたらこれでお前達をぶん殴るからね!」

涙が溢れてきて止まらなかった。

「よかったじゃない。警察に逮捕されるんだから。本当に盗んだんならね!!」

バンッと椅子で自分の机を思い切りぶっ叩く。大きい音がした。

かろうじて彼女たちを殴るのは思い留まった。

してはいけないと分かっていたから。あぁ殺したい。でも犯罪者になりたくない。

いじめられて同級生殺害をする人の気持ちが分かるし正直羨ましいけど。

ここでブレーキがかかってしまう私は偉いと自分で自分を褒めた。

彼女達は逃げ去り、誰かに呼ばれたのか駆けつけてきた先生に私は怒られ、

翌日財布の事には触れられず

「暴力を振るってごめんなさい」と彼女達に謝らさせられた。

先生が「盗んだのは竜祖ではない」と皆の前で改めて言った。

結局警察に行く事は出来なかった。

先生によると仲国達の情けで「仲国の勘違いにしてくれた」のだそうだ。

少し残念だ。親からも怒られたし。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ