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気だるい毎日  作者: ちゅうか
11/16

お金に注意

修学旅行のグループ決めにて。

先生がお情けであるグループに入れようとしてくれたが、私は修学旅行休みますから気にしないで下さい、と言った。

家に帰って親にそれを話したら怒られたのでやむなく先生の余計な情けに従った。

彼女たちが計画を立てるのも口を出さずにただ見ていた。

本当は、自分達で選んで回れるコースの中にとても行きたい所があったけれど、

「嫌われ者」の自分は荷物で、その上に違う意見を言うと

彼女たちの楽しい計画を邪魔してしまう。それが「迷惑」に値するのは

自覚していた。私は馬鹿じゃない。円満に行けばそれでいいと思っている。

修学旅行は悪くなかった。教室よりは空気が綺麗で新鮮だったから。

くよくよするのはよくないし、団体行動を乱すのもよくないから、固まって騒ぐ彼女たちから離れ過ぎない程度に一人でいて、

私なりに楽しむようにしていた。

途中で彼女たちが店に入ったので自分も仕方なく入って色々な物を見ていたらいつの間にか置いてけぼりにされていて、一人で勝手に行動するなと先生に怒られた事があったりはしたが。

しかし部屋割りが問題だった。

6人グループに3人部屋を割り当てられたからニつに分かれる。

誰も私と同じ部屋になりたがらなかった。そう言うのは空気で分かる。

そして私もなりたくなかった。

私以外の他人といると、「物を盗んだ」事件を起こされて、その犯人扱いされかねないからだ。

そして逆も有り得る。私とてさすがに寝ない訳にはいかない。

先生に一応、私といると皆が迷惑なので先生の部屋においてください、と駄目もとで頼んだが、特別扱いできない、と断られた。

そして部屋割りが決まった。

私は風呂をすぐ済ませてベッドの中に入って、もう関わらないようにしていた。

が、残念なことに耳障りな雑音が入って来てしまう。

「あ〜あ、本当ならここに美凪ちゃんがいるはずだったんだけどな〜」

と言い合う他の二人の言葉を聞きながら気を張り詰めていたが、

やがて何も分からなくなった。

次の日、やはり事件が起こった。

「あれ〜無い、おかしいな〜」

と言う鈴帆すずほの声で目が覚めた。

「何が無いの?」

梨翠りすいが言う。

「お金が無いの、千円」

二人が自分の方を向いた。

「美凪が完徹したって言ってたから美凪じゃない?」

ぶっきらぼうに言い放つ。

隣の部屋にいる人達はこっそり私がいる部屋にやって来て、一時間しか寝てない〜、ほど騒いでいたのだ。

「あ。こんなとこにあったよ」

鈴帆が財布の隅に折りたたんで入れてあった千円札を取り出す。

鈴帆の勘違いだっのだ。

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