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2話 オリジナル?武器

【クリティカルダメージ!】

【クリティカルダメージ!】

【クリティカルダメージ!】

【エルッドラビットは倒れた!】


「これでエルラビ34匹目だぞ・・・」


時間帯は正午過ぎ、草原の先の休憩地点を尚進んだ所にある二つ目のエリアと思われる森。

この森を越えれば二つ目の街に辿りつけるのだが、今回はそれ目的に来たのではない。


「グランベアまだ出ないのか・・・」


そう、今回の目的はグランベアというボス級モンスターに入る熊型モンスターだ。

あくまでボス級なので複数体出る事は確認されている。

適正レベルは20代とかの話なのだが今の俺にとってはそれを差し引いても手に入れたいドロップアイテムがあるのだ。

何かと言うとそれは鋭利な黒爪と名付けられたレアドロップ素材アイテムだ。

なぜ必要なのか、これは朝にあった話だ。

ついでに言うとLV2上がった。


Name:ルーフェ

LV:18

STR(筋力):1

DUR(耐久):1

CON(体力):1

VIT(生命):1

AGI(敏捷):1

DEX(器用):1

POW(精神):1

FOR(理力):1

INT(知性):1

LUK(幸運):82

盾スキル【パリィ(受け流し・弾き返し):LV・M】

盾スキル【シールドバッシュ:LV8】

射撃スキル【速射:LV・M】【三連凶弾:LV2】

投擲スキル【同時投擲:LV6】

右手武器:M式試作型-アインス

右手アイテム:小型爆弾×5

左手武器:初期銃・木の盾


【三連凶弾】

一発目は通常攻撃。(三発目まで成功すれば爆発ダメージ※三発目の爆発ダメージとは無関係)クリティカルした場合その数字に加算。

二発目は一発目の2倍のダメージ。

三発目は二発目の5倍ダメージ+爆発ダメージ+貫通ダメージ+武器の付与能力5倍上昇。

これは一度に三連発撃ちだされるが一発でもはずせば全て無効化される。

この技を使った武器は一定時間攻撃を行えない。







~四日目朝~




「武器を新調しよう!」


その一言が面倒と出会いの元だった。

俺は宿屋を飛び出て早速武器屋に意気揚々と向かう。

何故迷わずに行けたのかというと三日目は丸一日を使って街探索に費やしてしまったのだ。

そのおかげで人目を避けつつ移動する事ができたが。


(最近マジで俺の事見てくるヤツ多いんだよな・・・)


たとえこれがゲームの中であろうと視線とかは感じてしまう、そこまで作り込んであると考えると少し気味が悪い。

さっさと武器屋の扉を開け中に入るといかにもNPCといった店主が立っているので声を掛けようとすると後ろからがっしりと肩を掴まれたのだ。


「うっひゃぁ!?」


思わずあらぬ声を上げる。俺が。

首だけを動かしその肩を掴んでいる犯人を見てみるとそこには物凄く大きなクマがある女性がすがる様な目でこちらを見ている。


「・・・仲間にしますか?」


「しないよ!さり気なく心読まないで!」


女性は俺を振り向かせた後、両手で手を握り一息で言った。


「ここに来たって事は武器を必要として来たんでしょ?そうでしょ?私武器を作るスキル持ってるんだけど使う相手がいないし金もないから何か私に作らせて!」


切羽詰まった様な、鬼気迫る表情で俺に懇願してくる。

両手で握られた手には若干震えているのを感じる、どうやら本格的に不味いのだろう。


「ええと、先に話から聞いてもいいかな?」


「・・・そうよね。どうせNPCから買う武器で十分事足りるわよね、何で私は鍛冶スキルなんてとっ・・・え?本当!?聞いてくれる!?」


「も、勿論だよ!」


「ありがとう!」


言うと彼女は物凄い笑顔になり両手を上にしたかと思いきや盛大なハグをかましてきたのだ。

俺の虚乳に顔を埋める女性、しかも中々スタイルが良いようで腹辺りに何か柔らかい感触がある。


(ダメだ。このままだと俺が戸惑ってるじゃねぇか!戸惑わせるのは俺の本業だろうが!まだ挽回できる!)


「ところで名前教えてくれないかなー?相手の事何も知らない人に武器作成なんて頼めないよ?」


「そうよね!全く持ってその通りよね。私のプレイヤーネームはミヤビで、メインに鍛冶スキルサブにパッシブスキル、調合スキルがあるのよ。そこで!貴方が何か使える素材を持っていれば私が鍛冶スキルを使って武器を作れるかもしれないって事!」


要するに武器作成を依頼してくれって事か。

プレイヤーが作成した武器が特別強いのであれば迷うことなく頼み込むのだが、昨日丸一日歩きまわった街では一人も鍛冶を引きうけるという人を見なかった。それだけ鍛冶スキルと取る人がいなかったのか、もしくは鍛冶スキルによって作成された武器がそこまで強くないのか、そこの詳しい話を知らないからどうしようもないが。

まぁ別に俺としては本格的に攻略に走るのではなくゲームを死なない程度に楽しむ事を目的にしているから多少の損をしても構わないと言ってしまえばそれだけだ。


「うん、OK!早速武器製作を依頼しようかな~。素材いるんだっけ?適当に見てくれない?」


俺の承諾の意を確信した時彼女は涙を流しながらガッツポーズをしてくれた。一体ミヤビにこれまで何があったのか聞いてみたいが長くなりそうなのでまた今度にしよう。

そんな事を考えつつ一番素材っぽい魅惑のハートをアイテム化して見せる。

すると彼女は驚愕の顔でそれを手に取った。


「何よこれ・・・レア度7とか見たことないわ」


レア度ォ?

質問するとミヤビは簡単に説明してくれた。

レア度はその名の通りすべての武器やアイテムに位置付けされるランクだ。

そのランクは最大で10までしかなく、ドロップとしては7以上からは大抵レアドロップの域に入るのだ。

モンスターにもレア度は適用されるがその意味の9割は危険度だ。


「うん・・・これなら中々良い物が作れそうね。でもこれだけじゃ足りないかな・・・」


「足りない?」


「ええ。鍛冶スキルってのはね」


長いので簡潔にまとめる。

武器作成には武器の型が必要(お買い求め可能)

素材にはメイン素材とサブ素材(複数選択可能)が必要

メイン素材によって武器の形、基礎能力が決まる。

サブ素材によって属性、威力、特殊スキルなどが付く場合がある。

作成した武器名は自分で付けれる。

鍛冶スキルによる自作作成武器に進化は無いが強化はある。

サブ素材を後から追加強化可能。

結論:サモンナイry


「で、サブ素材に良い物を使った方が良い銃が作れるって事?」


「そういう事。適当な物で代用してもいいけど・・・どうする?」


「それはもちろん・・・」









~四日目正午過ぎ~



「そんでこうなったわけだ・・・全く」


メイン素材は魅惑のハートに決まったわけだが、サブ素材に良質な物が無かったので何かないのかと聞いたらグランベアからのレアドロップを取ってこいというオチだった。

武器が心許ないと言われM式試作型-アインスとかいう銃をタダで貰えたから問題は無いのだが。

何故アインスなのかと聞いたら他は失敗作だそうだ。

アインスとはドイツ語で1という事、何でわかるか?13歳から14歳くらいの頃を思い出せばよく分かると思うよ。

ちなみに成功作品はヒュンフまであるとかないとか。


「うわぁぁぁぁぁあああああ!!!」


叫び声、男の声だ。

ここ一帯グランベア意外に強い個体は見かけられないという事をミヤビが言っていた、それを考えると悲鳴の元はソイツだと思っていいだろう。


「縮地っ!」


縮地などというスキルはない。









★――――――――――★






「なんだよコイツ!強すぎだろ!?」


俺の目の前には大きく鋭い爪を軽々と振り回す熊のような化け物がいた。

レア度が6とだけあってこいつを倒せばレベルが上がると威勢よく挑んだのはいいものの、パーティの一人がその爪に軽く掠っただけでHPバーが大きく減少し、精神値が低かったためかその反動で動けずまた爪に大きく抉られゲームオーバーとなった。


「うわぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」


またパーティの一人が狙われ逃げ続けている。

もう一人が魔法を放って援護しているがダメージが入っているように思えない。

ここで逃げるべきか、仲間を見捨てて逃げたら後がどうなるか分からない。

魔法を放つのをやめ俺と顔を見比べる、彼もまた何とも言えない表情だ。おそらく俺と似たような事を考えていたのだろうか、そう思案していた時。


「私のこの銃が真っ赤にを燃える!レアドロ掴めと、轟き叫ぶ!M式試作型-アレイン使用!三連ッ!凶弾ッ!!!」


森の木の枝から一人の女性が何かを叫びながら飛び降り、銃口を熊型モンスターに向けて撃ち放ったのだ。

その姿はまさに救世主。

パン!ガン!ガウン!と三つの全く違う銃声が響くと、熊型モンスターは弾かれたように地に倒れる。

それと同時に両手に銃を持った女性が空中で数回回転し綺麗に着地した。

女性が顔を上げるとそこにはニヤリと不敵な笑みが浮かんでいて、その目の先には立ち上がろうとしている熊型モンスターがいた。

だがさっきまであった恐怖はこの女性が現れた事によって無に等しくなっていた。


「あ、あの・・・すみません」


魔法使いの男が彼女に声を掛けると、振り向かずに熊型モンスターに銃口を向け、こう答えた。


「大丈夫!、ノープログレム!」


自信を持ってはっきりと言ったのだ。

この合間にも熊型モンスターはこちらに向かってきている。

だが彼女はそれに対して全く怖気づく事無く銃口をただただ向けたまま堂々と立っているのだ。

熊型モンスターが接近し、彼女に大きく鋭利な爪を振る。

それに対し彼女は超ギリギリのところで身体を後ろに反り回避し、低姿勢のままバク転を行ったのだ。

俺達は逃げに徹していたので、彼女の横顔が見る事が出来た。その顔には驚きの表情が見て取れた、あの状況で軽々と敵の攻撃を回避しながらそれに驚く余裕があるというのか、彼女はいったい何者なのだろうか。

彼女にまた熊型モンスターの爪が振られる。

その攻撃に何の反応を示すことなく彼女は爪をじっくりと見ているようだ。

そうして彼女の身体に爪が振れるか否か俺は目を瞑ったが、瞬間大きな鈍い音が響いたのだ。

目を開いてみれば熊型モンスターが右腕を大きく投げ出し、無防備な状態を晒していた。

すかさず彼女は両手に銃を構え異様な速度で乱射する。

熊型のモンスターは猛攻に耐えきれなかったのか、大きく後ろから倒れ、斬りの様に分散し消えた。


「レアドロキタァァァァァァァァアアアアア!!!」


彼女は大きくガッツポーズをした。






★――――――――――★





「私のこの銃が真っ赤にを燃える!レアドロ掴めと、轟き叫ぶ!M式試作型-アレイン使用!三連ッ!凶弾ッ!!!」


【ルーフェさんがスキル【三連凶弾】を発動した!】

【一発目クリティカルヒット!】

【二発目命中!】

【三発目命中!】

わざわざ登場のために木に登って枝から降り撃ち演出。


(って、ヤバッ。受け身取れるか!?)


三連凶弾を撃ち込み全弾命中したのはいいものの、目の前に迫るのは一色地面、覚悟を決めて前転をイメージしたら簡単に足で着地できた。


(はは、これゲームの中だから身体能力に補正かかってんのかな。そうじゃなかったら今頃綺麗な赤い花咲かすところだったかもしれん)


もしそうなったときの事を考えると顔が引き攣る、一周回って逆に笑ってしまいそうだ。

そうしているうちに熊型モンスターは立ち上がりこちらに向かってくる、こいつを倒す方法はただ一つ、直感パリィからの速射しかない。

走り迫って来るグランベアに恐怖あるが、自分に言い聞かせる。


「大丈夫!(倒せる!)ノープログレム!」


自己暗示は大切だ。

パリィを狙うにはできれば右腕からの攻撃が望ましい、そのために両腕とも銃にして防ぐ術がありませんよアピールをしているのだが・・・

グランベアの爪が届く距離まで来たときに俺の目の前に小さな虫がいたのだ。


(うわぁっ!?)


声を出す暇すらなく俺は身体を後ろに思いっきり反り、倒れるのだけは嫌だったので一か八かで足に力を入れ後ろに跳ぶと見事バク転を決める事が出来たのだ。


(すげぇ・・・現実の方ではバク転して大怪我したけど、成功すると気持ちいいな)


俺はまた銃を構え直しまたグランベアの爪を見据える。

グランベアが右腕を振り上げるのを確認し、【直感】を発動させる。

黒く鋭利な爪が迫ってくるが、盾と【パリィ】発動をすぐに出せるように控えつつ【直感】が反応するのを待つ。

そして

【ルーフェはスキル【パリィ】を発動した!】

【確定的成功だ!】

盾に持ち替えた左手武器をすぐに初期銃に変更し、両手共にスキルを発動させる。

【ルーフェはスキル【速射】を発動した!】

【ルーフェはスキル【速射】を発動した!】

【グランベアにダメージ!】6発

【グランベアにクリティカルダメージ!】14発

【グランベアは倒れた!】

【レベルが上がった!】

【鋭利な黒爪を手に入れた!】

【10000Gを手に入れた!】

どうやら削りきれたようで、グランベアは倒れてくれた。それよりも・・・


「レアドロキタァァァァァァァアアアアアアア!!!」


鋭利な黒爪がドロップしているのだ、レア度は7。

俺はこれで新しい武器が作れると興奮のあまり五つしか持っていない初期報酬の帰還の移術を使い速攻で街に帰った。

周りのプレイヤーが何か言っていたがその時の俺には全く聞こえていなかった。






★――――――――――★




「ただいま帰っくふぅ!?」


「待ってたよルーフェェェェッ!!」


最近金に余裕があるので寝泊まりするところを少し広くしたからミヤビをそこで待たせていたのだが、扉を開けた瞬間ボディにタックルハグをかましてくるとは予想できなかった。

もちろん運全振りの俺はその衝撃に耐えることができず廊下にぶっ倒れる。

後頭部強打だ。


「い、痛い・・・」


「あっ、ごめん。嬉しさのあまり・・・」


言うとミヤビは簡単に退いてくれた。

女性特有のいいにおいはゲームの中でも共通らしい、全く無駄に繊細なゲームだぜ!

部屋に入り早速黒爪を渡す。

作成料金と言う事で今日狩ってきた10000Gを渡し、多すぎると文句を言われたが貰っとけと説得すると何とも言えない表情で受け取ってくれた。

作成状況は見えなかったが意外と早くに終わり、武器名を何にするかが問題となった。


「自作成功作品にはM式って付けてるんだけど・・・」


「M式ってなんかマゾみたいだと思ったりしないかな?」


「盲点だった!」


ミヤビはM式をできれば付けたいらしい。

確かにこれを使って高評価が得られれば彼女に武器製作を依頼する者が現れるかもしれない。


「うん。M式は付けても良いと思うけど全体的な名前だよ」


「メイン素材は魅惑のハートだけど完成結果がね・・・」


完成した銃の形が魅惑のハートの欠片もないのだ。

失敗かと思われたが能力値には+20とあったりするし、成功としか思えない。


「サブ素材が強すぎたのかもしれない、とか?」


「あーあるかもー」


全体的な色は黒で赤い線の模様が付けられている、これじゃ魅惑のハートというよりはそれを貫く方だ。

・・・貫く方?


「閃いた!」


「えっ、何々!?」


「この銃の名前は“M式-ゼクス・キラークイーン”だ!」


Name:ルーフェ

LV:20

STR(筋力):1

DUR(耐久):1

CON(体力):1

VIT(生命):1

AGI(敏捷):1

DEX(器用):1

POW(精神):1

FOR(理力):1

INT(知性):1

LUK(幸運):88

盾スキル【パリィ(受け流し・弾き返し):LV・M】

盾スキル【シールドバッシュ:LV・M】

射撃スキル【速射:LV・M】【三連凶弾:LV4】

投擲スキル【同時投擲:LV6】

右手武器:M式試作型-アインス

右手アイテム:小型爆弾×5

左手武器:初期銃・木の盾

急ぎ足で作ったので不備が見られるかも

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