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一人じゃない

作者: ☆のく☆

 誰だって、自分を追い詰めちゃったり、自分を責めちゃったりすること…あるよね??

自分が悪いんだって、自分がやらなきゃって、全部に押しつぶされそうになって、迷って、傷ついて。

そんな私が体験したとあるクラスのお話です。


「それじゃぁクラス委員を決めるー。男女各1名ずつ計2名を選出する!!立候補者はいるか??」


私は、先生のそんな言葉を聞いて、手を挙げた。

私しかいない、ってそう思ってたから。


「…女子は朝霧しかいないのか??」


手を挙げたのは私だけ。


「よし、女子は朝霧に決定だな。宜しくな、頑張れよ??朝霧。一応前に出て挨拶しとけな??」


「…はい」


今年で私は受験生になった。

人生で初めての受験生。

そんな不安を感じながらも、私はクラス委員を頑張るって決めたんだ。


「…クラス委員に立候補した朝霧陽あさぎり みなみです。中学校最後の一年、悔いの残らないよう精一杯頑張っていこうと思います!!宜しくお願いします」


私は、誰よりもしっかりしてて、責任感の大きさはだれにも負けない、そんな『完璧』を自分自身に求めていたんです。


「男子はどうするんだー??」


3人の立候補者。


和泉耕輔いずみ こうすけです。クラス委員の経験も豊富ですし、仕事は最後までやり抜きます。宜しくお願いします。」

クラスの中で一番と言っていいほど頼りがいのある男子。


大多一輝おおた かずきです!!楽しくやっていきたいです。僕に投票してください!!宜しくお願いしまーす」

ふざけた感じの男子。正直彼と一緒にやっていける自信は…ない。


新村隼太みむら はやたです。クラス委員の経験はないけれど、新しい考えを持って頑張っていきたいと思います。宜しくお願いします」

部活が同じ比較的仲良しな男子。


私は…新村に票を入れた。


「男子のクラス委員は新村に決定したー。それじゃぁこれから新村と朝霧は頑張れよー??」


こうして私のクラスのクラス委員は決定した。


上手くやっていける、絶対できる。

そう思ってたはずなのに…


~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~


「朝霧、僕どうすればいいの??これから委員会??」


「あ、そうそう。新村、この書類今日中に提出しなきゃならないから宜しくね??」


「え!?僕が書くの??」


「新村、男子でしょ!?」


「そうだけどさ…」


「…分かったよ、私やっとくから。」


「ありがと、僕まだ分かんないんだよ、色々。」


「だよね。私やっとくから♪」


…頑張ろうって決めてたから。


「えっと…」


「先生!私、手伝います!!っていうか、それやっておきますよ??」


「本当か、朝霧??助かる!!」


「いえ。任せてください!!」


「陽ー!!このプリントってさー」


「あ、良いよ!!そこに置いておいて??私が処理しとくからー」


「朝霧さん!!この問題が分かんないんだけど…」


「えっとね、この文字にこの式を代入して…」


「陽ちゃーん??教科書貸してくれない??」


「あ、いいよー」


こんな日が一週間も続きました…。


~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~


「陽ちゃん、どうすればいいの??」


「えっとね、今調べるから待っててくれる??」


「それさっきも言ってたじゃん!!」


「ご、ごめん…」


「早くしてよ!!」


「ちょ、ちょっと待ってね…先にこっちの用事…」


「そればっかりだよ!!陽ちゃんさ、本当にクラス委員やっていける…「言いすぎじゃね?」」


「えっ!?」


「朝霧さ、頑張ってんだよ。」


「何?投票でクラス委員なれたからって調子に乗ってんの?新村君さ。」


「そうじゃないけど…。」


「…いいよ新村。私が悪いからさ」


「いや、でも…」


「陽ちゃん、それでどうするの??」


「あ、うん…えっと、これがね…」


新村は私を庇ったみたいだけど、私はクラス委員。

全員分の責任をとらなくちゃいけない。

しかも、褒められずに仕事をこなさなきゃならない。


辛いなんて思ってる暇もない。


~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~


「ゲホッ、ゴホッ」


「陽??咳してるけど大丈夫なの??」


「大丈夫だよお母さん」


「学校休んだら??」


「休めないの!!仕事があるんだか…ゲホゲホッ」


「無理はしないでよ!?」


・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


「陽おっはよー♪」


「おはよ!!」


「あれ??陽、今日顔色悪くない??」


「え?そう??そんなことないよ、平気!!めっちゃ元気だし♪」


「そうなの??それならいいけど…」


「うん、大丈夫!!」


「おはよう朝霧」


「あ、おはよ新村。書類なんだけど…こんな感じで出来たんだけど、どうかな??」


「あ、良いんじゃね??でも、完成度高いな…これ、凄い。」


「ありがと。かなり時間かかったからね…うん」


「そっか。ごめん、手伝わなくて」


「良いよ全然!!大丈夫♪」


「あ…うん」


「朝霧ー新村ー」


「はい??」


「今日の午後クラス会議を行うから、司会を頼んでも良いか??」


「はい、勿論です!!」


「宜しくな??」


・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


「今からクラス会議を始めます」


「今日は学級目標を決めたいと思います」


「意見のある人は手を挙げて発言してください」


「クラス委員!!面倒だからお前らで考えろってー」


「だよなー」


「…」


こんなに貶されるなんて思ってもみなかった。

私たちのしてることって一体何なんだろう。


「意見のある方は挙手で発げ…ゲホッゴホッ…んしてくだ…ゲホゲホッ」


突然真っ暗になる視界。

私…今どうなってる??


「朝霧!?朝霧、しっかりしろ!!朝霧!?」


…新村の声と先生の声…クラスの皆の声…が聞こえる


「先生、朝霧は今日ずっと体調が良くなかったみたいなんですけど…」


「そうなのか??」


「僕が何も気付かず朝霧に無理させちゃったからいけないんです、すみませんでした」


「謝ってる余裕はないだろう」


「…はい。朝霧、聞こえるか?大丈夫か??急に座り込んで…平気か?立てるか??」


「…大丈夫。」


立とうと思っても言う事を聞かない私の体。

…このままじゃクラスの皆に迷惑をかける。先生にも、新村にも迷惑をかける。

クラス委員なんてそんなものか、って思われる。


そんなの嫌だ。


「…先生、朝霧を休ませてあげてください」


「その方がよさそうだな」


「嫌です!!私、大丈夫ですから!!絶対に大丈夫です!!」


何故かその言葉だけ大きな声が出た。


「…朝霧、お前頑張りすぎだよ。絶対熱あるから。休めよ、たまにはいいだろ??」


新村の言葉が重くのしかかる。


「大丈、夫…」


差し出された新村の手を頼りに自分の座席までたどり着く。


「ごめん…」


と呟くような新村の声が聞こえた気がするけど、私の気のせいなのかもしれない。


自分の座席について机に伏せる私。

これじゃぁ不良生徒と同じ。

駄目だ、自分を保たなきゃ。


「…行くぞ」


私のせいで中断されたクラス会議。

新村は、クラスの皆に考えておくようにと伝えると、臨時の人に任せて私に誘いをかけた。


何の事か分からないような目をする私の手を引き、一階の保健室まで引っ張って来た新村。


「余計なお世話」


「病人が言うな」


そんな新村の言葉が少し嬉しかった半面、悲しかった。


「体温測れよ。お前、熱い。」


「…」


重たい体を持ち上げて体温計をとりに行き、検温する。


「40度も熱があるのに学校にくるバカがどこにいる」


「…ここにいる」


私は、結局迷惑をかけてしまった。


「迷惑だなんて思うなよ。僕が好きでやってる。」


「…クラス会議は」


「クラスメート放っておくクラス委員がいるかよ。ましてや同じクラス委員だし」


「…ありがと」


私は急に体と瞼が重たくなり、そのままベッドで寝てしまった。

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