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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

幽霊さん

掲載日:2026/07/29

因果応報いんがおうほうとは、自分のした良い行いも悪い行いも、その結果として必ず自分に良い報いや悪い報いが返ってくるという意味の言葉です。元々は仏教の教えで、すべての行動(因)にはそれに見合った結果(果・報)があるという自然の法則を表しています。

私には、幽霊の友だちがいる

学校のトイレで、見つけたんだ

ゆみちゃん、幽霊の子は、自分のことをそう言った

ゆみちゃんは、泣いていた

そして、よく見ると、腰から下が、欠損していた


「どうしたの?」


私が声をかけると、ゆみちゃんは振り向いた

その瞬間、ゆみちゃんは笑った


「やっと……見つけてくれた……」


話を聞くと、ゆみちゃんは数十年、誰にも見つけられず、一人で泣いていたらしい


「ねえ、私達、友達にならない?」


私は、ゆみちゃんに提案した

すると、ゆみちゃんの表情は晴れ、私に抱きついてきた

でも、触れられない

なぜなら彼女は、幽霊だから


「えへへ、わたしたち、友達!」


私達は、色んなことを話した

私はなんなのか、ゆみちゃんは、今までどうしてたのか

色んな事を話し、仲良くなった


「ねえ、お出かけしない?」

「お出かけ?」


ある日、私はそう、提案した


「お出かけ……行きたいけど……わたし、ここから出られない……」


ゆみちゃんは、学校のトイレから、出られなかった

でも、私はどうしても、ゆみちゃんとお出かけがしたかった


「大丈夫だよ!きっと、出来る!」


私には、謎の自信があった

私は、ゆみちゃんと手を繋いだ

実際には繋げていないが、私の手には、手を繋いでいる感覚があった


「いい?行くよ?」


私はトイレの扉を開けた


「それっ!」


大きくジャンプし、トイレを飛び出した


「……っ!」

「出れた……」


私達は、トイレの外に出られた


「やった……やったね!ゆみちゃん!」

「……!うん!ありがとう!」


私達は学校を飛び出し、色んな所に行った

体育館、コンビニ、近くのお肉屋さん


「あ……雪……」


太陽の日が傾くにつれ、気温もどんどん下がってきた


「雪……綺麗……」


ゆみちゃんは、終始楽しそうだった


「……ねえ、嫌なこと、聞いていい?」


私は、駅に向かう道中、踏切の前で、聞いた


「嫌なこと?なあに?」


私は一呼吸置き、ゆみちゃんに聞いた


「ゆみちゃんってさ……」

「どうして、亡くなったの?」


今まで、ゆみちゃんが私を先導していたのに、ゆみちゃんの進む足が止まった


「……知りたい?」

「あ、ごめん、嫌だったら、別にいいから」


私は、ゆみちゃんが嫌な気持ちになっていないかを心配した


「ううん、大丈夫」


ゆみちゃんは、私を見た


「そうだね……どこから話そうかな……」




わたしは生前、いじめられていた


「おいゆみ!ちょっとこっち来いよ!」


わたしをいじめてきた主犯格はこの、松平みか


「お前さあ……私の宿題やっとけって言っただろ?なんでやってねえんだよ」

「しゅ……宿題は、自分でやるものだから……その方が……絶対、松平さんの、ためになるし……っ!」


時には、わたしが指示に従わなかった時




「あーマジムカつく、なんだよ、あのクソ教師……おい、ツラ貸せよ」


時には、ストレス発散で




「なあ男子、お前らどうせ童貞だろ?こいつ貸すからさ、これで捨てろよ」

「マジで!?いいの!?」

「お前もよかったなあ、処女、貰ってくれるアホがいてさ」


時には、男子たちの慰み物として




「うっ……!」


ある日、松平さん一行に、呼び出された

雪の日、踏切の前に


「お前さあ……マジで鬱陶しいからさ、死んでほしいんだよね」


「うっ……あっ……あぁ……っ!」

「なあ、聞いてる?死ねって言ってんだよ」

「おいおい、誕生日が命日になんのおもろすぎんだろ」


松平さんは、倒れているわたしを、容赦なく踏んできた


「ほら、死ねよ」

「死ーね!死ーね!死ーね!」


後ろで男子たちが、わたしに向けて、死ねコールをしてきた


「うっ……」


私は逃げようと、立ち上がった


「お?」

「し……人に死ねなんて、言ったら……だめです……!こ、今回は……許しますから……次からは……気をつけるように゛っ……!」


また、蹴られた

でも今回は、倒れずに済んだ


「死ねって言ってんの、わかんない?」


後ろで男子たちが、カメラを構えてそれを傍観していた


「ほら、死ねよ、死ーね」


松平さんは、ダウンのポケットに手を突っ込みながら、私を蹴る


「うっ……あ゛っ……」

「さっさと……!死ね!」


松平さんは、さっきよりも力強く、わたしを蹴った

わたしは、線路の中で倒れた


カンカンカンカン


遮断器が、降りる


ガタンゴトン

ガタンゴトン


電車の音が、聞こえる

ライトが、わたしを照らす


「おい、これ、やばくないか?」


ファーン……


起き、られない


「おい……ちょ……」


ファーン!


「あ……」




「……って感じ」

「そうだったんだ……ごめんね、嫌なこと、聞いちゃって……」

「ううん、大丈夫だよ……だって」


ゆみちゃんは、私に近づいてきた


「ようやく、会えたんだから」


ゆみちゃんは、私をすり抜け、私の後ろに来た


「ねえ、覚えてる?初めて会ったときのこと」

「うん、覚えてるよ、初めて……あのトイレで……」

「違う」


その事実を、ゆみちゃん本人に、否定された

「え?」

「覚えて、ないんだ……」


ゆみちゃんの目が、黒く、塗りつぶされている


「ゆみちゃん?」

「……まあ、いっか……さっきの、わたしの話さ……」

「見に覚え、ない?」

「え……」


さっきの話、ゆみちゃんの過去のことだろう

見に覚え、いや、あるわけがない


「あの日……忘れもしない、あの日だよ……うん、覚えてないなんて、言わせない」

「あの時も、こんな天気だったよね、みかちゃん」

「え……なんで、名前……」


私はゆみちゃんに、自分の名前を、言っていない


「……本当に、覚えてないんだ……」

「覚えてないって……何を……そもそも、私達が初めて会ったのは、あのトイレじゃん……それ以前に会ったことなんて……」

「ねえ、みかちゃん」


怖い顔で、近づいてくる

それに気圧され、一歩、後ずさる


「この踏切、だったよね、わたしが、轢かれたの」

「あの日……二月十四日……わたしの、誕生日……ああ、そういえば今日もか」

「なんの、話?」


一歩


「高橋壮亮、田中京介、荒木五郎……そして……」

「松平、みか」

「……っ!」


まさか


「まさか……」


「ふふっ、思い出した?そうだよ、私は……」

「二十年前、あんたに殺された、藤宮ゆみ、だよ……!」


一歩


「ちょ……待ってよ……藤宮……え?」


理解が、できない


「何驚いてるの?自分たちが蒔いた種だよ?ほら、ちゃんと拾わないと」


二十年前、高校生のときだ


「あ……」


思い、出した




ファーン……


肉が、千切れる

骨が、砕ける


「おい……みか……」


悲鳴が、聞こえる

電車が、通り過ぎる

そこには、真っ二つになった、藤宮ゆみがあった


「うっ……おえ……っ!」

「なあ……や、やばくないか?これ……死ん……おい、藤宮!」

「逃げ……逃げるぞ!」




そうだ

ゆみを

こいつを

殺したのは




「えー……大変残念だが、藤宮が、亡くなった」





私、だ


「わたし、運がいいみたい……まさか、こんなかたちで、再会できるなんて……」


一歩


「ちょ……ちょっと待ってよ!えっと……!えっと……?」

「言い訳、する?」


一歩


「わたしの、この傷ね」

「電車に轢かれて……肉を切られて……骨も潰されて……すっごく……痛かったんだ……」


一歩


「それでね、君達が逃げたあとね、私、必死で探したんだよ……下半身を……」

「でも、なかなか見つからなくてさ……そのうち、血が固まっちゃって……なかなか死ねず……苦労したんだよ……」


一歩


「それでね……まだ、見つかってないんだ……だからさ……」


一歩


「みかの下半身、頂戴?」


一歩


「あっ……」


視界が、反転する


「痛っ……」


背中に、刺さる

砂利が、尖った石が

どこだ、ここは


ガタンゴトン

ガタンゴトン


電車、そうか

ここは

踏切の、中だ


カンカンカンカン……


遮断器の、音?


ファーン……


電車の音

嫌だ


「最後の授業……六時間目……国語の先生、言ってたよね……わたし、あれずっと忘れない」


嫌だ

死にたく、ない


「因果応報……自分がした、良い行いも悪い行いも、結果として、自分に返ってくるって意味……どう?今から、報いを受ける気分は……」


ガタンゴトン

ガタンゴトン


ライト、近い


「い……嫌だ!ちょ……助け……助けてよお!」

「……ごめんね、わたし、幽霊だから……手、使えないんだ」

「あ……」


ファーン……


ガタンゴトン

ガタンゴトン


ういー

おつかれさました

どうでしたか?明るい作品でも読んで脳を回復させてください

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