表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はお兄様を愛している  作者: こつめ
Interlude-Ⅲ 権勢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/33

acte,prince héritier

《シーヴァス暦356年 晩冬》

 王太子執務室。


 王城の一角にある、その部屋の扉前には騎士が二人立ち、常から固く守られている。今、室内は人払いがされ、王太子ローレンスとその側近であるキースが執務机を挟んで対面していた。椅子に腰掛けているローレンスは、重厚な天板に両手を組んでおくと、目の前に立つキースを視線で促す。


「手紙が届きました。」

「そうか。」


 受け取り、封蝋を割る。開いて取り出した便箋へ目を通しながらキースに話しかけた。


「公爵と話をする。手配を。」

「畏まりました。」


 読み終わった手紙をキースに渡す。心得たように受け取って流し読むと軽く頷き、そのまま胸の内ポケットに仕舞い込んだ。ローレンスは両腕を組み、背もたれに身を預けると俯きながら低い声で呟いた。


「難しいな……。」


 キースの顎にぐっと力が入る。主の心労を思って不満を覚えた。両脇に下ろした拳を握りしめ、苛立ちを隠す。


「とにかく、ここまできたら引き返せない。何としてもアーガン伯爵には受けてもらう。」


 しっかりと視線をキースに合わせ、ローレンスが告げた。脳裏に浮かぶ、美しい青年。初めて会った時、視線が吸い寄せられた。会話をする機会があり、是非側近にと願ったこともある。だが今は、あの頃とは状況が変わった。自分が望む未来のために、彼には犠牲になってもらわねばならない。


 そう。ローレンスには彼が、どうしても必要なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ