5.襲来
漁村で救出をしてから半月程が立った。
あれから槍をもう一本作成して二刀流になった。
さらにこの槍の活用方法を模索していた。
とがってるだけで刃が付いていないので切ることはできない。
なので突くか叩く使い方が基本になる。
ここ最近の狩りは突いたり投げたりして狩っている。
そこで槍を投げた時に気が付いたというか、問題があった。
投げた槍が刺さったが獲物が絶命せず逃げたのだ。
その時は急いで追いかけて何とか仕留めて回収したが、
あわや紛失するところだった。
一応、海で再度イッカクを仕留めれば作成できるが、
めんどくさいので対策を考えた。
その答えが念動力による操作だ。
投擲練習をしながら対策を考えているときに、
回収をめんどくさがり飛んで来いと念じたら、
まっすぐこちらに飛んできたのだ。
魔法があるんだから念動力もあるか。
このことに気が付いてからは念動力を鍛えている。
槍を投擲してから曲げたり回収したりできるようになった。
さらに回転させながら投擲して貫通力を高めたりもできる。
今ではかなり高精度に操作ができるようになった。
そうやってのんびり遊び感覚で槍を操ってると、
突然とんでもない悪寒が走り海の方を見る。
注視すると何かがこちらに何かが飛んできているのが見える。
近づいてきてそれが何かわかった。
ドラゴンだ。
10m以上あるドラゴンが上空を飛んできている。
しかもこちらにまっすぐ向かってきている。
そして真上まで来て対空している。
「やだがわおほきしほそをがきなほさ」
何か話しかけてくるが、何言っているかわからない。
とりあえず知的生命体なので静観しておく。
(言葉もわからない、浅い個体か)
なんか女性の声が頭の中で響く。
その瞬間ドラゴンが突撃してきた。
回避行動をとるが避けきれず前足で押さえつけられ、噛みつこうとしてくる。
避けれないので槍で突きまくってやる。
すると効いたのかドラゴンが離れる。
(面倒な奴だ)
ドラゴンは近づかずに攻撃するために尻尾攻撃してくる。
それを避けながらツララを飛ばすが当たっても大したダメージにはならない。
槍でダメージを与えるしかないな。
火を噴いて目くらましをしてから一気に近づこうとしたが、
薙ぐように振られた尻尾に吹き飛ばされる。
対策されてるな……。
(多少は知恵が働くようだな)
攻撃を加えるために何か策を考えないといけないな。
再度火を放ち視界を遮ってから槍を投擲する。
槍は掠ったが外れて後ろに飛んでいく。
ドラゴンは地上戦を避けようとしたのか飛び始める。
逃がさないために2本目を投擲する。
しかし羽ばたきで槍を吹き飛ばされる。
(槍はなくなったぞガラン!)
そう声が聞こえた瞬間、槍を念動力で操作してドラゴンに投げる。
死角からの飛んできた槍に対処できなかったのか2本とも深々と刺さる。
ドラゴンはそのまま墜落して動かなくなった。
(不覚を取った……)
ドラゴンから槍を抜くと血が流れる。
後はとどめを刺すば絶命するだろう。
しかしそんなことはしないで回復魔法を使う。
傷を治すとドラゴンは驚いた顔をしている。
(なんだお前は?)
返事のしようがないのでボディーランゲージでわからないと伝える。
(頭で考えたことをこちらに送ってみろ)
言われた通り伝えたいことを送る。
(聞こえますか?)
(聞こえているぞ)
どうやら成功したのか返事が返ってきた。
(私って何なんですか?)
(ガランという魔物である、大昔に滅んだと思っていたが)
なるほど、周りに同族がいなかったのは絶滅危惧種だったからなのか。
しかしやっぱり魔物だったのか。
(ガランってやばい魔物なんですか?)
(全属性耐性で悪意をもって生き物を襲うのがガランだ)
それで出会いがしらに襲ってきたのか……。
まあこんな見た目の魔物がのほほんとしてるわけないか。
というか全属性に対して耐性があるってチートだな。
それで近接攻撃というか物理で攻撃してきたのか。
(私はここでおとなしく生きていますよ)
(確かに悪意は感じんが信用はできんな)
そんなこと言われても戸籍でもあるわけでもなし、証明のしようがない。
どうしたものかと思っているとドラゴンが提案してきた。
(しばらくの間、貴様を観察させてもらおう)