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やっかみをぶつける者はどこにでもいる

「はい、これでロイ様はAランク冒険者に認定されました。おめでとうございます」


そう言って、金色のギルドカードをローゼンに渡す受付嬢は、目がハートだ。

ローゼンはそんな彼女に冷たい目を向けながら、ギルドカードを受け取った。


「おい!新人!どこのボンボンか知らねぇが、たまたま神級アーティファクトを手に入れられたからって、俺らと同じAランクに認定されるなんざ認めねぇぞ。アーティファクトに頼らねぇと何にも出来ねぇ屑なんだろうが?!」


馬鹿な冒険者がローゼンに絡んだ。

神級のアーティファクトの殆どが意思を持っていて、使い手を選ぶのはかなり有名な話だ。

冒険者をやっていて、そんな知識もない馬鹿がいるとは思えない。

まぁ、稀に使い手に実力が無くとも、神級アーティファクトが主として認める事例はある。

そういった類だと勘違いしたのだろう。

今ローゼンは神槍ナルカミは空間ボックスに仕舞っている。

敵意を向けただけで雷魔術が自動で敵を排除する性質上、人の多い場所では取り扱い注意の危険物だからだ。

ローゼンが丸腰になるのを狙っていたのだろう。

Aランク冒険者を名乗る三人組は、親の仇を見つけたかのように、ローゼンにあることない事言いがかりをつけている。


―レイ、半殺しならいいか?


―…うーん…ギルドの中で暴れるのはよくないね。


―そうか。路地裏なら問題ないな?


―くれぐれも、治療出来るレベルで心だけ折るんだよ?


一応忠告しておいたが、この世界のたかがAランクごときの冒険者が、彼に適うはずが無い。

ギルド内での乱闘はご法度だが、街中で冒険者同士が争うこと自体は禁止されていない。

殺せば犯罪者になってしまうが、元々性根の荒い人間が多い冒険者が、喧嘩をするのは日常茶飯事だ。


「…俺に喧嘩を売りたいなら付いてこい」


無表情でそう言い放てば、沸点の低い冒険者達はあっという間に激昂する。

すたすたと背を向けて歩き始めたローゼンに、今にも襲い掛かりそうになりながら、3人の冒険者はギルドから出ていった。


「では、私達は商人ギルドに行きましょうか」


ギルドマスターから、私達が大量のダンジョン産の宝石を入手していることは商人ギルドには通達が行っている。

使いこそやってこないが、商人ギルドも首を長くして待っていることだろう。

その前に昼食を済ませよう。

流石に朝から何も食べてないからお腹が空いた。

露店は期待できないので、この街で一番高級そうなレストランに足を踏み入れる。

エルノアとミズキは興味が無さそうだったので、サクヤとシルビアだけ連れて入った。

丁寧に対応してくれるウエイターに、この店で一番美味しいものをと告げる。

どう足掻いたって、地球の調味料を好きなだけ使える私の料理に達することは無いだろうが、まぁ、偶にはこの世界の人族の意地を見てみるのも悪くはない。


「お待たせいたしました。こちらが当店最上級の料理、ワイバーンのステーキでございます」


成程。ワイバーンの肉は高級食材と言うことは知識で知っている。

だから以前ステーキにしたのだけれど。

最上級がワイバーンなんだ。

まぁ、ワイバーンもAランクの魔獣。

肉を調達するのも一苦労なのは分かる。

けど、空間ボックスに大量にある肉をお金を払ってまで食べたいかと言われると微妙だ。

まぁ…これは美味しいのが確定しているから、いいか。

そう思い、一口食べる。

塩胡椒以外にも、ソースに工夫してあるのか、前に私が塩胡椒だけで作ったステーキよりは美味しかった。


―まぁ、人族が出すものにしては、美味しいですね。神力が増幅するレイ様の料理とは比べるべくもありませんが。


―ですね~。味はちゃんとしてると思います。というかワイバーンの肉って最高級品だったんですねぇ。


それぞれ念話で感想を述べながら、ちゃんと食べている。

まぁ、私が作る料理に神力が宿るっていうのがまず神の頃にすら持ってなかったチート能力だし、仕方ない。

いや、持ってたけど自分しか食べなかったから発揮しなかっただけなのか。

よくわからない。

それらしいスキルもステータスには載ってないし、かなり謎なのよね。

そんなことを考えながら完食して、代金を払って店を出た。

因みに一人前金貨十枚だった。

ぼったくりにも程がある。


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