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素とのギャップ

「レイ、おかわり」


「私もお願いします」


「はいはい」


ミズキとサクヤの分を追加で手渡して、私は漸くオムライスにスプーンを入れる。

うん、卵はとろとろだし、デミグラスソースもいい感じ。


「美味しい。いつも送って貰って食べてたんですけど、温かいと余計に美味しいです」


「そういえばローゼン、私がご飯送り付けてたけど、騎士団に入団したら食事する必要もあったでしょ?どうしてたの?」


「ああ…口の中に入れているように見せて、転移でゴミ箱に転送してました。演技も結構面倒ですね」


「そうだったんだ。どうりで綺麗に食べてると思ってた」


「ご主人様の手料理を食べないなんて選択肢無いですし」


微笑みながら食べる彼に思わず笑いがこみ上げる。


「あ、そっか。ローゼン、ここでは私の事レイって呼んでね。あと、敬語も使わなくていいから」


「……成程、わかった。ならレイと呼ぶ」


すんなり受け入れたのか、素で話始めるローゼンに私は一瞬戸惑った。

今までかなり丁寧な口調だったので、冷めた声を投げかけられて、動揺したのかもしれない。


「うん、分かった」


「ああ」


今までは主人として接していたのだから、敬語や敬称など当たり前のことだ。

ミズキのように不機嫌顔ではないが、元々冷めた性格なのか、もくもくとオムライスを食べるローゼン。

ふわふわの真っ白な髪は狼らしく柔らかそうだ。

この表情が全く変わらない彼を撫でたら、どんな反応をするのだろうか。

無意識に手が伸びていた。

頭を撫でると、ローゼンはびっくりしたように硬直したが、殆ど表情も変えずに大人しくなでられている。

手を止めると、緋色の瞳がじっと私を見つめた。


「…はぁ。またかよ。彼奴も契約に含むのか?」


「彼次第ですが、どの道淫紋が発動するのは明日です。あの様子では、忠誠心が恋心に変わるのもすぐでしょうけど」


「…レイの男誑し。ってか、シルビア以外全員男ってどういう比率なわけ?」


「知るか。雄の幻獣の方が多いんじゃねぇのか」


なにやらひそひそとミズキとエルノア、サクヤが会話していたが、私の耳には入らなかった。

ミズキ、サクヤ、ローゼンは三人前おかわりし、漸く満足したようだった。

シルビアに一食分転送魔術で送ってから、洗浄魔術で片付ける。

そういえばローゼンのステータスはどうなっているんだろうか。

神眼の鑑定だけを使って確認してみる。


【 名 前 】 ローゼン・アルゼイン

【 年 齢 】 9

【 種 族 】 ホワイトフェンリル(神獣)

【 レベル 】 158

【 体 力 】 16890

【 魔 力 】 16890

【 神聖力 】 15890

【 神 力 】 17905

【 攻撃力 】 16849

【 防御力 】 16748

【 知 力 】 15890

【 敏捷性 】 16890

【 ユニークスキル 】

雷迅化

【 エクストラスキル 】

強化雷魔術

白狼の咆哮

白狼の威圧

魔術攻撃耐性

状態異常耐性

【 スキル 】

経験値倍加

経験値共有化

剣術上級

槍術中級

短剣術中級

弓術中級

気配察知

危機察知



ローゼンに経験値共有化を有効化しておくように命じたのは、サクヤ、ミズキ、シルビアがダンジョンに潜り始めるタイミングと同じころだ。

王都に逗留する彼だけレベルが上がらないのは後々不味いだろうと思って取った措置だったが、レベルもかなり上がっていた。

とはいっても、あのパーティから、すぐに騎士団に入隊したとしても、たった十日足らずで此処までスキルを入手出来る物なのか。

神獣だからなのだろうか。

そもそも、たった一週間で騎士団の中の一つとはいえ、副隊長にまでなった。

普通に考えれば異常出世だ。

ローゼンの才能に唖然としながらも、まぁ神獣だし、不思議なこともないかと割り切った。


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