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森の中でお菓子作り

転移先は、森だった。密林というほど木々は密集していないが、木が生い茂り、雑草が生えて、歩いて通れそうな獣道も無さそうだった。

階層探知を掛けたミズキが、嫌そうな顔をする。

多分、広いのだろう。


「ちょっと早いが、休憩にするか?」


今いる場所は少し開けている。

進んでしまえば、森の中に強引に空間を作ることになるだろう。


「うん。そうしよっか」


頷いた私はマジックコンロを取り出して、思いがけず持て余した二時間ほどの時間をお菓子作りをして潰そうと、色々な材料を創造魔術で創りだす。

まずシュークリームから始めよう。

小麦粉をふるい、卵を溶かす。

マジックコンロのオーブンを190度に温める。

鍋に水、バター、サラダ油を入れ、強火で沸騰したら、火から下ろして、小麦粉を加える。

木べらで玉が無くなるまで混ぜて、少しだけ弱火で温める。

次に溶いた卵を少しずつ加えて練り混ぜて、木べらから垂れ下がってくるような状態になったら、絞り袋に入れて、四センチぐらいの大きさに感覚を開けて絞り出す。

指先に水を付けて、生地の上を軽く押して平らにしたら、爪楊枝で数か所切り込みを入れる。

生地全体に霧吹きして、オーブンに入れたら、20分時間加速魔術を掛けて時間を飛ばし、180度に下げたオーブンで更に15分焼く。

焼き時間は勿論時間魔術で飛ばすけれど。

焼きあがって余熱のオーブンに5分から10分置いとくのだけれど、これも時間を経過させて取り出し、少し冷ます。

次にカスタードクリームを作っていく。

ボウルに卵黄、グラニュー糖を入れてすり混ぜ、ふるった薄力粉を入れて混ぜ合わせる。

鍋に牛乳、バニラビーンズを入れて、周りが沸騰し始めるぐらいまで温めたら、ボウルに注ぐ。

混ぜ合わせてから、ふるいで漉しながら鍋に戻し、弱火でゆっくりととろみをつけたら、ホイッパーを創って混ぜ合わせる。

最後に洋酒とコンデンスミルクを入れて味を整え、氷魔術で冷やしたら、カスタードクリームの完成だ。

ツインシュークリームを作るつもりなので、生クリームとグラニュー糖、ブランデーもボウルに入れて混ぜ合わせる。

角が立つまでハンドミキサー(創った)で混ぜ合わせたら、カスタードクリームとかるく混ぜて、シュー生地にクリームを入れていく。

オーブンが大きいので、結構な数のシュークリームが出来上がった。

それを空間ボックスに仕舞いつつ、次のお菓子の材料を取り出す。

次はシフォンケーキだ。

卵黄をホイッパーで溶きほぐし、サラダ油を少しずつ加えながらよく混ぜる。

練乳と牛乳も順番に加えて混ぜ合わせ、薄力粉をふるい入れ、アールグレイの茶葉を入れる。

粉気が無くなるまで混ぜたら、別のボウルに卵白を入れ、砂糖を似2,3回に分けて加えて、洗浄魔術で前の汚れを取り除いたハンドミキサーを使って角が立つまで混ぜ合わせる。

出来上がったメレンゲを、卵黄生地にひとすくい入れて混ぜ合わせたら、残りのメレンゲを入れて、大きく混ぜ合わせ、全体にむらが無くなるまで混ぜる。

シフォンケーキの型なんて勿論ないので、創造魔術で創りだし、生地を流し込んだら、箸で空気抜きの為三回ほど円を描くように混ぜる。

170度に設定したオーブンで45分分の時間加速魔術を使い、焼きあがったケーキを冷却魔術で冷やす。

型から外したアールグレイシフォンケーキは、ちゃんとふっくら膨らんでいた。

魔術に出来ないことは基本ない。

シュークリームとシフォンケーキを作るのに30分もいらなかった。

次はガトーショコラだ。

使ったボウルや調理器具を洗浄魔術で綺麗にして、再スタート。

板チョコとバターを湯銭で溶かし、混ぜ合わせる。

別のボウルに卵白をハンドミキサーで泡立て、解けたらグラニュー糖を入れて、角が立つまで泡立てる。

また別のボウルに、卵黄とグラニュー糖を混ぜ合わせ、湯銭で溶かしたチョコバターと、生クリームを入れて混ぜ合わせる。

薄力粉とココアパウダーをふるい入れ、ゴムベラでさっくり混ぜたら、メレンゲを数度に分けて入れてその都度混ぜる。

ケーキ型に流し込み、160度のオーブンで50分分の時間を加速させ、オーブンから取り出して冷却魔術で冷やして、型から取り出す。

因みにケーキはシフォンもガトーショコラも二個分焼いている。

創造魔術は万能だ。

私が想像したものが形になって表れる魔術。

だが、創造魔術で創ったものでは、神獣達の神力は上がらない。

一度試してみたことがあるのだ。

わざわざ作らなくとも、創造魔術で出来上がった状態を創造すればいいのではと。

だが、それを食べた時の神獣達に神力上昇の兆候は見られなかった。

だからこそ、こうやって料理しているのだが。

私が手を掛けるだけで、強くなるというのなら、料理自体嫌いではないし、良いかと思う。

次はマーブルクッキーを作ろう。

常温に戻した(魔術で柔らかくした)バターをクリーム状になるまで混ぜ合わせ、砂糖を加えてよく混ぜる。

卵黄を加えて混ぜて、生地を半分に分ける。片方には薄力粉をふるい入れ、もう片方には、薄力粉とココアを入れる。

両方粉っぽさが無くなるまで混ぜたら、白い生地にバニラエッセンスを加えて混ぜる。

生地を三分割にして、重ね合わせ、適当に捩じって二つ折りにしながら棒状に伸ばす。

形を整えたら、ラップにくるんで冷蔵庫代わりの氷を入れた空間で冷やす。

一時間分時間加速を掛けて、固くなった生地からラップを剥がして包丁で5ミリぐらいの厚さに切っていく。

170度に温めたオーブンで、17分ほど焼き時間を加速させて飛ばしたら、完成。

クッキーは焼き立ての方が美味しいので、熱々のまま空間ボックスに仕舞い込む。

次は何を作ろうかなと思考していると、背後に人の気配。

気配察知を持っていないとはいえ、私に気付かれずに背後に忍び寄れるのは彼らの内の誰かだけだろうけど。

ふわりと後ろから抱きすくめられて、ふわりと鼻をくすぐる特有の香りと、回された褐色の肌を見て、ミズキだなと判断した。


「どうしたの?ミズキ」


暇なのだろうけれど、私が料理しているときに邪魔してくるのは初めてだ。


「…なんでもねぇよ」


そう言いながら、どことなく苦しそうな声に、首を傾げて振り返る。

ぱちっと紫紺の瞳と目があった。

その瞬間、食らいつくように口づけてくるミズキを、止める手立ては無く。


次話とその次がR18描写です。

こちらには掲載できませんので、二日分更新が遅れます。

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