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海の階層主

翌朝。

目が覚めて、いつも通りの冴えた頭で安心する。

昨日の熱は、ひと時の物だったのだろう。

昨日そのままにしていたマジックコンロの前に立ち、カボチャを取り出して、綿を抜き、皮を剥いて、タマネギもスライスする。

鍋にバター、タマネギを入れてしんなりするまで炒めたら、水、コンソメ、砂糖、しょうゆを入れてカボチャを投入する。

弱めの中火で十五分ほどの時間加速魔術を掛け、そういえば持っていなかったミキサーを創造し、鍋の中身を移して、液状になるまでミキサーにかける。

再度鍋に戻したカボチャスープを、弱火で混ぜ合わせたら完成。

これだけでは足りないだろうと思い、サンドイッチを追加で作る。

食パンにマヨネーズと創造魔術で創りだしたツナを乗せ、塩胡椒で味付けしてから、キッチンペーパーで水気を切る。

きゅうりとトマトを薄切りにしたら、ツナの上にきゅうりを乗せ、トマトを重ね、パンを乗せて上から押さえつけて馴染ませる。

食パンの耳をカットしたら、四つに切ってお皿に盛る。


「出来たよ~」


声を掛けると、待っていた神獣達が見たことのない食べ物に目を輝かせる。


「レイ様。これは?」


「カボチャのスープ。飲んでみて」


サンドイッチは何度か作っているから食べなれては来ているだろう。

具材は毎回違うのだけれど。


「なんだか、ホッとする味です~」


幸せそうにほっと息を吐くシルビア。

他の神獣達も、まろやかなカボチャスープを飲んで、息を吐いている。

和ませることは出来た様だ。

私もスプーンでスープを口に運ぶ。

カボチャの甘さが何とも言えないコクのあるスープになっている。

ツナサンドも普通に美味しい。

朝には最適なメニューだろう。

軽食を終えて、サクヤ、ミズキ、エルノアのおかわりを入れてやり、ローゼンに転送魔術で送り付けて、マジックコンロを仕舞った。

ベッドもそのままだったので収納し、シルビアが洗い物を終えるのを待って、出発する。


「あ、そうだシルビア。海鮮ドロップ品の回収はもういいよ。これだけあれば十分だから」


「はい!分かりました。では私はまた地上に戻りますね!」


「ええ。構わないけど…何が欲しくて探しているの?」


「えっと…レイ様には…秘密、です」


顔を赤くして視線を逸らしてしまうシルビアを深く追求するのも躊躇われたので、そのまま送り出す。

シルビアはニコニコしながら転移魔術で消えていった。


サクヤが擬人化を解いて、神々しい鳳凰の姿になり、全員を背にの出て舞い上がる。

後ろを見遣ると、尾は七色に煌めいているし、翼は赤い炎で燃えている。

綺麗だななんて感想を抱きながら、一時間ほど飛んで、ボスに遭遇した。

海の階層だもの、海のモンスターだろうなとは思っていたが、これは思った以上に大きい。

Sランクモンスター、シーサーペント。

亜竜種で、ドラゴンよりは格下だが、ワイバーンよりはずっと強い。

海の王者、リヴァイアサン、水竜に次いで、強力なモンスターだ。


ー深海に住む生き物なので、炎には耐性があるでしょうね。まぁ、一度焼いてみましょうか。


迷っていても仕方ないとでも言いたげにサクヤがブレスを吐きかける。

超高温の青い炎は、海の水を大量に蒸発させ、シーサーペントを襲ったが、所々鱗に火傷を負って弱ってはいるが、まだ生きている。

上空に居る私達に牙は届かないと分かったらしく、激流の息吹を吐いて、こちらを牽制してくる。


「まぁ、サクヤには相性の悪い相手だよね。俺に任せて」


エルノアが上空からシーサーペントに手を翳す。

瞬間、空間毎シーサーペントの身体が捩じれ、歪み、バキバキグシャグシャッと酷い音を立てて、シーサーペントが絶命した。

ぐちゃぐちゃになった死体は霧となって消え、ドロップ品が残される。

エルノアが新しく獲得したエクストラスキル、神通力だろう。

念魔術にも目覚めていたが、こちらの方が威力は高そうだ。

ドロップしたシーサーペントの涙と、シーサーペントの牙を拾い、石碑を探す。

暫く飛ぶと、小さな陸地があって、ぽつんと石碑がたたずんでいるのが見えた。

そこに着陸し、次の階を目指す。

転移魔術陣が起動し、私達は次の階層へと転移した。


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