レアチーズケーキ
それぞれの好きな飲み物をコップに注ぎ、食後の一服をしている間に、私はデザートを作るべく、創造魔術を発動する。
クリームチーズとビスケット、無塩バターにサワークリーム、砂糖はあるから、レモンと粉ゼラチンを用意して。
「レイ様また何か作られるので?」
ひょこっとマジックコンロの側に来たサクヤが、不思議そうに私の手元を見る。
「うん、デザート欲しいなって思って」
「デザートですか…楽しみにしています」
ふわりと微笑んで、離れていくサクヤは誰が見ても美人さんだ。
さて、フードプロセッサーでビスケットは粉々にして、溶かした無塩バターと混ぜ合わせ、下地を作る。
ケーキ型にスプーンで押し固めるようにして、形を整えたら、冷蔵庫代わりに氷を入れた入れ物の中で冷やしておく。
クリームチーズを混ぜ合わせ、滑らかになったら砂糖を加え、サワークリームも入れて混ぜ合わせる。レモンを入れて味を整えたら、湯せんで梳かした粉ゼラチンを混ぜ合わせ、冷やしていた型に流し込んで、氷室に戻し、時間加速魔術を掛ける。
取り出してみると、レアチーズケーキは丁度いい硬さに固まっていた。
型から取り出して切り分けて、神獣達に渡してやると、不思議そうな顔をしながら口に運ぶ。
サクヤは一口食べて、幸せを噛み締めるように押し黙った。
「どう?」
「すっごく美味しいです!」
「はい、とても美味しいです。酸味があって食べやすいですね」
「旨ぇ…」
シルビアが感動し、サクヤも同意して、ミズキも感嘆するように声を漏らす。
「うん、美味しい。でもなんでデザートなんか作ったの?」
「うーん、食べたくなったから」
エルノアの口にもあったようだ。
甘いものは正義。
私もレアチーズケーキを口に運ぶ。
うん、我ながらいい出来だ。
簡単だし時間加速魔術を使えばそんなに時間もかからない。
「おかわりあるか?」
「私ももう一つ頂きたいです」
「じゃあ俺も」
「私もです!」
いつもはおかわりをしないシルビアまで挙手したので、困った。
八等分に切ったケーキはあと三個しかない。
「…うーん…もう一個作る?」
「足りないのですね。レイ様のお手を煩わせるようでしたら諦めます」
サクヤが大人な対応をしてくれた。
「じゃあ私の、半分食べていいですよ?」
シルビアが譲歩し、サクヤも頷く。
意図して作った雰囲気出ないとはいえ、サクヤとシルビアがひとつのケーキを突いている様子にほっこりする。
うん、美女と美男子、絵になるなぁ。
残念ながら、二人にはそういう感情は一切見受けられないけれど。




