好みの味
排泄に関して修正しました。
浄化魔術が万能化している件。
翌朝。
徐に目を覚ました私は、ベッドから降りて服を着替え、朝食の準備を始めた。
朝だから軽めに…シーザーサラダと、ベーコンエッグで良いかな。
アイテムボックスから取り出した野菜は、少しサラダにするには時間が経ちすぎているように見える。
時間逆行魔術で採れたて新鮮な状態まで回復させた野菜たちを、サラダにするべく調理していく。
卵も取り出してかき混ぜて、塩胡椒で味付けし、ベーコンを両面焼いて、卵を流し込む。
半熟程度にまで固まったら、お皿に盛って、サラダにシーザードレッシングを掛ける。
よし、完成。
炭水化物は無いけれど、そもそもお腹を空かしているわけではない神獣達には、神力向上の効果さえあれば良いはずだから問題は無いだろう。
「できたよー」
そう声を掛けると、ばらばらに時間を潰していた神獣達が集まってくる。
「野菜って生で食えんのか?」
不思議そうにサラダを眺めるミズキ。
まぁ、採れたての野菜でしか、サラダなんて作らないもんね。
塩胡椒しただけの野菜なんて食べられたものじゃないし。
「うん、時間逆行魔術で鮮度もばっちり。まぁ、一度食べてみて」
「…相変わらず無駄な魔術使ってんな…」
ミズキは呆れつつ、取り分けられたサラダを口に運ぶ。
「…思ったより旨いな」
「この白いたれが掛かっているからでしょうか。味も触感も良いですね」
「うん、不味くはないかな」
それぞれシーザーサラダの評価を述べながら食べ進める。
ベーコンエッグはそれほど新鮮でもなかったのか、何も言わずにもくもくと平らげていく。
「卵だけおかわり」
「私は野菜も欲しいです」
「俺は両方だ」
希望通りにおかわりぶんも作ってやり、私も久々に食べるサラダに舌鼓を打つ。
うん、偶には野菜も食べないとね。
そういえば、神獣達は飲み物とか飲まないよね。
食事も必要ないんだから、水も必要ないのか。
私は聖杯の聖水を飲んでるけど、彼らはそれも一切口にしていない。
飲み物でほっこりする概念は無いのだろうか。
いや、サクヤもギルドの応接室で出された紅茶は飲んでたな。
飲む機会があれば飲むんだろう。
試してみようか。
「ミズキ、甘いのと苦いのと酸っぱいのどの味が好き?」
「…あー?なんだ、なぞかけか?」
「飲み物とか、飲んでみないかなって」
「…わかんねぇ。とりあえず出してみろ」
あ、好みの味も分からないのか。
成程ね、と思いながら、創造魔術を展開する。
取り敢えず、コーラ、ジンジャエール、コーヒー、紅茶辺りから。
コップを創造魔術で創って、少しずつ注いで味を確認させる。
サクヤとエルノアにも。
「…なんだこれ。口の中で弾けるぞ」
「俺は苦いのもしゅわしゅわしてるのも好きじゃないかな」
「私はこの苦みのある飲み物が好みですね」
ミズキはコーラ、サクヤはコーヒー。
エルノアはお好みの味が無かったらしいので、更に色々創り出す。
オレンジジュース、リンゴジュース、カルピス、アクエリアス、ミルクティー。
「あ、これ美味しい」
エルノアが選んだのはミルクティーだった。
ストレートの紅茶は飲めないけど、ミルクティーなら飲める人は結構いるもんね。
私は自分の分はアールグレイの紅茶の茶葉を創り出して、紅茶を淹れた。
一息つくために用意したものだということは理解しているのか、まったり飲み物を飲みながらくつろぐ神獣達。
ミズキは何杯も飲んでいたけれど、排泄物は…浄化魔術で適当に消し去っているんだろう。
浄化魔術とは割と万能魔術で、汗から皮脂、老廃物から排泄物に至るまで、何もかも浄化して清潔な状態を保つ魔術だ。
割と必要階梯は低いので、一般人でも使える者は使える。
そんなどうでもいいことをつらつら考えながら、紅茶を飲み終わって一息つく。
うん、こういう時間があると、何かお茶うけが欲しくなるな。
今度作ろう。
そう決意し、マジックコンロを収納する。
サクヤが食器を洗ってくれたので、それを収納して、安全地帯の結界を解いた。
その瞬間襲い掛かってくる淫魔の群れ。
私は結界魔術と炎魔術の混合魔術を使って、一人一人に触れたものを焼き尽くす焼却結界を張った。




