真なる神獣の到達階梯
一抹の不安を抱きつつ、時間加速でお米を炊き、ご飯の上に牛肉を盛って、三人にお箸と一緒に手渡す。
これまでの経験から、不味いものは出てこないと信頼を寄せてくれている神獣達は、箸で丼を掻っ込んでいく。
「これは、食欲をそそる味付けですね」
最近漸く、味への理解が深まってきたらしいサクヤが、感想を漏らす。
「旨いな。おかわり」
ミズキはあっという間に一食分平らげ、どんぶりを私に差し出した。
ミズキが旨いっていうの初めて聞いたかも。
少し嬉しくなりながら、おかわりをよそって大盛の牛丼を手渡す。
「俺もおかわり」
「私ももらえますか?」
サクヤもおかわりに羞恥心は消えたのか、幸せそうに肉と白米を頬張っている。
ローゼンに牛丼の大盛を二杯分送って、神獣になったかどうか、確認にメモを添えつける。
そういえばシルビアが居ないから、後片付けをする人が居ない。
仕方なく私が食器を洗い始めると、サクヤが変わってくれた。
適性は無くとも、低い階梯の魔術なら全属性扱える神獣は、こういう時便利なのだろう。
実際適性属性以外の魔術が何階梯まで使えるのかは知らないが。
私は全属性百五十階梯ぐらいまでは扱えるが、それは前世の記憶があるからだ。
この世界に産まれて十年に満たない神獣達に私と同じ魔術レベルを求めるのはちょっと酷だろう。
そういえば、得意魔術は何階梯まで使えるようになったのだろうか。
少し興味が湧いて、ミズキに話しかける。
「ミズキ、闇属性魔術なら何階梯魔術まで使えるようになった?」
「ん?あー…」
使ってみたことが無かったミズキが真なる神獣にランクアップしたときに上書きされたはずの知識を読み解き始める。
手の中で闇属性の魔力が唸りを上げている。
渦を巻いたり、炎になったり、毒になったりと姿を変えていた手の中の魔力が消失する。
「…一応七十階梯ぐらいまでは使えそうだ」
「ホント?やっぱりランクアップしただけはあるのね」
「まぁな。レイは全属性使えんだろ?」
「それは前世の記憶があるからで…」
グイっといきなりミズキに腕を引っ張られた。
抵抗できる力があるわけもなく、ぽすっと筋肉質な胸板に顔を埋める。
聖獣であった頃から、物理攻撃半減スキルを持っていたミズキは、前衛が本来つけている鎧のようなものを身に着けていない。
精々、普段着の服を、マジックアイテムとして加工している程度だ。
コートを羽織って入るけれど、ナックルは普段は腰に下げているし、短剣も腰のベルトに収まっている。
怪我をすることも殆どないのだから、重い装備など付けなくてもいい。
怪我をしても切り傷程度なら放っておいても治る。
それも異常な速さで。
同じ理由でサクヤも同じような物だ。
エルノアも、普段着の上に黒いコートを羽織っているだけだ。
暫く太い腕の中に閉じ込められる。
耳元に吐息が掛かってくすぐったい。
「…たりねぇ」
「なに…んぅ」
唇を奪われて、舌を絡めとられる。
いつの間に結界を張ったのか、不可視結界と防音結界、不可侵結界が重ね掛けされて、完全に密室になった空間で、口の中を隅々まで犯される。
性描写が挟まるので、一日投稿が伸びます。
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