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いつの間にかランクアップしていた

演習場から、ギルド室内の受付前に戻ってくると、サクヤがにっこりと満足げな笑みを浮かべ、ミズキは私が加減しようと四苦八苦していたのが面白かったのか笑いを堪え、シルビアが尊敬の眼差しで私を見た。

同じ試験を受けたエルノアは、私が引き起こした大惨事を親指を立てて褒めてくれた。


「良いんじゃん?あれぐらい実力分からせとけば、すぐSランクの昇格依頼も用意するでしょ」


それから三十分ほど待たされて、Aランクの冒険者証が無事発行された。

それからサクヤが私達二人を自分のパーティに入れる手続きを踏み、晴れてSランクパーティとして依頼が受けられるようになった。

期待の新人を是非とも自分たちのパーティにスカウトしようと意気込んでいた冒険者達は、当たり前のように獄炎蝶に入った私達を見て、悔し涙を流していた。

因みにパーティリーダーは当然のように私に明け渡された。


「レイ様レイ様!あの風魔術何だったんですか?」


シルビアが興奮冷めやらぬと言った感じで私に迫ってくる。

一晩除け者にされたから寂しいのだろう。

私はシルビアの頭を撫でながら、勝手に刃が増えたと本音を漏らした。


「ですが、一階梯魔術であの威力とは、流石ですね。以前も加減されていたので?」


「ううん。してなかったはずだけど…」


寧ろ一階梯が十階梯の威力になる神級アーティファクトを持ったまま、二十階梯とか三十階梯とかばんばん打っていた。

ダンジョン内では威力が落ちるなんてことはなさそうだし、なんか魔術の威力が上がるようなことをした記憶もない。


「レイ様、一度ご自分のステータスを確認されてみては?」


言われてそういえば神獣達のは見たけど、自分のは確認してなかったなと思い返し、ステータスウィンドウを開く。

ステータス画面は基本的に本人にしか見えない。

ギルドの真っただ中で確認しても問題ないのだ。


【 名 前 】 レイチェル・フォン・ミドラー(レイ)

【 年 齢 】 12(18)

【 種 族 】 現人神

【 レベル 】 68

【 体 力 】 8759

【 魔 力 】 9999999999(7893852765、消費中)

【 神聖力 】 87999999

【 神 力 】 10948900

【 攻撃力 】 8578

【 防御力 】 8590

【 知 力 】 789999999

【 敏捷性 】 8479

【 ユニークスキル 】

神魔召喚

傾国の美女

知識の具現

魔術の深淵

魔術の神髄

神聖術の真理

神眼

契約者の心臓

【 エクストラスキル 】

先見の明

統率者のカリスマ

完全記憶

【 スキル 】

経験値倍加

経験値共有化

スキル獲得効率化

感情感応

調理中級

【 呪い 】

色欲魔神(アスモデウス)の淫紋

【 加護 】

真なる神獣の想像主


一度ざっと見た後、もう一度よくよく確認した。

種族が何故か現人神にクラスアップしている他に、魔術の神髄とかいうどう見ても魔術に関係ありそうなユニークスキル、果ては呪いは知ってるけど加護って。


頭を押さえて項垂れる。


「何か分かりましたか?」


―魔術威力が上がったのは魔術の神髄っていうユニークスキルと…あと、私が現人神にクラスアップしたせいみたい。


―現人神にランクアップですか?お心当たりは?


―…ないんだよね。


もしかしたら魔王がアフロディーテの信仰を広げ始めた?

いや、時期としてはまだ早すぎる。

一週間しか経ってない。

神の信仰を書き換えるのだ。もっと時間が必要なはず。

可能性としては神獣達が三体、真なる神獣にランクアップしたおかげで、私の神格が強まった…のか?

いや、あの淫紋の呪いを一時解呪するためだけに行われた行為が、神格を上げたとは思えないし思いたくない。

けれど、一番高いのはそれなのだ。


―サクヤとミズキとエルノアが真なる神獣にランクアップしたから、その主の私の神格が上がった…のかも。


―つまりなんだ?究極神獣になるためには昨日みたいなことをもっと積極的にすればいいのか?


―いや、それは違う…はず!っていうかそんな神格の上げ方があって堪るもんですか。


―え~でも実際上がったじゃん。試してみる価値はあるんじゃない?レイ。


底意地の悪いエルノアの念話に、顔に血が上りそうになって、首を振って深呼吸する。


―ねぇ。レイってば。身体を重ねるだけで強くなれるならするべきなんじゃないの?色欲魔神(アスモデウス)も今のままじゃ倒せないでしょ?


―っーこの話終わり。どうせ一週間後にはまたしなくちゃいけないんだから、そのうちでいいの!


念話を打ち切って話に混ざれないシルビアと一緒にギルドから出る。

その後ろで、エルノアとミズキが顔を見合わせてにやりと口角を上げていたことなど知る由もなかった。

その後、のりのりのエルノアとミズキ、置いて行かれまいと便乗するサクヤからの執拗な性開発が幕を開ける未来など想像できるはずもなく。


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