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幻獣に見放された国は滅びます

大量の幻獣の出現により、各国は対応に追われていた。

森や山、渓谷までもが幻獣の縄張りとなり、各国は完全に幻獣に包囲された形となった。

それにより、今まで通りの対応が困難となっていた。

魔獣を狩り、国民の安全を守ってくれる幻獣を神の使いと認め、受け入れる国が大多数の中、獣人族の国、コロネリアは、大きな富を齎す魔獣を駆逐する幻獣を害虫と定め、反旗を翻すことを決定した。


「魔獣は資源だ!資源を奪う幻獣どもを駆逐せよ!」


王家が幻獣を害虫と定め、駆除対象として敵対すると大々的に宣言すると、国に忠誠を誓う騎士も、一般兵も、冒険者も、幻獣と対峙するほかなくなった。

多大な犠牲を払って何十もの幻獣を討伐したコロネリアだったが、幻獣は死体すら残さず消え、負傷兵だけを増やしていった。

そんな中、害虫として認定された幻獣達は、抵抗することもなく、あっさりとコロネリアから姿を消した。

幻獣が居なくなったことで、害虫を撃退したと、雄たけびを上げたコロネリアだったが、勝利の余韻はそう長くは続かなかった。

他国から幻獣に追い立てられた魔獣たちが一斉にコロネリア国に雪崩込み、幻獣の加護を失った国は、あっという間に魔獣の群れに食い殺された。

自分達で資源と口にした魔獣が、一斉に獣人たちに牙を剥いたのだ。

身体能力が他の人族より高いだけの獣人族が、他国から雪崩れ込んだ魔獣の軍勢に押し勝てるはずもなく。一か月もしないうちに、村も街も、王都さえも魔獣の群れに食い尽くされ、獣人国、コロネリアは、あっという間に国としての基盤を失い、滅亡した。

それを耳にした大多数の国々は、幻獣の加護がどれほどのものかを、身をもって実感することになる。

各国は幻獣の保護と、幻獣に敵対する一切の行為を禁止し、幻獣との共存の道を選んだ。

その選択を見届けたかのように、幻獣はある一定数を守護として森に残し、残りはダンジョンへと消えていくことになる。

冒険者への配慮か、ある一定数まで減らされた魔獣は、駆逐されることなく、森にとどまった。

森の恵みだけで生きていける程度にまで間引かれた魔獣は、街や村を襲うことなく、森の中でしか遭遇しない敵として、冒険者達の資源となった。



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