ニセ
俺たちはこんなこともあろうかとその近くに待機していて、騒ぎを聞いて駆けつけてきたのだ。もちろんさっきの雷はミキの魔法の「サンダー」だ。
偽物たちは鬼たちから離れ、俺らの方に進んできた。さすがに良く似せている。鏡に映したようだ・・・までとは言わないまでも。俺はまだ変身していないからそこが違うだけか・・・。
偽物のパーティーの剣の男がふてぶてしく言った。
「まさか、お前たちが来るとはな。」
「こんなことだろうと思っていた。お前たちが鬼の集落を襲ったんだな。その上に我々に罪をかぶせようとした。」
「そうだ。それで鬼族と戦ってくれたら双方ともつぶれると思っていたのにな。だがこうなっては仕方がない。貴様たちは我ら『にせ勇者と仲間たち』が抹殺してやる!」
偽物のパーティーが俺らに襲い掛かってきた。俺はまだ生身で戦うことはできない。さっとその場を抜けて倒れているゾルダを助け起こした。
「お前は昼間の・・・」
「そうだ。俺は『勇者とゆかいな仲間たち』のメンバーだ。」
「しかし・・・」
「この姿ではわからないだろう。しかと見ておけ!」
その時、仮面の男が俺たちの方に駆け寄ってきた。確かに近くで見てもラインマスクにそっくりだ。俺は立ち上がってそいつを指さした。
「この偽者め! 本物を拝ませてやる! 行くぞ!」
俺は変身ポーズをとった。それを見せつけたいために今まで生身でいたのだ。
「ラインマスク! 変身! トォーッ!」
俺は空中で変身して華麗に着地した。
「天が知る。地が知る、人が知る。俺は正義の仮面。ラインマスク参上!」
(どうだ! かっこいいだろう!)と言わんばかりに見せつけてやった。
「うぬぬぬ・・・」
偽物が本物のラインマスクを前に悔しそうな声を上げていた。
「許さん! このラインマスクの偽者め!」
すると奴はこう返した。
「何を言う! 俺様はラインマスクの偽物ではない!」
(だったらどうなんだ!)と俺はツッコミを入れたくなった。奴はさらに言葉を続けた。
「俺様こそ正真正銘の本物のニセラインマスクだ!」
(こいつ開き直りやがったな。)俺はそう思ったが、よく考えてみるとそうではない。奴は最初からニセラインマスクという怪人として作られているのだ。本人にしてみたら偽者扱いは心外と言ったところだろう・・・そんなことがどうでもいい。
ニセラインマスクは身構えると、すぐにかかってきた。
「俺様の強さを思い知れ!」
「本物の強さを見せてやる!」
俺も応じた。互いに動き回りながらパンチやキックを繰り出していった。どうせ奴はまがい物だから俺の敵ではないだろう・・・と思っていたが、勝負はなかなかつかない。俺と互角だ。奴はニセラインマスクのはずなのに・・・。
ニセラインマスクは驚く俺をあざ笑うかのように言った。
「どうだ! 俺様の強さに驚いただろう。ジョーカーが貴様の戦いを記録にとって映像化した。それを俺の頭の中で昇華して魔法増幅装置で変身しているのだ!」




