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パーティー

「トォーッ!」


 俺は掛け声とともに大きくジャンプした。そして大木の枝の上に立った。敵の手が及ばないところでじっくりと見せつけて変身する。それが解決策だ。俺はその高いところで格好よく変身ポーズをきめた。


「ラインマスク! 変身! トォーッ!」


 俺は空中で変身した。降りるところは苦戦している勇者ノブヒコのそばである。そこで彼の背後から襲いかかろうとしていたゴブリンをキックで跳ね飛ばした。


「助けに来た!」

「それはすまん。ところで君は?」


 そう聞かれて俺は(しまった!)と思った。今回は名乗りを忘れていたのだった。しかし今更、この状況で長々しく名乗りを上げることはできない。


「正義の仮面、ラインマスクだ!」


 俺はそう答えただけになった。しかしそれでも勇者ノブヒコにとっては戦う仲間ができて心強かったのだろう。


「ラインマスクか。いっしょに戦おう!」


 と言ってくれた。俺は大きくうなずくと、向かってくるゴブリンにパンチやキックを叩きこんだ。さすがにラインマスクの攻撃を受けてゴブリンたちのダメージは大きい。敵わないと見たのか、ゴブリンたちは慌てて逃げて行った。

 俺は追おうとしたが、


「追わない方がいい。深追いは危険だ。」


 という勇者ノブヒコの言葉で思いとどまった。後から見るとその判断は正しかった。敵の罠が仕掛けられていたのだから・・・。

 俺は変身を解いた。勇者ノブヒコは目を丸くして驚いていた。彼はゴブリンとの戦闘に必死で俺の変身シーンなど見ていなかったからだ。


「君だったのか! だがあれは何なんだ?」


 無理もない。ラインマスクのことなど、この異世界の人が知るはずはない。


「俺は正義の仮面、ラインマスクに変身することができる。ラインマスクは世界の平和を守るヒーローだ。」


 俺はそう教えてやったが、彼はあまり理解していないようだった。


「平和? ヒーロー?」

「とにかく困っている人を助ける者だ。」

「そうか。それなら私と同じだ。」


 勇者ノブヒコはようやく納得したようだった。そこにホバーバイクが近づいてきた。よく見ると乗っているのはミキだった。


「どうしてここに?」


 俺はホバーバイクを降りたミキに尋ねた。


「私だって魔法使いよ。助けに来たのよ。でも戦いは終わったようね。けが人の傷の手当をするわ。手伝って!」


 ミキは俺を連れて倒れている聖騎士団の剣士たちを診ていった。そして順番に回復魔法をかけていった。それですぐに良くなる・・・と言うほどでもないのだが、応急手当にはなるようだ。後は近くの町に運んでもらって治療を受けさせねばならない。

 幸い、横倒しになっていたホバートラックは何とか起こすことができた。動かせるようだから物資とともにけが人をライムの町に運んでもらうことにした。


「これで一安心だ。」


 おやっさんは気楽に言ったが、これから先もゴブリンの襲撃を受けるかもしれない。根を絶たねば繰り返されることになる。


「おやっさんは一緒に町に戻っていてください。俺はもう少し探ってみたいと思います。」

「ん? 何を探るんだ?」

「おやっさんも言っていたじゃありませんか。ゴブリンが急にホバートラックを襲うのはおかしいって。」

「そりゃ、そうだが・・・もしかして本当に・・・。」

「ええ、ジョーカーです。」


 俺はそう確信していた。俺の勘ではゴブリンは何者かに操られているような気がしていた。こんなことを起こすのはジョーカーしかないと。これはヒーローもののお決まりだ。


「でも一人で大丈夫か?」


 おやっさんは心配していた。すると横から勇者ノブヒコが話に入ってきた。


「大丈夫だ。私も行くから。」

「それなら私も行くわ!」


 けが人の手当てを終えたミキもそう言って手を挙げた。


「よし! これでパーティーができた!」


 勇者ノブヒコはガッツポーズをしていた。こうして俺はまるでRPGゲームのようにパーティーの一員になってしまった。


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