表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/182

救出

「ソウタ! しっかりして!」


 俺は声をかけられて目を開けた。目の前にはミキがいた。俺は体を縛られて暗い部屋に閉じ込められていた。そこに俺を助けようとミキが忍び込んできたのである。彼女は魔法使いだからそんなことは朝飯前だ・・・と俺は思っていた。


「ミキ・・・か。」

「今、縄を解くわ。」


 ミキは棒を俺に向けて魔法を唱えた。すると縄はするりと解けた。


「大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。ありがとう。やはり君が助けに来てくれたんだね。」


 そう言うとミキは頬を赤らめてそっぽを向いた。


「別に助けに来たわけじゃないのよ! ジロウや他の人のことが気になっていただけよ!」


 相変わらずのツンデレだった。俺は苦笑しながら咬まれた首や腕をさすった。もう傷は消えている。改造人間の回復は常人より遥かに速い・・・という設定なのだ。それに俺を操ろうとして牙から注ぎ込んだ毒・・・浄化してしまう俺には効かないことになっている。それは俺に埋め込まれた魔法増幅装置によって、俺の考えるがままなのだ。だがやられた振りをして、倒れたままじっとしているのは少々つらい。さてこの次、どういう展開にしていくか・・・。


「それより操られている人を治す方法はあるのか?」


 そのためにミキを逃して方法を考えてもらったのだ。もし簡単に怪人を倒して治す方法がなくなってしまったら大変だからだ。ミキはツンデレを止めて、真剣な顔をして俺の方に向いた。


「それは難しいわ。怪人の魔法の毒で操られているみたいなの。でもあの怪人を倒せば魔法が消えて元に戻るかも。」


 そうなるとあとは奴を倒すだけだ。ヒーローらしい話になっていた。しかしあの青い顔をした人たちに囲まれずにどうやって戦うか・・・前回は盛り上げるためにわざと捕まったが、何度もそんなことをしていられない。


「怪人は俺が倒す。だがあの人たちをどうやって・・・」

「それなら任せておいて。考えてみたらただぼうっと歩いている人だもの。魔法をかけて動けなくしたら問題ないわ。」


(なるほど)俺は心の中でうなずいた。魔法は便利だ。どんな状況でも切り抜けられる。だがヒーローが活躍できる程度にしなければ盛り上がらない。


「よし。それなら俺がこの部屋を音を立てて出る。するとあの人たちが追ってくるだろう。ミキはあの人たちを動けないようにしてくれ。そうすれば怪人が出てくる。」

「わかったわ! OKよ!」

「よし! いくぞ!」


 俺は勢いよくその部屋を飛び出した。すると廊下にいた青い顔の人たちがゾロソロと向かってきた。いや、そればかりではない。部屋からも人が出てきた。そこをすかさずミキが魔法をかけた。


「・・・イモビラス・・・」


 するとピタッと青い顔の人たちの動きが止まった。そこにコウモリ怪人が出てきた。自由になった俺と動かなくなった青い顔の人たちを見て、驚きの表情を見せた。


「貴様! どうやって!」

「ふふふ。お前の毒など俺には効かん!」

「なんだと! ならばこの俺が直接抹殺してやる!」


 望むところだ・・・俺は身構えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ