サボテン怪人
もう夜が明けていた。おやっさんとゴウがイル平原でジョーカーの爆弾工場を探していた。平原と言ってもごつごつした岩山が所々にあり、ずっと見渡せるわけではない。
しばらく探していると岩山に囲まれた土地に建物が見つかった。近くにはカレシアの木が数本生えている。そしてそれを遠くから見ているヤマトの姿もあった。おやっさんとゴウは彼のそばに行った。
「あれが工場か?」
「ええ、そうです。あれを見てください。」
ヤマトが指さした。工場の横にホバートラックが横付けされている。そこに工場から大量の箱を積み込もうとしていた。」
「奴ら、あんなに多くの箱を。」
「ええ。ライムの町を爆弾で壊滅させようとしています。」
「そうなのか!」
「ええ、ジョーカーの仕業です!」
ヤマトは言い切った。おやっさんはこの男が知りすぎているように思えて仕方がなかった。それは横にいるゴウも同じだった。この男はいったい何者なのか・・・大きな謎が2人を襲っていた。
「お前、ジョーカーを知っているのか! お前は本当は何者なんだ!」
おやっさんが強く問いかけた。するとヤマトはニヤリと笑った。
「ジョーカーの敵。そして人間の味方!」
彼は大げさな身振りをして答えた。だが何のことか、おやっさんたちにはわからない。
「それは何なんだ?」
おやっさんがそう聞くと、ヤマトは真剣な顔をして言った。
「ヤスイ・ソウタはジョーカーの別作戦のため北ナショナ地方に旅立った。俺は彼に代わってライムの町を守るラインマスク!」
「なんだって!」
それを聞いておやっさんは驚いた。もう一人、ラインマスクがいたとは・・・。
「お前も改造人間なのか!」
「お見せしましょう!」
ヤマトはあの変身ポーズをとった。
「へーんしん! トオオオォー!」
ジャンプすると空中でラインマスク2号に変身した。そして近くに停めてあるスタースクリームにまたがった。
「ブロロロォー!」
スタースクリームは走り出し、工場に向かった。そして箱を運搬する荷台を跳ね飛ばしていった。すると箱からサボテン爆弾が飛び出し、爆発していった。
思わぬラインマスクの襲来に箱を運び出す者たちは慌てていたが、すぐに工場からスレーバーが出てきた。2号はスタースクリームを停めて降り立った。
「来い!」
2号は向かってくるスレーバーをパンチやキックで次々に倒していった。その力強さは圧倒的だった。すると中から怪人が出てきた。
「貴様は!」
「俺は正義の味方。ラインマスク見参!」
2号は名乗りを上げた。
「貴様はこのサボテン怪人が葬ってやる! 来い!」
サボテン怪人は大きな拳を振り上げてきた。2号は慌てずにそれを受け止めてカウンターのパンチを放った。それは胸を直撃した。怪人はなおも攻撃を続けてくるが、2号の連続パンチを食らわせた。その衝撃でサボテン怪人は後ろに下がった。
「おのれ!」
サボテン怪人は体に生えている棘を飛ばした。それは2号に当たり爆発を起こした。
「うわっ!」
思わぬ攻撃で2号は声を上げた。サボテン怪人は2号がひるんだ隙にまたパンチを放ってくる。2号はそれをまともに食らって少しずつ下がり始めた。
「俺様の必殺パンチを受けろ!」
サボテン怪人が腕を大きく振り上げて右パンチを放ってきた。だが2号は身をひるがえしてそれを避け、右腕をつかんで投げ飛ばした。怪人は大きく宙を舞って地面に叩きつけられた。
「今だ! トオオオォー!」
2号は大きくジャンプした。そして空中で大きく何度も回転してサボテン怪人に向けてキックを放った。
「大回転ラインキック!」
それは立ち上がったサボテン怪人を直撃して吹っ飛ばした。その体はグーンと空を飛んで工場に飛び込んだ。
ドンと着地した2号は振り返った。工場は衝撃でサボテン爆弾が誘爆を起こした。
「ドーン! ドーン! ドーン!」
と何度も爆発が起きて炎と煙が上がった。2号はじっとその光景を見ていた。爆風がそのマフラーをなびかせている。
「ラインマスク!」
「やったな!」
おやっさんとゴウが駆け寄ってきた。
「これでライムの町の爆弾破壊の恐れはなくなりました。」
「お前がこの町を守ってくれていたのか?」
「ええ、そうです。これからは俺がこの町を守ります!」
「そうか! これからも頼むぞ!」
ラインマスク2号とおやっさん、そしてゴウががっちりと握手した。この3人がこれからもライムの町を守るだろう。3人は朝日に照らされて笑いあった。
今回は2号編でした。
次回はラインマスク(1号)に戻ります。




