11対1
俺はホバーバイクでライムの町の魔法力生成所に急いでいた。すると俺の耳に戦いの音が飛び込んで来た。常人の数百倍から数千倍の聴力を持つ俺だから遠くの音が聞こえるのだ。
「しまった! 遅かった!」
俺はホバーバイクをさらに飛ばして勢い良くジャンプした。するとその付近の様子が見えた。守備隊はほぼ全滅し、多くの怪人が魔法力生成所を囲んでいる。
「あれはクモ怪人、サソリ怪人、コウモリ怪人か。ええと・・・カメレオン怪人、蜂怪女、オオカミ怪人、キノコ怪人。それにヤマネコ怪人、カマキリ怪人も。ラフレシア怪人までもいる。」
何とか怪人の名前を思い出せた。10体ばかりだが、忘れかけた奴もいた。そいつらは再生怪人だ。この作戦のために急遽、揃えてきたのだろう。アフレシア怪人なんてこの間、倒したばかりだ。すぐに再生怪人を作るとは恐るべきジョーカーの力だ。
それにもう1体、知らない怪人もいる。恐竜のような姿をしている。迫力が半端ない。特にその太い尻尾は特徴的だ。その尻尾のパワーで結界を破ったのに違いない。
「あいつがメインの怪人か! ならば・・・」
俺はホバーバイクをそのまま走らせて突っ込んで行った。その爆音に怪人たちが俺の方を向いた。再生怪人が止めようとしたが、ホバーバイクにはねられてヤマネコ怪人とラフレシア怪人が吹っ飛んで空中で爆発した。やはり再生怪人は強くない。
俺はそのままの勢いでティラノ怪人に突っ込んでいった。うまくいけばこいつも葬れると・・・。だがさすがにそれは無理があった。
「バーン!」
俺はホバーバイクごと吹っ飛ばされた。体当たりさえものともしないとは・・・。さすがに再生怪人を従えて大きな作戦の回の怪人にふさわしい・・・などと言っている場合ではない。
俺は空中で態勢を整えて着地した。こうなれば後は変身して戦うばかりだ。俺は変身ポーズをとった。
「ラインマスク! 変身! トォーッ!」
ジャンプして空中で華麗に変身すると、そのまま魔法力生成所の屋根の上に着地した。ここは決めねばならない。
「天が知る。地が知る、人が知る。俺は正義の仮面。ラインマスク参上!」
「グオゥグオゥグオゥー!」
何か言いたいようだが、どうも恐竜のような怪人はしゃべれないらしい。だが代わりにクモ怪人が声を上げた。
「来たか! ラインマスク! 我がジョーカーの強力な新怪人、ティラノ怪人がいる。貴様の墓場はここだ!」
(そうか。ティラノ怪人というのか。今までの怪人とはパワーがけた違いだ。注意しなければ・・・)
俺はそう思いながらもジャンプして地上に降りた。すると再生怪人が次々に襲ってくる。まずは「ラインパンチ」でコウモリ怪人を葬った。そして次は連続キックでカメレオン怪人を吹っ飛ばして爆発させる。だがまだ再生怪人は6体いる。1対1体は強くないのだが。これほどの数がいるとさすがに手に余る。そうしている間にティラノ怪人が魔法力生成所を破壊してしまうかもしれない。
(まずい。このままでは・・・)
怪人をすべて倒しても魔法力生成所を破壊されればこちらの負けだ。どうにもならない状況に追い込まれている。だがその時、あの男が駆けつけてくれていた。




