ゴウの協力
その粉は俺の体に付着すると爆発を起こした。
「うわー!」
俺はその衝撃に思わず声を漏らした。だがそれだけでは終わらない。体中に火花が飛んでパワーが落ちてきたのだ。俺は力なく片膝をついた。この粉のせいでさらにパワーを失われている。
「ふふふ。見たか! 俺様の花を。この花粉を浴びたからにはもうお前に勝ち目はない。」
ラフレシア怪人は俺を足蹴にした。俺は体を支えきれずにその場に倒れ込んだ。どうにもならない。いや、どうにかなりそうだ。パワーがただ抜かれているだけではない。かなり臭いのだ。それで頭がぼうっとしている。
「そら! どうした? 立ってみろ!」
ラフレシア怪人はそう言って俺を足で踏みつけた。こいつはSだ。俺をいたぶって楽しんでいる。それにこの臭さ・・・ジョーカーの悪趣味を呪うしかない。なんとかしたいのだが、奴の花粉の臭さに俺は参ってしまっていた。
だがそれに立ち向かう男はいた。それはゴウだ。彼は苦痛をはねのけて立ち上がり、ラフレシア怪人に体当たりした。それで奴は不意を突かれて地面に転がった。
「怪人め! 参ったか!」
それが今のゴウができる最大限の抵抗だった。ラフレシア怪人はすぐに立ち上がり、ゴウに向かって行った。
「この人間め!」
ラフレシア怪人はゴウの胸ぐらをつかみ、何度もパンチを浴びせていた。ゴウは抵抗したが、そのままパンチを食らい続けている。
俺はゴウの不屈な態度に何か感じるものがあった。臭いにおいに悶絶している場合ではない。俺は立ち上がった。そしてエネルギーを放出した。
「ラインフィーバー!」
この技は体を発熱させるが、同時に体に付着して物をはねのける。もちろん臭いも取れる。それで俺はまっさらな状態になった。
それに気づいたラフレシア怪人はゴウを放り出して俺に向かってきた。まずはツルのムチの攻撃だ。だがそれはさっと避けた。次に花粉を浴びせてきた。これを浴びるとまた元も木阿弥になってしまう。
「トォーッ!」
俺は大きくジャンプした。普通ならいろいろと技を繰り出してから必殺技となるのだが、こんな厄介な奴はさっさと倒した方がいい。あまりに花粉をまき散らされると臭くてたまらなくなる。
俺は空中ドリル状に回転して奴に向かって行った。空気の摩擦力で俺の体が真っ赤になって発熱する。
「ラインドリルキック!」
それはラフレシア怪人をとらえた。奴は燃え上がって灰になって風に飛ばされていった。こうすれば花粉は飛び散らず、辺りの環境が汚されることもない。ラインマスクの見せ場はあまり作れなかったが仕方がない。今回はこれでよしとしよう。
「ラインマスク!」
ゴウが駆け寄ってきた。その表情はうれしそうだ。あんなにやられたのにタフな奴だ。彼ははラインマスクの俺を小突いて言った。
「助かったぜ。ソウタ!」
「どうしてそれを?」
俺は驚いた。ゴウには正体をばらしていないはずだった。もしかしておやっさんが・・・。
「ははは。俺は知っていたんだ。お前には隠していたが、俺はエフビーアだ。」
それを聞いて俺は納得した。俺もエフビーアのことはうわさで聞いていた。ゴウがそうなら俺の正体を知っていてもおかしくない。それにジョーカーのことも・・・。
「そうだったのか。ところでおやっさんは?」
「おっと。いけねえ! 忘れていたぜ!」
そんなところはゴウのままだ。俺たちは慌てておやっさんのもとに行って抱き起した。ゴウがおやっさんの状態を確認する。
「大丈夫だ。気を失っているだけだ。」
「それはよかった・・・」
俺がそう言ったとき、急に勇者ノブヒコからテレパシーでメッセージが入った。
「ソウタ。基地のコンピューターから重要な情報がわかった。すぐに戻ってきてくれ!」
俺はそれを受け取った。それは傍目にはただぼうっとした様子に見える。おかしく思ったゴウが聞いた。
「どうしたんだ?」
「いや、仲間からメッセージが入った。何か重要な情報が手に入ったらしい。すぐに戻って来いと。」
「そうか。それなら行ってくれ。ここなら俺一人で大丈夫だ。」
「では頼む。おやっさんも・・・。『すいませんが、しばらく留守にします。』と伝えてくれ。」
「わかった。おやっさんが目を覚ましたら説明しておくから。」
俺は後のことをゴウに頼んでアール山のジョーカーの基地に戻ることにした。スタースクリームにまたがり、スピードを上げて道を疾走していった。




