ラフレシア怪人
それは俺、スタースクリームに乗ったラインマスクだ。スタースクリームを地面に着地させて走り回る。それでスレーバーたちを跳ね飛ばしていった。こうした方が手っ取り早い。怪人が声を上げた。
「貴様は!」
「天が知る。地が知る、人が知る。俺は正義の仮面。ラインマスク参上!」
バイクを停めて俺は名乗りを上げた。変身ポーズを見せつけることはできなかったが、この登場の仕方には満足した。驚く怪人のリアクションがいい。
「おのれ! このラフレシア怪人の力を見せてやる!」
それを聞いてやっと怪人の正体がわかった。蕾の頭では何かわからない。世界最大の花、ラフレシアはこの異世界にもあったのだ。これをモチーフにした怪人だとは・・・あまりにもマニアックすぎる。
ラフレシア怪人はパンチやキックを放ってきた。しかし奴の力はそれほど強くないし、スピードも劣る。俺が奴の攻撃を受け止めてパンチを叩きこむと簡単に後ろに下がった。
「おのれ!」
ラフレシア怪人はそう叫ぶと、今度は体に巻き付けたツルを伸ばしてきた。それを両手に持ってビュンビュンと振り回している。ツルのムチとして攻撃してくるようだ。奴がムチを振り下ろしてきて鋭い風切り音が聞こえる。俺はそれを避けると地面が「ビシッ!」と穴が開いた。威力はかなりあるようだ。だが当たらなければどうということもない。
俺は奴のムチを避けて接近しようとした。だがそんなことは奴はお見通しだった。俺がムチに気を取られているうちに、他のツルが俺に巻き付いてきた。気が付くと四肢にツルが巻き付いて動けなくなっていた。
「ふふふ。いいざまだ! くらえ!」
動けなくなった俺に容赦なくムチの雨が降り注ぐ。ムチが体に当たるたびに火花が飛び、苦痛が体を駆け回る。
「このまま切り刻んでやる!」
ラフレシア怪人は何度もムチを振り下ろした。確かにこのままではバラバラにされる。俺はパワーふり絞った。
「ラインパワー!」
これは多くの魔法力を消費して一時的にパワーを増大させる。その力で四肢に絡みつくツルを断ち切って弾き飛ばした。それでもう動きを封じるものはない。完全に体の自由を取り戻した。ここで大逆転を狙う。
俺はラフレシア怪人に接近してパンチを叩きこんだ。奴は大きなダメージを受けて後ろに下がった。しかし逃しはしない。さらに攻撃を加えようと俺は接近した。その時だった。
「プワーア!」
いきなりラフレシア怪人の頭の蕾が開いて大きな花が咲いた。そしてそこから花粉と思われる粉が俺に大量に降りかかった。俺は油断していた。ラフレシア怪人だから花が開くことは想定済みだった。そうなるとこの花粉の攻撃は予想できたのに・・・。うかつにも俺は奴の思うつぼに飛び込んでしまったのだ。




